
株式会社TKC出版が、
『Q&A 経営者が知っておきたい節税の誤解と適切な節税対策』
という小冊子を作成しました。
関与先企業向けに配布したり、職員教育に使ったりする冊子です。
毎回、このシリーズには感動しています。
今回は何に感動したのか。
それは、最終ページに表記されたチェックリストです。
いわゆる、この冊子の結論ですね。
失礼な表現になりますが、思わず笑ってしまいました。
このチェックリストは、単なる「節税リスト」ではなかったからです。
いい意味で、期待を裏切ってくれました。
TKCの文化が薫り高く盛り込まれていて、いわば、
**「利益を守り、会社を強くするための経営チェックリスト」**
になっているのです。
一般的な節税本のように
「税金を減らすテクニック」を並べたものではなく、
**「正しい経営をしている会社には、
結果として適切な節税がついてくる」**
という思想で構成されています。
その視点で、一つひとつ読み解いてみましょう。
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☆ まず最初に理解していただきたいこと
タイトルは、> **「適切な節税」**となっています。
ここで重要なのは、
**「節税」ではなく「適切な節税」**というワードです。
つまり、
* 利益を隠す * 経費を無理に増やす * 税金だけを減らす…
ではありません。
経営を良くした結果として、税制を正しく活用する。
これがTKCの考え方です。
ですから15項目を見ると、
実は、**節税の話は半分しかありません。**
残り半分は、**経営改善そのもの**なのです。
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① 月次決算を行っていますか?
これは最重要です。
毎月数字が分からなければ、節税どころか、経営そのものができません。
決算になって初めて利益を知る会社では、できる節税は限られます。
逆に、毎月利益が分かっていれば、決算半年前から、
* 投資 * 人件費 * 賞与 * 設備入れ替え …などを計画できます。
つまり**最大の節税は「早く数字を知ること」です。**
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② 決算事前検討会
これは、**税理士と経営者の作戦会議** です。
決算2〜3か月前なら、まだ打てる手があります。
ところが、決算後では「もう終わりました」になります。
いうまでもなく、経営は、後手ではなく、先手。
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③〜⑦
ここは「経費を正しく管理する」項目です。
例えば、領収書管理。
実のところ、これは単なる整理ではありません。
経費の内容を見ることで、会社のお金の流れが見えます。
使い方がわかります。
広告費も同じです。「いくら使ったか」ではなく、
「いくら利益を生んだか」を見る。
接待交際費も、「使う」ではなく「活かす」。
旅費規程も、本質は節税ではなく、福利厚生を制度化すること。
つまり、**ルールによって会社を強くする**という思想です。
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⑧〜⑨ **将来への投資**
・共済 ・iDeCo ・企業型DC などは、
税金を減らす制度というより、会社と社員の未来を守る制度です。
つまり **お金を残す節税** です。
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⑩〜⑪ 設備投資
ここも面白いところです。
当たり前ですが、節税目的で機械を買うのではありません。
必要な設備だから買うのです。
その結果として、税制優遇を受ける。
ところが、これがわからない経営者が結構います。
補助金が貰えるから、設備を購入する…
事業転換などする智恵など本当はないのに貰えるならと申請する…
私もたくさんお手伝いしてしまいました。
順番が逆になると、確実に失敗します。
経営では> 必要だから投資する、のであって、
> 節税したいから買う…ものではありません。
未熟な思考に、本末転倒の行動を促してしまうのも、
貰えるという、ありがたい制度なのです。
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⑫ 短期前払費用
これは、数少ない「純粋な節税技術」です。
ただ、使える会社と使えない会社があります。
だから基本は、制度だけ知っていても意味がありません。
ところが、ベテラン監査担当者になると、
この堂々と使えばよい制度を、あえて助言に使わなくなります。
本質が、一過性のものだからです。この姿勢に、美しさを感じます。
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⑬ 決算賞与
これは非常に経営的です。
利益が出た。→ 社員へ還元する。→ 会社も節税になる。
つまり **利益を社員と分かち合う** という制度です。
意思ではありません。制度が可能にするのです。ここは重要です。
優れた経営者、良い会社ほど、上手に使っています。
原点は、飯塚毅博士が考案された、「別段賞与」です。
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⑭不良在庫・不良債権
これも重要です。実際には価値がないのに帳簿だけ残っている。
これでは、利益が正しく見えません。真の企業価値も計れません。
経営とは、現実を見ること。
だから、棚卸しは、会社の健康診断なのです。
飯塚毅先生は、自ら進んで「毒薬を飲む」に等しい行為と言いました。
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⑮ 経営者個人
最後だけが、会社ではなく、経営者個人に向けられています。
・ふるさと納税・NISA・分離課税 など。
これは、社長自身のお金を守る話です。なぜでしょう。
会社だけ良くても、社長個人の資産形成ができなければ、
本当の意味で豊かとは言えません。先ず公器。
そして最後に、自身の姿を鑑みさせる構成です。
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☆15項目を俯瞰すると、4つのテーマに整理できます。
(1) **数字を早く知る(経営管理)**
* 月次決算 * 決算事前検討
(2) **会社を強くする(内部管理)**
* 経費管理 * 規程整備 * 広告 * 接待 * 在庫管理
(3)③**未来へ投資する(成長戦略)**
* 共済 * 年金 * 設備投資 * 決算賞与
(4) **制度を活用する(税務戦略)**
* 税制優遇 * 前払費用 * 個人の節税
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☆まとめ
「節税」と聞くと、多くの経営者は、
「税金を減らす方法」を思い浮かべます。
しかし、このチェックリストが教えているのは、その逆でした。
**会社を良くすれば、節税はあとからついてくる。**
これを直観できる経営者は、ほとんどいないでしょう。
毎月数字を見て、未来を予測し、人を育て、必要な投資を行い、
制度を正しく活用する。その積み重ねが、会社を強くし、
結果として税負担をも最適化するのです。
だから、節税は経営の目的ではありません。
**良い経営の結果**なのです。
この15項目は、「税金を減らすためのチェックリスト」ではなく、
**「利益を守り、未来をつくる経営のチェックリスト」**
として活用していただきたいと念じます。
巡回監査担当者の、7月からの心構えです。
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☆最後に
※「**決算書は経営者の通信簿ではなく、未来への設計図である**」
という考え方を、山下事務所は、一貫して発信してきました。
この思想は、今回のチェックリストと、よく響き合います。
節税を入口にしながら、最終的には経営そのものの質を高めること!
これを目指している点に、創業者の魂が生きていることを感じました。
涙がでるほど感動しています。飯塚先生の弟子が育っているからです。
経営者にとっても同じこと。中小企業における真の後継者とは…
その関係性を師弟にできた先だと受け止めています。
この思想と実践、巡回監査で普及していきます!
すべては中小企業の「存続と成長と発展」のため!
いつもお読みいただき、ありがとうございます。