三方五湖の絶景を堪能した万葉の会一行は、売店でおみやげを買った後、バスで20分ほどの最終目的地へ
福井県年縞博物館
この写真には全体の半分も写っていないのだが、奥行が軽く50mはある長~~~い建物にビックリ
ウナギ・・・いや、竜の寝床じゃん
こんな博物館、初めて見たわ
この博物館に展示されているのは「年縞(ねんこう)」
全長45m、世界一の長さを誇る「年代物差し」だというのだが、正直なところ「なに、それ」
その巨大物差しが学術的にどれほど貴重なものなのか、恥ずかしながら不勉強なべえは全く知らなかった。
さて、そもそも、年縞とは
博物館のパンフレットによると、「1年に1枚ずつ規則正しく積み重なったシマシマ模様の地層のこと」
シマシマの本数を数えることでそこの部分が何年前の地層なのかが正確にわかるそうなのだ。
ほほぅ。シマシマが「年代物差し」の目盛りになるのね。
ステンドグラスに加工され、横向きに展示された年縞。
1年分の縞模様の厚みの平均はわずか0.7mmだそう。
ということは、この画像に写っている部分だけでも数百年分のシマシマで・・・
そのシマシマがなんと45メートル
7万年分も途切れることなく続いているのだ。
博物館に入ると30代くらいの学芸員さん(男性)がニコニコと登場
「まずはこの年縞がどのようにしてできたのか、映像でご説明しますので、こちらの部屋へどうぞ。あ、小さな部屋なので皆さん全員は入れません。半分ずつに分かれて順番にご覧下さい。椅子も少ないので、ねんこう序列でお願いします」
学芸員さんのダジャレにクスッと笑いつつ、あーあ、べえは立ちんぼ確定だなと覚悟する。
入室すると、白い壁の小部屋全体がスクリーンになっていた。映写が始まると映像の中に入っていく気分になれるシステムだ。
まずはスクリーンに先ほど見たばかりの三方五湖のうち、展望台の目の前にあった「水月湖」が映し出された。
「では、湖の中に入ってみましょう」という音声と同時に、ドブーン、ブクブクブク。
我々は水月湖に放り込まれ、水底深く潜り始めた。うわっ、めっちゃリアル~
深い湖の底に降り立つと、頭上から花びら、花粉、落ち葉
、プランクトンの死骸、黄砂などなど様々なものが降ってきては、湖底に降り積もっていく。
降ってくるものが季節によって異なるため、湖底には年に1本ずつ綺麗なシマシマが増えていくのだそうだ。へーえ。
年縞は世界各地の湖で発見されているのだが、水月湖のように45m、7万年分もの年縞が完全な形で残っているものは他に無いそう。その理由は、
① 湖に流れ込む川が無い
② 深い湖底には酸素が少ないため生き物がいない
③ 近くに断層があり、それがズレることで湖の深さが保たれた
水月湖の年縞は何物にもかき乱されることなく、深い水底で静かに静かに作り上げられていった世界一の「奇跡の年代物差し」なのだ。
シマシマの成分を詳しく分析することで、「〇千年前は氷河期で、付近に白樺林があった」とか、「〇万年前には湖のそばにゾウ
がいた」ということまで解るらしく、スクリーンには再現された当時の景色が次々に映し出される。
うわぁ、タイムマシンに乗ってるみたい。面白~い
(続く)