「汚い希望、卑しい欲望といった価値の低い理想は、
往々にして満たされない場合が多い。

だって、自分勝手な、手前だけを本位とした気持ちや心持ちで
割り出した計算が、ちゃんと事実に現れてきてたまるもんかね。

つまり、低劣な願望ばかり抱いている人が
思うこと願うことはひとつもかなわない。

かなわないはずだよ、
かなわないことばかり願ったり望んだりしているんだもの。

そうすると人生を生きる興味が失われ、
結局自分自身で自分自身の人生を価値なく生きるべく

余儀なくしてしまうんです。」

 

 ― 中村天風 ―  思想家 

            1876年7月20日 ‐ 1968年12月1日       

 

「理念はいいよ。金が先。」「自業自得だね。」これが口癖。

そして人をあざ笑うのが何より楽しい。

しかし、この類の人間は、決して少なくないらしい。

自分勝手な、手前だけを本位とした気持ちや心持ちで割り出した計算…

名言である。会計人が絶対に持ってはいけない心持ちだ。

目の前の人間に、こうした傾向が見え隠れしたとき、

リーダーは即座にどう行動すべきか。

VUCAの時代がそれを問いかけている。

 

― 経営マインド 222 ―
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創業42年の企業。40回目の節目の忘年会にお呼ばれしました。

2代目社長の横にお席をいただき、会長にご挨拶しました。

約40名の方が集っていました。実質的な企画、進行は2代目が行います。

会長は、来客者との対話を楽しんでいました。

コロナ禍は開催できなかったということで、

久しぶりの会を会長を取り巻く方々が、懐かしんでいました。

40回皆勤賞だという方が、数名いました。

会長の知らない方が三分の2だということでした。

お酒が入り、気の良くなった会長が、アドリブをはじめましたが、

2代目が、それを上手にまとめます。会長と社長であり、父と子です。

二人の気に、いささかの色の差もありません。なかなか出会えない気でした。

その二人から発せられる気が、会場全体を包んで、

参加者もその気のなかで、ひとときを楽んでいました。最強です。

この企業の文化、風土を楽しむ仕組みが出来上がっているのですね。

これこそ事業承継が成功する模範のモデルです。

初代と2代の心が一つ。思いが一つ。方向性が一つ。

来られる方は、社員も、取引先も大安心です。

この安心を周囲に与えられることが、最大の強みです。

憶測を起こさせない。マイナスの気を発しさせない力。

「二にして二にあらず」を実践できる親子。達人です。

この忘年会に参加することが楽しみで、

提携を続けてきた取引先が何社もありました。

そうした気をもらった初参加の取引先は、

来年も呼んでいただけるよう満足いただける仕事をしようと決意します。

よい気が膨らんでいきます。こうして、やがて会長と共に引退する取引先と、

2代目と新たな価値創造をはじめる若い取引先の、

ゆるやかなバトンタッチが無理なく進んでいくわけです。

その様を、じっくりと拝見し、学ばせていただきました。

M&A、イグジットなど従事する方々に、ぜひともご覧いただきたい光景でした。

 

今週もお読みいただきありがとうございました。

 

 

現在、事務所が特に力を入れているプレゼントレーニング。

11月より新しいバージョンでリスタートしました。今回は2回目。

担当者が発表を終えると大拍手が起きました。

聴いた方、皆さんが共通の感想をいだいたようです。

「もう一度、聴きたい!」と叫ぶ声もでました。発表者冥利に尽きる励ましです。

忙しい時期です。志が低ければ、ぶっつけ本番で臨むことだってあるわけです。

しかし、この人はそうはしません。入念に準備します。

今回も、原稿を起こすところからはじめていました。

15分間の原稿です。どれだけの文字数になることでしょう。

読み上げるペースは、1分辺り400字といいますから、6,000字ですね。

原稿用紙15枚程度です。この分量の文字お越しは何時間かかることでしょう。

しかし実際はパワポを使うので、原稿を読む速度はもっと早くなります。

8,000字は軽く必要になります。原稿を書きなれているならともかく、

20枚で起承転結をつけるのは大変です。

きっと何度もなんども書き直したことでしょう。

それがありありとわかる発表だったので、共感が大きくなりました。

準備が入念だと、聞いている側は心地がよくなるわけです。

流れよく、声も通り、メリハリがついて、抑揚もある。

否応なく、パワポの図表に説得力が乗っかっていきます。

これこそが、この人の仕事の姿勢です。

この人が発表して、皆がよく聴く。感想で互いの心が膨らむ。

こうして一人の力が全体の力になっていきます。

所長がプレゼンするまでもない時がくる。

そんな予兆が感じられた事前準備となりました。

 

プレゼンのトレーニングは、共感を起こす訓練です。

 

すべては中小企業の「存続と成長と発展」のため!

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「月に一度は、皆で同じものをいただこう…」

縁する人たちの、健康、長寿、無事故、そして多幸…

そうした願いを込めていただくお弁当です。

毎月選ぶのも大変ですが、これが楽しいひとときです。

どんな顔して食べてくれるかな…様子を思い浮かべながら選択します。

ようやく決めて発注すると、「あいにくご用意できません。」と返される…

そんなこともあります。また振り出しに戻って…だんだん祈りが深くなります。

 

先日来社した税理士さんが、事務所で推進するB/S経営について、

「先生のPPTをアプリで表現できるようにしたら、
きっと中小企業の社長の最強BS勉強ツールになるだろうなと感じました。」

などと嬉しい感想をくれました。わかる人にはわかるんですね。

またある人は「B/Sで経営が物語りになるなんて想像もできませんでした。」

などと語ってくれました。一発でピンと来る!ここがミソですね。

センスの良い人たちとの交流が、これから速度を上げて広がりそうです。

この方たちこそ未来の宝だな…と感じました。

 

未来の宝といえば、どんな年齢層の方が、事務所を応援してくださっているか。

分析してみました。80代を頂点にして、

70代、60代、50代、40代、30代、20代、10代と、思いの限り氏名を書き出しました。

すると20代まで、きれいなピラミッド型になりました。

年齢別の人口分布とは全然違う形。すそ野が広がっていく人脈。感動しました。

これが山下明宏税理士事務所の未来だなと確信しました。

そして型が美しいだけでなく、60代70代に、日本の知性を支える方、

文化を支える方、中小企業経営の達人と呼んでよい経営者が、

こんなにも?!というほど、名を連ねておられました。

 

だから事務所経営は盤石なのだなと、気付かせていただきました。

職員さんが、迷いなく、安心して仕事に打ち込めるのも、

ブレーンと未来がみごとに融合し、バランスしているからなのです。

ということは、現役の私たちがすべきことはただ一つ。

若い世代の方たちと、笑って語り合える学びを深めていくということですね。

 

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「どうしても2店舗目を出したい。」

そんなご希望を抱いている方が、ご相談に来社されました。
ご自身で金融機関へ相談に行ったそうです。

しかし芳しい反応をいただけなかったそうです。

なぜでしょうね。決算書を拝見しました。

設立第1期が終わったばかり。しかも10か月での決算でした。

 

そもそも金融機関というのは、冷たいところです。

人さまから預かったお金を、企業などに貸し付け社会に還元し、

それを戻して、また預金者へ返す…そういう仕事ですから、

冷静になるしかありません。冷たいわけではありませんね。

しかし社長は冷たいと感じます。これは人情。仕方ありませんね。

 

極めて冷静な判断の第一基準は先ず時間です。

決算書と言ったら、12か月の成績表のことを意味します。

形の上では決算書であっても、10か月では決算書としてみなされません。

次の決算が来て、ようやく決算書が完成します。

当然、金融機関は受け取ってくれますが、まだお金は貸してくれません。

前期との比較ができないからです。

第3期の決算が終了し、決算書が出来上がって、

初めて24か月の連続で比較ができるようになります。

ここが土台なのです。

 

こうした実務の形式をみると、信頼とは時間だということがわかります。

古より、「石の上にも3年」といいます。これが人の世で信頼をいただく単位です。

「帳簿作りも3年」ということですね。帳簿を3年付けたということは、

経営して3年経ったというlことですね。「経営も3年」なのです。

こうして会計=経営であることが証明されるのですが、

同じように、経営の信頼も3年後からはじまります。

そこまでは水を飲んで頑張らないといけません。

金融機関に「水だけ飲んで3年頑張ったな…」と感じていただける経営。

これをスタートダッシュの3年でやり切って、示せたら締めたものです。

 

ですから借りて、市場を拡大するより、

タフであることを見せる時期だと申し上げました。

金はない。人もいない。お客もいない。情報だけはある。

そのなかで3年間生き抜いた。

この間、手も足ももがれたような状態だったが、

考えは深まり、共感をいただけるようなビジネスモデルが煮詰まった。

こんな風になると、金融機関の方から目をつけるようになるでしょう。

 

すぐにお腹一杯になる話ではありませんでしたが、

どこか満足気なお顔と、身軽な足取りで、お帰りになりました。

お考えが深まったら、また来社されるそうです。再会が楽しみになりました。

 

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志フォーラム~志のバトンを繋ぐ~(仮)

熱いテーマのフォーラムがあることを知りました。

志は山下会計の大好きな言葉。

繋ぐはB/S会計の急所中の急所。

こんなテーマで開催される中身ってどんなでしょう。

わくわくしました。詳細が公表されたら、またご案内します。

 

多くの経営者と、学びに行こうかと考えています。

 

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超第一級の事務所の生データを見せていただきました。

 

適時性証明書完全率92.3%

継続マス予算登録92.9%

自計化推進率92.9%

書面添付実践率82.2%

中小会計要領添付率96.1%

KFS実践割合75.0%

一気通貫割合98.3%

企業防衛付保割合50.8%

 

驚くべき均一性。こんな事務所が実際に存在するのですね。

上には上があります。

支部の平均値や、全国会の平均値を見ていたら、

緩んでしまうことがよくわかりました。

これからはトップ事務所の実績を追いかけるとにります。

 

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いま、全国各地で、講演に飛び回っている売れっ子の会計人が、

激務を合間を縫って、来社されました。忙しい人ほど時間を作るのが上手です。

業界の今後、中小企業のこれから、そして日本の行方…

話しができる方というのは、問題意識の基準が違います。

感じること、思うことを、存分に話していただきました。

 

還暦を迎え、おかげさまで元気に過ごしているこの心身。

これからの10年、何に使うのか…子供も育ちました。

やりたいことは一通り、叶えることができました。

おかげさまで、何不住なくという言葉が、当てはまりそうな今日までした。

すると、これからの10年が、自ずと見えるようになるものなのですね。

やるべきことが見える。これもまたありがたいことです。

 

やるべきこととは何か。それは若い世代を守り、応援するということですね。

その立場に自然と入れる環境を造れたことに感謝の念が湧いて来ます。

若い人だけではありません。人生の先輩にも余生を楽しんでいただいています。

やるべきことを見失った若い人が、多いと聞きますが、

事務所に集って来られる若い方は、皆さん生き生きしています。

生き生きとは、「生きているのが楽しい!」という状態ですね。

 

彼らの輝く瞳、澄んだ頬を見るとき、礎になろうという決意が湧いて来ます。

「利他心がなければ巡回監査には行けない。」

会計人の入口で教えていただいた言葉です。

約30年が経ちますが、巡回監査は社会にあって、普通名詞になっていません。

そうした現実を見るとき、利他心の大小が担当件数に比例することも知りました。

小賢しい人は、巡回監査をしたがりません。やがて理念の勉強もしなくなります。

愚直な人は、どこまでも現場主義です。

基本理念を、自分の体験で咀嚼しようとします。

この健気さに打たれて、理念の探求を続けることができました。

いえ事務所を経営してこれた…そう言っても過言ではありません。

担当件数も、先輩に好きなようにさせていただきました。

 

そのおかげで、彼らが経営者に直接語れる経営助言の型を、

創造することができました。この型の一部を、遠方から見えた友に披露しました。

全国を飛び回っている売れっ子です。語る言葉をいくつも持っている人が、

驚嘆してくれました。この共感が、

エネルギーになって、さらに型を深化させていくのです。

人生の価値は、情熱で決まるな…その原点に返ることができました。

感謝、感謝、感謝!ますます精進します!!!

 

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「功徳とは六根清浄の果報なり」といいます。

この教えから思い起されるのが、昨日ご紹介した、

JFEホールディングス名誉顧問數土文夫氏​の言葉です。

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「江戸時代に子供の自殺なんてなかったはずですよ。

それは『実語教』の功徳だと思います。」

功徳とはこのように使う言葉なのだなと学びました。

そして、このような次元で功徳と捉えれれる力は、

氏の六根が清浄だからなのだなと感じました。

さらに氏の器の大きさを思い知りました。

六根が清浄だと、人の器も無限大になる…そうした直観もいただきました。

大組織の責任者は、いわば公人です。

公人の境涯に触れられるありがたさ。しみじみ感じます。

子ども達みなが、そして国全体が功徳をいただいている。

わかる人にはわかる。わからない人にはわからない功徳。

自殺しない子供は、自殺しようと思わないことを功徳とは感じないでしょう。

角度は違いますが、飯塚先生は、細菌のたとえで、

恐怖を感じる人と、感じない人の違いを説いていました。感慨深いです。

 

この心に習い、巡回監査を考えました。

私たちの巡回監査が巷間に広く流布されたとき、

この国はどんな功徳をうけることでしょう。

単位ごとの企業経営が上手く行くのはもちろんのこと、

人が笑い、不信なく、のびのびと生きる環境が生まれ、地域が豊かになる。

自然と平和が思考される国土になるのではないでしょうか。

1、つなぐ 2.浄化する 3.鍛える 4.…そして計る。

巡回監査が創り上げる未来を、共に夢見た今週の会議でした。

 

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人間学を学ぶ月刊誌『致知』12月号の特集に、

JFEホールディングス名誉顧問數土文夫氏と、

明治大学文学部教授の齋藤孝氏の対談が掲載されていました。

齋藤氏の話しを、數土氏が伺うという形で進められた対談。感動しました。

巨大組織の名経営者の姿勢と人格に触れられるありがたい対談です。

 

齋藤氏は最後に語った言葉です。

「人間は北極星のような遠いところを見つめながら

永遠にチャレンジしていく限り、決して怠惰にながされることはありません。

そのとき大切になってくるのが勇気と行動力なのだと思います。

敬と勇を結び付けて「敬勇」」という熟語をつくるのもいい…」70頁。

学問を深めていく人は、言葉の中に生き様を見つけていくことができるのですね。

だから学ぶことが楽しくなるわけです。

 

數土氏の視点に教えていただきました。

「江戸時代に子供の自殺なんてなかったはずですよ。

それは『実語教』の功徳だと思います。(略)

貧乏を不幸とは捉えていなかった。

そこから這い上がることが楽しみであり、希望でもあったわけです。」68頁。

この言葉こそ希望です。なんと大きな視点でしょう。

社会的視点で読書を捉えることができる英知。備えたいものです。

 

書き写したい言葉ばかりが詰まっている特集です。

ぜひご一読ください。

 

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