WBCは、もう終わってしまいましたが、
スポニチから記念に新聞を贈呈していただきましたので、
当日のエピソードをもう一つ。
それは、大谷選手の後に立つ打者は、大変だという話です。
大谷選手が打席に立つ時、球場の熱狂は最高点に達します。
凡打でも、ホームランでも、大谷選手には惜しみない声援が送られます。
しかしその後は、潮が引くように静かになるそうです。
もうまるで違う球場にいるかのような空気の変化。
これに勝てる選手がいるか、いないか。誰に託すか…こうした苦悩です。
そのエピソードを伺い、栗山さんが名監督であることを、
深く思い、感じ入りました。
「微細な変化への洞察力」が詰まった人です。
そして、それを語り言葉にできる人。相当な読書家です。
例えていえば、栗山さんは、
野球を単なるデータや技術のぶつかり合いではなく、
「場の空気(エネルギー)」の総量で捉えているということです。
講演会でも、そうでした。会場の空気を造り出す天才でした。
大谷選手が打席を終えた後の「潮が引くような空気の変化」は、
次の打者にとって残酷なまでの逆風であることでしょう。
1. 「真空状態」を埋める精神力
大谷選手の後は、球場全体が「ふぅ」と息を吐く瞬間の、
いわば「心理的な真空状態」が生まれる。
この空気を、監督やベンチが変えることはできません。
しかしゲームは続いていきます。
言い知れぬ静寂や、観客の集中が切れた音に飲み込まれない、
強固な自意識を持った選手が必要だと想像してしまいます。
どんな選手が適任なのでしょう。「自分が主役だ」という強いエゴ、
あるいは「誰も見ていなくても俺はやる」という淡々とした職人気質。
これらを、選手個人の性格まで見極めて整理していくのでしょう。
2. 「対話」による納得感の醸成
「勝手に打順は組めない」と語っていました。
その言葉に、栗山流のマネジメントが凝縮されていると感じました。
監督が一方的に決めるのではなく、
「大谷の後の空気はこう変わる。
それでもお前に任せたいんだが、どう思う?」
そんなプロセスを踏むことで、
選手と「孤独な戦いへの覚悟」を共有するのです。
大谷の次に立つ 選手が、打順は5番だが、「俺が実質の先頭打者だ」
と認識したとき、そして続く選手がその連続性を共有したとき、
それぞれが「この難しい状況を任された特別な存在だ」と自覚する。
つまり、マイナスの空気のままで「誇り」というプラスの力が生まれる。
そんな効果を、栗山さんは生み出すのです。
3. 「流れ」を断ち切らせない繋ぎ
大谷選手が打っても、凡退しても、
その後の空気が死んでしまえば、チームとしての得点力は半減します。
2.が実践値になれば、 大谷選手を何番に置くかという議論は、
戦略そのものになります。相手チームも、観客も欺く打順の編成。
これは「チームの熱量をどう持続させるか」という、
エネルギー・マネジメントそのものです。
栗山さんは、統計学的な「期待値」以上に、
「人間が発する熱量」を信じているのでしょう。
大谷選手という太陽の後に、誰が月として輝くか、
あるいは誰が冷めた空気を再燃させる火種になるか。
これを練りに練ってシナリオに書き換えていく。
これが栗山マジックの正体なのです。
感動つきないトークショウでした。
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