The Best Condition for Group Classes ②
前回に引き続き、グループクラスの学習効率が最大化される二つ目の条件について記載していきます。この第二条件は「グループクラスの最適人数」です。私の個人的なグループクラスの経験と学生へのアンケートから、グループクラスに理想的な人数は「2人」最大でも「3~4人」です。この人数を超えてしまうと語学習得の効率性とモチベーションは下がっていくと考えられます。その理由は「発言回数」と自分の考えを提示するための「準備時間」のバランスにあります。
マンツーマンの授業を想像してみてください。講師から質問が投げかけられ、全ての質問に自分の満足のいく内容を即答できる学生はそう多くありません。そうです、英語で答えや意見を提示する前には、いくらか「間」が必要なのです。
グループクラスは、他の学生が発表している間、その学生の考えや表現を学ぶとともに「考える時間」を与えてくれます。これは非常に助かります。もし、自分の中に良い考えや表現が思いつかない場合でも、他の学生の話に耳を傾ければ、自分が言いたかった表現が見つかる場合もあります。また、他学生の意見に触発されて良いアイデアが思い浮かぶかもしれません。
この点を考慮すると、グループクラスはマンツーマンと同等、もしくはそれ以上の学習メリットが期待されるかもしれません。マンツーマン授業では講師からの膨大な情報を自分の中で整理したり、先生からの指摘を書き留めたりする時間が少ないため、いわゆる「聞き流し」が発生してしまう可能性があります。その上、一日のすべての授業がマンツーマンでは精神的な負担も大きいように思われます。一方、グループクラスでは、「間」が自然と与えられ、他学生のアイデアを聞きながら(時に脳を休めながら)授業を受けられます。「自分の発言や思考をストップさせられる時間」があるので、ストレスが少ない状態で、ゆったりと授業が受けられるのです。その結果、学習量は減少するものの、その学習の質は高まることが期待されます。一見矛盾するようですが、「学習のペースがスローダウンするからこそ学習の効率性が上がる」といった現象が生じうるのです。
しかし、このグループクラスの人数が多すぎると、他学生の意見を「聞く」時間が長くなり、自分の「発言」の時間が減ってしまいます。自らの発話がない限り、講師からの訂正や修正は受けられません。したがって、他の学生のアイデアを聞く「受動的な時間」と自分の考えを発信していく「能動的な時間」のバランスがグループクラスを成功させる上で極めて大切な要素となるのです。
以上より、「発言回数」と「準備時間」のバランスがとれた理想的なグループクラスの学習が可能な人数は、「2~4人」であると提起したいと思います。グループクラスが「話す時間」:「聞く時間」が1:1(2人)から1:3(4人)の間で語学学習が進む時、学習者が他の学生から語彙や連語を学び、同時に自分の意見や表現を整理できる時間も持て、なおかつ心地よく英語を学ぶことができるのです。この均衡点は、客観的で統計的な科学リサーチといえるほど十分な実験データ数に基づいているわけなく、私個人がバギオの語学学校で様々なグループクラスに参加する中で導き出した経験的な数値ですが、他の学生とも見解を一にする結論でもあるので、信憑性の高い値と言えると思います。
当時の学生さんのグループクラスの感想をいくらか紹介しておきます。「マンツーマンの息抜きにグループクラス1つくらいはちょうど良かった」「2、3人のグループクラスの方が無理なく勉強できる感じがした」「グループクラスは数が少ない時、だいたい3人くらいの時は結構勉強してる感じがしたけど、数が多くなると友達の話を聞く時間が多すぎて無駄に思えた」「僕はマンツーマンクラスが6個もあり、全ての授業を英語で考えをまとめなければいけないので疲れていた。正直、消化不良だったと思う。少人数のグループクラスでは自分の順番が回ってくるまでに時間的ゆとりがあるので、他の人の意見を聞いたり、自分の考えをまとめたりする余裕もあり楽しく勉強できた」、などから分かるように、少数のグループクラスに対しては、学生の満足度はかなり高いと言えます。