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脳疾患56 「死神です」病室に現れた幻覚
これは私が1番印象に残ってる幻覚です。
病室にいると、
中年で小柄の女性が首から名札?みたいなのをかけて、
クリアファイルを抱えてにこにこ入ってきました。
薄い色のカーディガンにパンツスタイル。
髪はふんわりした長めのショートです。
ソーシャルワーカー、という感じ。
私は、回らない口で言いました。
「ソーシャルワーカーの方ですか?」
入院中はソーシャルワーカーみたいな、
相談に乗ってくれる方がたまに来ていたので、
そういう人なんだろう、と思ったんです。
すると、椅子に腰掛けた女性は、
「え?あ、そんな風に見えてます?
じゃあソーシャルワーカーさんの話はきっと聞けるってことなんでしょうね。
あなたが話を聞きやすい姿で見えてるはずなので」
意味がわからず黙ってるとこう言いました。
「私、死神です。ご存知ですよね?
人生というのは手紙を読む行為にすごく似てるんです、
これがあなたの手紙の最後のものなので、えー、これを読み終わると、
あなたは死にます。」
この時、私はなぜかびっくりしなかったんです。
なぜかすごく腑に落ちた感覚になりました。
すると女性は、ファイルを膝の上に乗せて、
こう言いました。
脳疾患幻覚ダイアリーに続くー
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