Between The Sheets ~夢への抒情詩~ -4ページ目

Between The Sheets ~夢への抒情詩~

寝る前にちょこっと読んでほしい、素敵な物語をあなたにお贈りします。

 日が落ちる間際の真っ青な空に




 夕暮れの気配が忍び寄る




 天高くにはヒコーキが




 長いすじを伸ばしながら




 どこかへ向かっている途中




 ふいにその景色がひどく




 もの悲しく感じた




 それはたった一瞬の出来事




 いつかの時代




 人々はこのひとすじを見つめながら




 死にゆく仲間を想い




 からだを蝕む苦しみに耐え




 あしたを見出そうとしたのかもしれない




 そんないつかの時代が




 今につながっている――




 どうして人は




 与えるより与えられることを




 真っ先に望むのだろう




 頭ではわかっているのに




 なかなか行動できなくて




 いつも待っているだけ




 近づきたいのに




 自分からは近づけない




 おかしなプライドと意地が




 二人の間に溝をつくる




 これじゃあいつまでも平行線



 「髪、染めてみよっかなぁ・・・」

 彼が洗面所の鏡の前にいること、15分。

 いつまで自分に見惚れているんだと呆れ半分のあたしの耳に、そんな呟き声が入ってきた。


 「髪? 何で?」

 「ちょっと色変えてみたほうが、カッコいいじゃん」

 そう答えながらも髪をいじくっている彼に、あたしはますます呆れてしまう。


 「何で今更そんな、高校卒業したての若造みたいなこと言ってんの?」

 「失礼な。俺だってまだ若者だよ」

 やっと彼はあたしの方を見て、口を尖らせた。

 

 「そろそろ茶髪の季節だろ」




 一体何がどうなると、「茶髪の季節」になるんだか。

 「茶色にしてどうすんの?」

 彼の黒い髪が好きなあたしは、どうしても明るいトーンの頭をした彼の姿が想像できない。
 「別にどうもしないけどさ。

  何かこう、気分が変わるっていうか」

 

 彼はブラシで髪を梳いて、いろんな流れを作ってはポーズを決めたりしている。

 その様子が何だかナルシストみたいで、あたしは思わず吹き出してしまった。




 「わかった。女にモテようと思ってるんでしょ?」

 「うん、そうそう・・・って、違うだろ。

  そういう時期はもうとっくに通り過ぎました」

 さっきは自分のこと、まだまだ若者だって言ってたくせに。


 「お前さ、彼女だろ。そういうこと言うかフツー」

 彼は、やれやれという口調でそう言った。

 「だってさ、鳥や蝶のオスって、やたら見た目キレイじゃない。

  あれってメスにモテるためなんでしょ」

 「鳥や蝶の自己顕示欲と一緒にされてもなぁ・・・」


 そう嘆きつつ、彼が半分遊びで逆立てた毛先は、本物の鳥みたい。




 「なりたい自分、ってのがあるだろ」

 ふと、彼はそう呟いた。

 

 「なりたい自分?」

 「そう。 別に意味はないんだけどさ、

  こんなふうにしてみたらいいかもな~っていうちょっとしたビジョン。

  女にモテるためでもなく、周りに差をつけたいってわけでもなく、

  自己満足にしかすぎないけれどコレが結構重要だ・・・

  っていう自分像だよ」

 「ふーん・・・」

 「ってか、お前にもあるだろ、そういうの」




 彼に指摘されて、あたしはう~んと考えてみる。

 

 確かに、ないことはない。

 すぐそこのスーパーに行くのにもちょっとした化粧は欠かせないし、

 気に入った服を見つけたらどうしても買わずにはいられない。

 前者は身だしなみでもあるし、後者はおしゃれでもあるけれど、

 やっぱりどっちとも自己満足という要素が強いかもしれない。


 人は何のために、自己顕示するのか。




 「でもあたしは、黒髪の方が似合うと思うけどなぁ」

 相変わらず乗り気でないあたしの言葉に彼は苦笑いして、

 「そう言うと思った」

 と、案外楽しそうな声で応えた。



 わけもなく 眠れない夜




 時計の音がやけに響く




 わけもなく 横たわったままの状態に




 起きているのか眠っているのか




 生きているのか死んでいるのか




 世の中の「確か」を失いつつある今




 わけもなく・・・




 吹き荒れる春の嵐が




 早くこの夜を吹き飛ばしてくれればいいのにと




 わけもなく 切に願う


 って書いたら、

 KAT-TUNの「ナミダ→ナゲキ」(あってるかな?)みたいで

 思わず苦笑してしまいました・・・。


 こんにちは、Arcです。




 昨日、今日と

 とても風が強いです。

 特に今日はやたら寒い。

 太陽は出ているのですが。


 皆さんの住んでいるところはどうなのでしょう?




 それはさておき。




 通学路ならぬ通勤路の八重桜も

 盛大に散りつつある今日この頃、

 ことに夏が近づいているなあと感じることがあります。


 木々の緑が、すごく瑞々しい。


 そう。

 毎年5月が近づくと、いつもそう感じるんです。

 

 


 わたしは植物が大好き~っていうほど詳しくもないし、

 手間ヒマかけて世話したりするのはできないんですけど、

 やっぱり緑はいいですね。

 心が落ち着きます。


 一応市内で生活しているから

 周りが田んぼや林だらけということはないのですが、

 忙しない道路からちょっと目線を上にやると

 木々が新芽を出していたり、

 お城山の若葉が鮮やかだったり・・・。

 

 瑞々しい緑を目に映す機会にはすごく、恵まれています。 




 うららかな春。

 桃や梅、桜。

 春は「ピンク」のイメージがあります。


 それに対して

 今の季節はもう、「緑」が主流。

 厳密に言うと、若葉色でしょうか。




 さわやかな「緑」の似合う季節。


 初夏がもうすぐそこまで、やって来ています。




 風に吹かれながら、ふとそんなことを考えるArcでした。




 ↑気になって今、調べたら

 「ナミダ・ナゲキ→未来へのステップ」でした。

 ファンの皆様、失礼しました~。



 「冷蔵庫の奥には小人が住んでいる」

 突然、彼女はそう呟いた。


 気でもふれたか?

 俺は不審な顔つきで、テーブルで肘をついている彼女を見つめる。




 彼女はもう一度、同じ台詞を繰り返した。

 「だから何の遊びなわけ、それは」

 恐る恐る、だけどちょっぴり呆れたように、俺は尋ねる。


 「テレビを消して。そして、耳をそばだててみてよ」

 いつもとは違う真剣な表情。

 俺はテレビの電源をオフにして、彼女の言うとおり冷蔵庫の方に神経を集中させた。

 クイズの答えが気になるところだけど、背に腹は変えられない。

 彼女の異常な様子の方が、俺には大事だ。




 「別に何も、聞こえないけど?」

 躊躇いがちな俺の声に対して、彼女は目をつぶったままぴくりとも反応しない。

 やれやれ、一体何なんだ。


 「よく聞いて」

 

 そう言われても。

 どんなに耳をすませてみても、冷蔵庫に小人が住んでいるような物音なんて一切聞こえない。

 大体、何を根拠に、こんな突飛なことを言い出したのだろう。

 「実際に小人がいるところをみたわけ?」

 相変わらず、彼女は無反応。

 

 俺は小さくため息をつき、彼女のお遊びにとことん付き合う。




 「小人は人間の前には姿を現さないのよ」

 「なるほど」

 「だからあたしも、姿を見たことはないの」

 「なんか昔、そういう物語があったな。

  真夜中にこっそり、靴屋の手伝いをする小人の話」

 「その小人はいい小人でしょ。うちに現れるのは、悪い小人なの」

 「悪い小人?」

 「夜中にこっそり、あたしのババロアを食べちゃったの」




 ババロア。

 思わず、俺は笑ってしまった。




 「ごめん、あれ、食ったの俺」

 ずっとつむったままの目を、彼女は開いた。

 まずった、と思った。

 悪気もなく正直に言ってしまったけれど、しらばっくれておけばよかっただろうか。

 だけど、とぼけて責任逃れするのも情けないし。


 「あの、ごめん・・・な?

  また同じの買ってくるからさ、機嫌直せよ・・・な?」




 大きな目玉をぐりんと動かし、彼女はその瞳孔に俺をとらえる。

 「小人がようやく、自分の正体に気付いた」

 マズい、怒ってる。

 見えない冷や汗が、だらだらと流れ出ているような気分だ。


 「明日までにババロア100個。よろしくね、小人さん」

 そんなに買ったら、全部食べきる前に腐らせちまうだろ。

 そう突っ込みたかったけれど、悪魔の麗しい笑顔で小指を差し出されては、こっちも愛想笑いしながら小指を握り返さないわけにはいかない。

 

 そんな小心者の小人の俺なのだった。


 SHOEIのフルフェイスを被り




 ホンダREBELのスロットルを回す




 4月の風は軽々と流れていき




 太陽は穏やかに笑ってる




 春とバイクは相性がよく合うんだから




 時速60キロ以上は飛ばせないけれど




 いつも風になれる瞬間がここにはある


  

 休日くらいは贅沢な時間を過ごしたくて




 テレビの電源をOFFにし




 皿洗いを中断し




 あなたのとなりに寝転がった




 こうやってゆっくりすること




 最近 忘れかけていたね




 今度のお休みが晴れだったら




 一緒にお外へ出かけてみない?



 第4週目は、知る人ぞ知る「男女共同参画週間」。

 私も勤めだして初めて知ったのですが・・・。


 


 うちの施設では毎年その時期に、

 ビデオ上映会をしているみたいです。


 まさにそれは、「情報」担当の私が請け負う企画。


 と、いうことで。

 早くも起案を出さないといけないから、

 厳選なる審査の結果(?)、

 今週、上映する作品を決定いたしました。




 と言っても、同じ部署の先輩がピックアップしてきた

 2本のうちの1本を選んだってだけですが・・・。




 その2つの作品とは。

 ①ジュリー・テイモア監督の『フリーダ』

 ②コリーヌ・セロー監督の『女はみんな生きている』

  (↑オリジナル版のタイトルは『Chaos』)


 映画をあまり見ない私が(別に嫌いじゃないんですけど)

 週に2本立て続けに見るというのは、

 けっこう珍しいことです。

 

 ま、それは置いといて・・・。


 


 どっちの映画も女性を主人公にした作品で、

 しかもメキシコの画家・フリーダは実在の人物。


 簡単に解説すると、

 ①は事故の療養中に絵を描くことを知り、

 画家として生きることになったフリーダの

 波乱の人生を描いています。

 夫となった同じく画家のディエゴの女癖に悩まされつつ

 最後には同士として互いを支えあい、生き抜いた

 ラブストーリーでもあります。


 ②はわがままな夫と息子を持つ平凡な主婦・エレーヌが

 ある日、目の前で暴行された娼婦・ノエミと出会い

 彼女の回復に一から付き合うことで

 これまでとは違った日常を送るようになるという

 痛快な人生ドラマです。


 ①は実話なのでやっぱりシリアス。

 ②はコメディータッチで、どちらかと言うと娯楽性が高いです。




 最近、女性監督が描く「女性の生き方」的な作品が

 たくさん生み出されています。


 両方とも見て思ったのが、

 「破天荒な女の人を見て、

 男の人は一体どんなふうに思うんだろうな~」

 と、いうことです。


 これまで、大抵の世界で提唱されてきた

 男尊女卑から一転して、

 女性が自ら、己の生き方を模索し、

 決定しようと奮闘しています。


 女であるわたしが見る分には

 「がんばってるなぁ~」と感心させられるのですが、

 男の人にとってはちょっぴりイタい部分もあるので、

 良くも悪くもそこのところを男の人がどう思うか

 興味深いところです。


 やっぱり「男女共同」参画なので、ね。

 

 


 でも、2つとも映画としてはいい作品なので、

 ぜひ関心のある方はご覧あれ☆



 自動販売機のある場所は地面の上と、相場は決まっている。

 ・・・決まっている、はずだった。


 だけど今朝見たら、いつも使っている道端の自販機が、なくなっていた。

 あたしは呆気に取られて、立ち尽くすのみ。




 会社に行く前に、あたしはいつもコーヒーを買う。

 コーヒーくらい家や会社で飲めばいいんだけど、お気に入りの缶コーヒーを買って、バスに揺られながら眠気覚ましに飲むのが、一日が始まる感じがして好きだった。

 それなのに、いきなり。

 

 「ウソでしょ・・・」

 バス停のベンチにぐにゃりと腰かけ、肩を落としてため息をつく。

 いつもお世話になってる自販機が、何の予告もなくいなくなるなんて。

 

 信じられない思いでいっぱいだった。




 一日の出端を挫かれたあたしは、勤務中でも気分はロー。

 「どうしたのぉ?」

 同期の友達に聞かれたけど、これくらいのことで気が抜けてしまうなんて情けないと自覚しているだけに、理由を言えない。


 会社で淹れたコーヒーは、妙に香り高いくせに苦くて、きらい。

 不健康だとわかっていても、あたしはあの缶コーヒーじゃないと、ダメ。




 一日がようやく終わった夕暮れの下。

 あたしはバス停で、帰りのバスを待つ。

 たかだかコーヒーひとつでこんなにテンションが下がるなんて、本当にどうかしてる。

 すっかり項垂れて、気分はますますロー。


 バスはまだ来そうにない。

 あたしはふと、顔を上げた。




 すると、一台のトラックが目の前を走り去った。

 そこの荷台に乗っかっていたのは、紛れもなくあの自販機。


 あっ、と声を上げる間もなく、トラックは遠ざかって行った。

 



 やっぱり撤去されたんだ・・・。

 そんなこと朝見たときからわかっていたのに、実際にその姿を見ると、何だか無性に寂しい。


 夕暮れの空と、トラックの上の自販機。


 最後にひと目見られて、よかったのかな。

 あたしはいつまでも、自販機の行った先を見つめていた。