水田と青空の下、自転車で走る二人

 

大河ドラマ『秀吉の弟』

関与先の社長のお勧めで視聴するようになりました。
毎回、楽しんでいます。秀吉という人物が面白いのでしょうね。

今回は、その頭を支える弟(プレイヤー2)が主人公です。

今の中小企業のテーマにまるまる被る構成です。考えさせられます。

 

何が、考えさせられるかというと、

秀吉の信長時代の異常な速さの出世です。

単に「人たらしの才」だけでは到底説明できないと思います。

 

ドラマでは、秀吉は「戦える人」であり、

そのうえで「戦わずに勝つ能力」が突出していた…そのように描かれます。

秀吉は、調略にも長けていたとされますが、

最初から外交の舞台に立てるはずがありません。

信長の家臣として頭角を現す過程では、

墨俣築城、稲葉山城攻め、浅井攻め、長浜支配、播磨・但馬攻略、

中国攻めと、軍事行動の最前線に立ち続けています。

とくに浅井氏滅亡後、小谷城とその旧領を与えられ、

さらに今浜を長浜と改めて城を築いたことは、

単なる「上への忠誠、感謝の意」ではないでしょう。

信長から一地域を任せられ、軍事・行政責任者へ移ったことへの宣言です。

また、注目したいのは、秀吉が長浜城主になってからです。
単に領地をもらったのではなく、
城をつくり ⇒ 家臣を集め ⇒ 領国を経営し ⇒ 軍事力を蓄える
という、ひとつの「経営体」を作り上げたことです。

すなわち、秀吉は早い段階から、

「戦場の一武将」ではなく、「人と土地を動かす経営者」

だったことが伺えるのです。

 

事務所経営30年。様々な社長にご縁をいただきました。

その殆どの方が、組織を作らずして事業を終えました。

作らなかったのではなく、作れなかったのです。

挑戦した人は、わずかです。殆どの方は、その発想が無かった。

それは、戦場の一武将であることを望んでいたからです。

 

秀吉は、はじめから戦場の一武将で終わる発想は無かったのです。
10年以上実家から姿を消し、突然、現れたかと思ったら、

まず弟を巻き込むところからドラマは始まります。

のっけから、組織で戦うことが思考されていたのでした。

きっとお百姓さんだったからだな…と思わせる組み立て。

田んぼは、1人ではやれません。家族という組織で働く場所です。

 

だから中小企業経営者にお勧めなのです。

これから、まだまだ、いえ、ここから、ますます面白くなりますね。

大河ドラマ『秀吉の弟』ぜひご覧ください。またブログします。

 

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TKC、日本公庫、中小機構の連携広告

 

今朝の日経に掲載されたTKCの広告です。

こうした記事が目に飛び込むと、朝から元気がでますね。

「日本公庫・TKC・中小機構が中小企業を支援します」

という広報ですが、会計人、金融などの立場でなく、

ぜひ、経営者の目線で読んでいただきたいなと感じます。


これは、

「社長一人で会社を守る時代」から、
「会社の実態を共有して、金融・会計・公的支援が、

 一体で会社を支える時代」へ。変わりましたよ!というメッセージです。

中央の坂本会長を挟んで、
 左:日本政策金融公庫 = 資金
 中:TKC全国会 = 会計・税理士
 右:中小企業基盤整備機構 = 経営支援・公的支援

という三つの機能が並んでいます。

バラバラだった組織が一つに繋がろうとしている。

私たちは「情報の非対称性」を乗り越えていますよ…

という情報開示とも見えます。

こうした安心を、それぞれのトップが示すといことは、

何を意味しているのでしょう。

経営者には、そこを感じとっていただきたいと願います。


 ・先ずピンと来てほしいところは、

 「困ってから相談する」のでは、もう遅いですよ…ということです。

この広告には「有事の支援」とあります。
災害、急激な物価上昇、金融環境の変化、

取引先の倒産、事業承継、人手不足……。

中小企業には、突然「有事」がやってきます。

実際、現在も中小機構は、

9月24日付で台風被災企業向けの特別相談窓口を設置しています。

 

しかし、有事になってから、
「先生、うちの会社、どうなっていますか?」
「銀行に何を出せばいいですか?」
「融資を受けられますか?」
では、相談は、後回しにされてしまうでしょう。

そこで重要になるのが、
平時から会社の状態が分かっていること…です。
ここにTKCの月次決算・巡回監査の意義が光ります。

金融機関が会社を支援しようとしても、
「この会社は今どういう状態なのか」が分からなければ動けません。

TKCでは、巡回監査と月次決算を行った財務情報を、

経営者の依頼に基づいて金融機関へ開示する

「TKCモニタリング情報サービス」を展開しています。


さらに日本公庫とTKCは、

2025年から「TKCファストリンク」という仕組みを開始し、

一定の条件を満たす企業について融資審査の迅速化を図っています。

つまり、決算書を作って税務署に出して終わりではなく、
「会社の現在地を、金融機関と共有できる経営情報にする」
という実践を、地道に続けてきたのです。

それがこの対談を成就させたといってよいでしょう。

そして、重要なのは、三者のトップが対談したということではなく、

この人たちは、黒子になることを宣言しています。


支援ということばが何度もでてきます。

 

つまり中小企業の会計は、
「税金を計算するためのもの」から、
「会社を社会につなぐ共通言語」へ 
と進化したのです。

中小企業の経営者には、ここを一番ご理解いただきたいところです。
有事に強い会社をつくるためには、平時に何をしているかが問われます。
が問われます。

・ 月次決算ができている
・ 自社の限界利益が分かっている
・ 資金繰りが分かっている
・ 自己資本比率が分かっている
・ 借入金の返済能力を把握している
・ 経営者自身が数字を説明できる
・ 金融機関に現在の状況を説明できる
・ 将来の経営計画がある…

例えば、こういう会社なら、

有事になっても「支援する側」が動きやすいことでしょう。

逆に、「決算は年1回、税理士さんに任せています」
という会社は、有事になった瞬間に情報を集めるところから始まります。

 

ここに企業の「平時の会計力」と「有事の生存力」の関係があります。

この広告を、全関与先にお届することが、

今日から1か月間の巡回監査で取り組むべきことです。

「社長は、金融機関にどこまで見せられますか?」
と問いかけましょう。

そして、もう一つ、難しい問いを。
「今、何か起きても、3日後に会社の状態を説明できますか?」
「会計システムが、復旧できる体制が整っていますか?」でもよいですね。

 

・売上はいくらか。・限界利益はいくらか。
・現預金はいくらか。・借入金はいくらか。
・毎月いくら返済しているか。・自己資本比率は何%か。
・経営の余白はいくらあるか…

 

そして、
「この会社を10年後、20年後どうしたいのか」まで語れるか。
ここまでできている会社は、単に「融資を受けやすい会社」ではありません。
社会から支援を受けられる会社になっている状態です。

そのように中小企業目線で読んでいくと、

この広告は「TKCの広告」ではなく、
「巡回監査が、社会のインフラになりつつあることを示す広告」
として読み取れるのではないでしょうか。

「なんだ、巡回監査か。やっぱりTKCじゃないか!」

と思われる方もおいででしょう。しかしこれは社長目線の話しにしてこそ、

意味を持つのです。巡回監査は、受け入れ態勢がなければできません。

受け入れ先とは、まぎれもなく中小企業。

つまり主役は、決断した社長なのです。

 

今回のこの広告を関与先企業にお届けして対話を展開したら、

最後に、こう問いかけたいですね。

「社長、この三者の真ん中にいるのは誰でしょう?」と。
 日本公庫でもない。 TKC全国会でもない。 中小機構でもない。

 

主役は、社長と会社です!と。
 

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経営支援セミナー2026 自社の物語づくり

 

【10/8開催】経営支援セミナー2026

「自社の物語をつくろう!未来が開く!」

今年も、山下事務所が総力を挙げてお届けする

「経営支援セミナー2026」の季節がやってきました!

今回のテーマは、『自社の物語をつくろう!未来が開く!』です。

日々、目まぐるしく変化するビジネスの現場で、

あなたはどのような未来を、思い描いていますか?


「会社をさらに成長させたい」「組織の壁を乗り越えたい」

「次の世代へしっかりとバトンを繋ぎたい」……。

そう願いながら、日々奮闘されているのではないでしょうか。

自社の未来を力強く切り拓いていくために必要なもの。

それは「会計を経営に活かす力の養成」と、「組織を変革する情熱」です。

今回のセミナーは、まさにいま、その課題に向き合い、

一歩を踏み出そうとしている「あなた」のために企画しました。
 

今回のセミナー

こんな「あなた」にぜひ!

聴いていただきたい内容です!

経営者・経営幹部のあなたへ
自社のビジョンを明確にし、

社員とともに成長できる組織づくりや変革のヒントがここにあります。

後継者・2代目社長のあなたへ
「会計センス」を磨くことで、

数字を武器にして自信を持って次のステージへ踏み出せます。

経理担当者のあなたへ
単なる作業としての集計を超えて、

経営者を力強く支える「生ききた会計」の面白さを実感できます。

税理士・未来の会計人を目指すあなたへ
経営者の想いに寄り添い、共に企業の物語を創り上げていく、

会計の本当の価値と可能性を体感していただけます。

会場であなたとお会いし、じっくりとお話しできることを、
スタッフ一同心より楽しみにしています!

都市のスカイラインと青空に描かれたハートの雲

 

先週ご来社した人気講師の事務所経営。
余りに素晴らしいく、職員の脳裏に、相当刺さったようでした。
そこで、皆の感想を、AI先生に読んでもらいました。

事務所のことをよくご存じなだけあって、

これまた、見事な回答を返してくれました。

どうぞお楽しみください。

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明宏さん、これはかなり良い「異文化との遭遇」だったと思います。
私の見立てでは、今回の訪問で職員の方々が驚いたこと自体に、大きな意味があります。

 1.「正解が一つではない」と知った

その事務所の
・ 自計化できない企業は顧問しない
・ 2か月滞納したら解約
・ 5日間返信がなければ解約
というルールは、かなり明確です。

これは単純に「厳しい」と見るより、

事務所経営における境界線を明確にしていると見ることができます。
「誰と仕事をするのか」
「何を顧問契約の条件とするのか」
「どこまでを税理士事務所の責任とするのか」
を、曖昧にしない。

これは一つの経営哲学です。
一方、明宏さんの事務所は、これまでのお話を伺っていると、

かなり違います。

「できない企業だから切る」のではなく、
どうしたら、その企業が会計を使える会社になっていくか。
そこに会計人の仕事を見いだしている。

だからこそ、今回の違いが職員には強烈だったのでしょう。

 2.実は「どちらが正しいか」ではなく、「何を使命とするか」の違い

ここが一番重要だと思います。
自計化企業だけを顧問する事務所は、
自立できる企業を、効率よく、質高く支援する
という方向に軸足を置いているのかもしれません。

それに対して明宏さんの事務所は、
会計を通じて、企業そのものを強くしていく
という方向に軸足があります。

すると、後者では、
「まだ会計ができていない」
「資料が揃わない」
「経営者自身が数字を理解していない」
という状態が、むしろ仕事の出発点になります。

ここに大きな違いがあります。

 3.ただし、「情が深い=良い事務所」でもありません

ここは今回の出来事から学ぶべき、もう一つのポイントでしょう。
顧問先を大切にすることと、何でも引き受けることは違います。

滞納を何年も放置する。
連絡がつかない企業を抱え続ける。
自社でやるべきことまで事務所が肩代わりする。

これでは、職員も疲弊しますし、

本当に支援すべき顧問先への力も弱くなります。

ですから今回の訪問先から、
「線を引く経営」
を学ぶことには、大きな価値があります。

そして明宏さんの事務所は、その線をどこに引くかを考えればいい。

 4.むしろ「うちは、なぜ切らないのか」を職員と考える機会になる

今回、一番面白いのはここだと思います。
職員に、「あの事務所は厳しいね」で終わらせない。

むしろ、「では、私たちはなぜ、そうしないのだろう?」
と問い返してみる。

すると、
「困っている会社だからこそ、会計が必要なのではないか」
「自計化できない会社を、自計化できる会社に変えることも仕事ではないか」
「資料を出せない会社に、出せる仕組みをつくるのが巡回監査ではないか」
「経営者が数字から逃げているなら、数字と向き合えるようにするのが会計人ではないか」
というところまで、考えが進む可能性があります。

これは、単なる「他事務所見学」ではありません。
自分たちの存在理由を再確認する機会になります。

 5.そして、明宏さんの事務所にとって重要なのは「優しさ」と「厳しさ」の統合

これまで伺ってきた明宏さんの考え方を重ねると、私はここに行き着きます。
顧問先には厳しく、顧問先の未来には優しく。

数字には厳しくする。
期限にも厳しくする。
証憑にも厳しくする。
月次決算にも厳しくする。

 

でも、「できないから切る」のではなく、
「できる会社になるところまで伴走する」。
これは甘さとは違います。

むしろ、かなり厳しい仕事です。

自計化できない企業を自計化できるようにする。
月次決算が遅れる企業を毎月締められる企業にする。
経営者が決算書を読めないなら、読める経営者にする。

その過程では、職員自身にも相当な力量が要求されます。

そして今回の出来事は、明宏さんが以前から大切にされている
「先に言えば説明、後から言えば言い訳」
という文化ともつながります。

「返信が5日なければ解約」というルールは、

ある意味では非常に明快な「先に言う」です。

ならば明宏さんの事務所も、
「私たちは何を顧問先に要求し、何を約束し、どこまで一緒に歩くのか」
を、もっと明文化していい。

そうすると、
「何でも受け入れる事務所」から

「企業を強くするために、必要な厳しさを持つ事務所」へと、

一段上がるのではないでしょうか。

今回の税理士事務所との出会いは、

職員にとって「びっくりした話」ではなく、

自分たちの仕事を鏡に映して見る機会になった

――私はそう見立てます。

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いかがですか。AI先生、素晴らしい言語力ですね。
合っていそうで、合っていないのに、最後は包んでいく…
これを人間がやってのけると、人間力といわれるでしょうね。

 

AIは、仕事を奪うのではなく、

あらたな価値を創造し提供してくれる仲間…

山下事務所では、いま彼とそんな関係性で、実務を動かしています。

 

「経営支援セミナー2026」が無事に終了した次の会議から、

皆さんの感想を聞いて、深掘りをはじめていきます。

 

 

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キリンとアライグマが文学について話すイラスト

 

◆取材の余話を少しだけ。
小説の真価を判断するには、「10年、20年じゃなく、50年、100年の歳月が必要」。2023年2月のインタビューで、宮本輝さんはそうおっしゃっていました。1960年代から現在に至る文学史の証言を読み返すと、その言葉が切実さをまして響いてきます。時代が下がっても読み継がれる作品は、新鮮な輝きを放ちながら読者の心で生き続け、作家は作品が読まれることで、作家であり続けます。「そこで作品が生きているか。作品を残していくのは、読者の人たち。」インタビューの結びの一言は、長く描き続けている人ならではの重みがありました。(真崎隆文)
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『キリンが文学を聞いたら』書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)

のあとがき+(プラス)に書かれていた編集者による短文です。

宮本輝氏の言葉が目に留まりました。

インタビューしながら、ずっしりとした言葉を耳にして、

この編集者さん、動けなくなったのではないかな…そんな想像をしました。

 

非常に味わい深い、重厚な言葉を、何ごともないような顔で、

さらっと言ってしまうのが宮本氏です。

編集者にして、こういうあとがきを書いてくれる人は、貴重な方。

「作家とは何者か」という宮本氏の思想が、一文で伝わってきます。

それが、最後の一行でしょう。
「そこで作品が生きているか。作品を残していくのは、読者の人たち。」
ここがまさに宮本氏。圧倒的な重厚感ですね。

入口の作家は「自分が何を残したか」を語りたくなるはずです。

半世紀以上も書き続けた作家は、作品の生命を、読者の手へ渡します。


「出版された瞬間、作品は作家のものではなくなっていく」のです。
それは、実は、みんな頭ではわかっていることなのですが、

心まではそうなってない…そういう場面がままあります。


たとえば、10年後に読まれる。
20年後に誰かの人生を支える。
50年後、100年後に、まったく違う時代を生きる人が読む。

そのとき読者の心の中で、

「この人物、今の自分と似ているな」
「この言葉、今の時代にも通じるな」
「この作品を書いた人は、こんなことを考えていたのか」

と、新しい生命を得ていく。
だから、作品の寿命を決めるのは、作者ではなく読者なのです。
ここに「50年、100年経たなければ小説の真価は分からない」

という言葉がつながります。

売れたか。話題になったか。

賞を取ったか。その時代に評価されたか。
それだけでは、本当の意味で「残った」とは言えません。

そもそも残すことを考えていない作家も多いでしょう。

いま、売れればいい…そう思う人の作品は、残る必要はありません。

 

時代が変わっても、なお誰かの心の中で生きているか。
宮本氏が見ているのは、そこなのだと思います。

デビュー当時、古風な作家とよく言われていました。

宮本氏は「では、新しいって何ですか」と応じていました。

このやり取り自体が、文学とは何かを表しています。

編集者の真崎さんは、「う~ん、なるほど…」

「まいったな…」「やられたな…」と唸ったか分かりませんが、

恐らくそうだったのだろうと感じました。

でなければ、2年後の記事に用いませんよね。

証拠も書いてあります。自らの告白と言ってよいでしょう。

真崎氏はこの言葉を聞いた瞬間だけでなく、

ずっと、この言葉の重さを感じて過ごしているのです。
 

 「1960年代から現在に至る文学史の証言を読み返すと、

その言葉が切実さをまして響いてきます。」ここです。

2023年のインタビューの後、文学史を振り返る仕事をしています。
そこで、
「ああ、宮本さんが言っていたことは、こういうことだったのか」
と、言葉が、静かに沁みて来た。
言葉そのものが時間によって熟成したことを告白しています。
これは実に文学的です。そしてその余韻こそが、宮本文学なのです。

山下事務所でも、実は最近、掘り下げているのが100年企業です。
「100年続けてきた企業を、次の100年へ渡せる会社にする」
には何が必要か。このテーマと、非常によく似ています。

企業も、作家も、その人が生きている間だけで完成するものではない。
作家は作品を書く。経営者は会社をつくる。
しかし、その作品が後世の読者に読まれるか。
その会社が後世の人に必要とされるか…

いうまでもなく、最後に決めるのは、自分ではありませんね。

だからこそ、今の評価だけを追いかける必要がなくなるのです。
「今、どう見られているか」から、
「50年後、100年後にも意味があるものになっているか」
へ、視点が移る。これは経営においても、人生にあっても、

ものすごく大きな視点転換だと思います。

そして、この境地に立てる人は、稀かもしれません。

今回の短文で上がった、宮本氏の言葉のもう一つは、
「そこで作品が生きているか」という問いです。

「残っているか」ではないのです。
「生きているか」ここには大きな違いがあります。

本棚に保存されているだけなら、「残っている」。
でも、誰かが読み、感じ、考え、人生を少し変えるなら、「生きている」。

会社も同じではないでしょうか。
創業者の名前が残っているだけでは、会社は生きているとは言えない。
次の世代の社員が、自分たちの判断で顧客を喜ばせ、

地域に必要とされ、利益を生み、また次の世代に渡していく。
そのとき初めて、「会社が生きている」と言える。

そう考えると、宮本輝氏の「作品」と、

山下事務所が考えている「会社」は、

深いところで、かなり重なり合っているな…と感じます。

そして会計とは、まさに、

その「生きている姿」を、後世に渡すための

記録と言語だ、という気さえしてきます。

 

こういうと、洒落たこと言いやがってと、怒られそうですが、

会計は、文学的センスがないと、磨けないかもしれません。

作者は作品をつくる。経営者は会社をつくる。
しかし、その生命を未来へ運び続けるのは、次の人たちである。


文学は、自身の境涯を上げるためにある…そんな気がしませんか。
そう。間違いなく、近道だと思います。

日ごろの経営だけで境涯を高めるのは至難です…

そう感じている方、先ずはぜひ、この本を手に取ってください。

 

喧々諤々の議論の末、選ばれた作品群。

読みたくなる本が、きっと見つかります。

 

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青空に浮かぶ白い雲

 

「いのちの力の使い方」

 

「いのちの力の使い方――

結論からいうと、

これはきわめて短い言葉で表現することができる。

すなわち、
「力を入れることに重点を置かずに、
力を働かすことに重点を置く」
――これである。
」

 

― 中村天風 ―  思想家 
            1876年7月20日 ‐ 1968年12月1日 

 

「力を入れる」と、
「力を働かす」は、似ているようで全く違います。

力を入れるとは、たとえば、絶対に失敗してはいけない…
頑張らなければならない…負けてはいけない…
相手に負けたくない…もっと頑張れ、自分!…と、

自分自身を緊張させることです。

一方、「力を働かす」とは、
「では、この力を何のために使おうか」と考えること。
ここに大きな違いがあります。

たとえば、重い荷物を持つとき、

身体全体に力を入れて固まってしまえば、かえって動きにくくなります。
必要なところに必要な力を使えば、身体は動きます。

人生も同じです。

力の総量よりも、力の方向が大切なのです。

怒りに力を使えば、怒りが増幅する。
不安に力を使えば、不安が大きくなる。
心配に力を使えば、心配する能力ばかりが鍛えられる。

反対に、

「今日、自分にできることは何か」
「この人のために何ができるか」
「この経験を、次にどう生かすか」

と考えれば、同じ生命の力が、前へ進む力になります。

だから天風は、
力を入れることに重点を置かずに、

力を働かすことに重点を置くと言ったのでしょう。

これは「頑張るな」という教えではありません。
むしろ逆です。頑張る方向を間違えるな!です。

生命の力を、緊張や恐怖や自己防衛に浪費するのではなく、

創造や行動や人のために使いなさい――ということだと思います。
 

いかがですか。「いのちの力の使い方」

生きること自体が楽しくなってきませんか。

勇気が湧いてきますね!

この思想、また一週間かけて掘り下げていきましょう。

 

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― 経営マインド 367  ―


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イチロー選抜、高校野球女子選抜の戦い

 

高校野球女子選抜 VS イチロー選抜 KOBE CIBENとの戦い。

楽しみました。体力の限界に自らを追い込むイチロー。
練習も、本番も真剣。この生きざまが、客席に届くのです。

これが本気か…と感じました。「人生は戦いだ」と言いますが、

この人は、まさに戦いの人。

清く正しく、真っ直ぐな戦いの渦を起こしているから、

そこに松井秀喜氏も、松井稼頭央氏も巻き込まれています。

 

この感動、一言で言えば、「生涯現役」という言葉を、

頭ではなく、身体で見せてもらった一日だったという気がします。

53歳を目前にして、約130球を投げ、最後まで134km/hを出す。
しかも完封。0対7という結果以上に、強く感じたのは、

「年齢を重ねること」と「能力が衰えること」を、

イチローは同一視していないのだな…ということです(動画参照)。

これは経営者にも、非常に大きな示唆となります。
「生涯現役」は、単に70歳、80歳まで働くという話ではありません。

年齢を重ねるほど、自分の生命の力を磨き続ける…
という生き方ではないでしょうか。

体力。判断力。集中力。技術。精神力…
そして「まだできる!」という自己信頼。

天風先生の説く「頼もしい自己建設」とも繋がります。
天風なら、イチローの姿を見て、なんというでしょう。
「命を活かす力を、量的にも質的にも充実せしめている」
と見るのではないでしょうか。

試合の日だけ頑張って130球を投げられるはずがありません。

三塁を守った松井秀喜選手の送球を見て、

松井稼頭央選手の走塁を見て、

イチローの練習量の凄まじさが、伝わってきました。

その一球の背後に、日々のトレーニング、

身体の手入れ、食事、睡眠、技術の反復、自己管理がある。

これは、山下事務所が開業以来大切にしている

「毎日、帳簿を作り、毎月、締める」ことと、実は同じ構造でしょう。

決して、派手な一発ではないのです。
日々の小さな基礎練習が、いざという時の「体力」になる。
企業も人間も、そこは同じなのかもしれません。

そして、イチローのすごさは「昔すごかった人」ではなく、

今も自分を鍛え続けている人であることです。

経営者も、「昔は俺が会社を引っ張ったものさ…」ではなく、
「今日の自分が、昨日の自分を少し超えているか」を問い続ける。

そう考えると、生涯現役とは、引退しないことではなく、

自己建設をやめないことなのかもしれません。

今回の観戦は、「今のイチローを見た!」というより、

「自分はこれからをどう生きるかを、グラウンドで見せてもらった」

そんな一日となりました。

 

ドーム近くに拠点を構える社長に、この話をしたら、

「来年は、一緒に行こう!」となりました。

 

今週もお読みいただきありがとうございました。

 

 

https://www.facebook.com/share/r/19e7KMQJVR/

 

ゴルフ場の380ヤード表示看板

 

人生を変えるのは、大きな決断ではありません。

小さな一歩を、今日踏み出すことです。

特に経営者こそ、「まず一回、やってみよう」 が刺さるはずです。
「勉強しましょう」「変わりましょう」では、社員も動きません。
行動の単位を極限まで小さくする。
これが「刺さる言葉」を「動く言葉」に変えるポイントだと思います。

レッスンプロの言葉を経営に置き換えると、一段深くなります。

「素直さ」とは、能力の問題ではなく、

成長速度を決める経営者の資質である。

「自分はもう十分知っている」と思った瞬間に、学習は止まります。
「まだ知らない。教えてもらおう」と思える人は、

今日からまた変われるのです。日々新たにして、日に日に新たなり。

経営者の実践こそが、社員を育て、社風を築きます。

だから、経営者へ贈る最後の一言は、
「あなたに足りないのは、能力ではないかもしれません。
 もしかしたら、まだ踏み出していないだけです。」これだ!と感じます。

 

しかし、環境という外部のせいにしてしまう人は多いですね。

自分の心身さえも外部だと気づくことから、すべてがはじまる気がします。

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

高級出汁と具材の和風スープ

 

日本の飲食店の自己資本比率の中央値は、

あるデータによると、12%~21%だと言われています。

 

言うまでもなく、大変に厳しい環境です。

その中にあって、山下事務所の関与先には、自己資本比率が92%という、

オーナーシェフの店があります。もう、30年近いお付き合いです。

 

西武信用金庫の常務と支店長が、見たことのない数値だと感動。

経営力を讃え、この度、表敬訪問され、食事も楽しんでくれました。

かなり象徴的な事例だと思いますので、ご紹介します。


「会計で会社を強くする」の本質が、非常に美しく表れた光景でした。
 

自己資本比率92%ということは、分かりやすく言えば、
この店は、外から借りた力ではなく、自分で蓄えた力で立っている。
ということです。

飲食店という、一般には原材料費、人件費、家賃、設備投資など、

資金繰りの負担が大きくなりやすい業態で、

なぜ自己資本を厚くできるのか…。金融機関なら興味を持ちます。

 

しかし山下事務所は、30年近いお付き合いです。

ですから、驚異的といっても、当事者からすれば、そうでもありません。

92%は、ある年度の「結果」ではないからです。
30年分の経営判断が、貸借対照表に沈殿した数字に過ぎないのです。

しかし西武信用金庫の行動には感動です。
動かない金融機関なら、「自己資本比率92%ですか。素晴らしいですね。」
で終わってしまうでしょう。

ところが西武は違います。常務と支店長が実際に店を訪れ、

経営者に会い、食事をしながら学んだ。のです。
 

ここに、この金融機関の一段先の強さがあります。

決算書を見る ⇒「なぜ、こんな数字になるのだろう?」と疑問を持つ
⇒経営者に会う⇒店の空気を感じる⇒料理を食べる
⇒経営者の考え方を聞く⇒数字の背景にある「経営」を理解する…


要するに決算書が、

金融機関と経営者をつなぐ「対話の入口」になった!のです。
これが、山下事務所の説く「会計は社会と会社を繋ぐ機能」の在り方です。

92%の会社というと、
「何か特別な経営手法があるのでは?」と思いたくもなります。

しかし実際には、秘密などありません。
・ 毎日の商売を丁寧にする・ お客様を大切にする
・ 無理な投資をしない・ 借金に依存しない
・ 利益をきちんと残す・ 残った利益を会社に蓄える
・ 毎日、自分の会社の帳簿を作る・毎月、自分の会社の数字を見る…
という、極めて普通のことを、30年間やり続けた結果なのです。

だとすれば、92%の本当の価値は、
「92%になる方法」ではなく、

「92%になるまで商売を続けられた生き方」
にあると言えるでしょう。

ありがたくも、山下事務所は、

このように会計に向かう姿勢が極めて素直な関与先に恵まれ、

会計指導の王道を歩ませていただきました。-

事務所が30年間、帳簿を確かめ、月次を締め、

数字を見ながら、経営者と状況を確認してきました。

その結果として、経営者の生き方が、

決算書にまざまざと刻み込まれました。

そして30年後、その決算書を見た金融機関のトップが、
「この経営を直接見てみたい」と店までやって来る…
この在り方が、超優良企の風格と言えないでしょうか。

ちょっと誇らしげにいえば、

一人のオーナーシェフの30年間の商いが、

金融機関にとって「学ぶべき経営教材」になった!のです。

数字が信用を生み、
信用が対話を生み、
対話が新しい学びを生む。


会計は社会と会社をつなぐ箱…この目で見届けた晩でした。

 

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ルイ・ヴィトンのバッグを積んだ黄色いバイクのオブジェ

 

週明けにご紹介した

天風の言葉「笑いは養生である」

深めるお時間ありましたか。

面白いから笑う。楽しいから笑う。

一般的には、そのように理解されるのが笑いです。

だから「どうして笑わないんだ」と問われたら、

「だって面白くないもん」と返ってくるのです。

 

しかし天風は違います。

笑っているから、楽しくなる。

笑っているから、面白くなる。

 

つまり

仕合せだから笑顔でいられるのではない。

笑顔でいるから仕合せになるのだ。

こうした姿勢です。

 

これは経営にそのまま当てはまります。

上手くいっているから、笑顔になるのではない。

笑顔でいるから、上手くいくのである、という経営姿勢です。

 

そして「笑顔」は経営者の「胆力」の表現にもなります。
ここで、先週の「頼もしい自己建設」と繋げてみましょう。

そこには、
 体力、胆力、判断力、断行力、精力、能力
という言葉がありました。

今回の「笑顔」は、

とりわけ胆力と判断力に関係しているように思います。

本当に強い人は、「怖れない人」ではありません。
怖れても、神経を暴走させない。
怒っても、怒りに支配されない。
不安でも、不安を周囲に撒き散らさない。

そして、
「平静な自分」を自分でつくる。
その最も簡単な入口(入門)として、

天風は「笑い」を使っているような気がします。

だから、
事ある時は一層笑顔を崩さぬように
と言っているのです。この実践は、相当に厳しいものです。

「笑顔でいられるような環境をつくりなさい」ではなく、
環境が崩れたときにも、自分を崩すな!と言っています。

山下事務所には、「会社は生命体」だという思想あります。
どういうことかというと、
社員、経営者、会話、情報、お金、会計、組織文化…
これらは、あたかも会社の神経系統のように感じられませんか。

そうすると、会社の「神経を興奮させるもの」が見えてきます。
たとえば、数字が見えない、情報が伝わらない、問題が隠される、
社長だけが知っている、社員が本音を言えない…。
こうなると、会社全体が慢性的な緊張状態になりますね。

反対に、月次で数字が見える、事実が共有される、
問題を早く発見する、会話がある、隠し事がない…。
この状態であれば、会社は落ち着きます。

山下事務所の真髄に「会計は会社を浄化する」という思想があります。
天風の「神経系統を鎮める」という話は、ここに重なってきます。

会計によって事実が見える。
事実が見えるから、過剰な想像が減る。
過剰な想像が減るから、神経の無用な興奮が減る。

そして経営者は、落ち着いて判断できる。
これはまさに、会計によって会社の神経系統を整える…

という見立てに繋がってくるのではないでしょうか。

一見すると、・笑顔=幸福論 ・会計=数字 です。

しかし生命という視点から見ると、どちらも、
「過剰な興奮を鎮め、現実を正しく見る」
という働きを持っています。
 

つまり、
笑顔は、人間の内側の神経を整える。
会計は、会社の内側の情報を整える。
のです。


そして両方とも、
整った状態をつくることで、本来の判断力を取り戻す…のです。

ゆえに、
「笑顔で生きる」より「笑顔をつくれる自分をつくる」
これが結論ではないでしょうか。

余裕がないときに笑える自分を、日頃から鍛えておく。
これは、もう「訓練」ですね。だから「自己建設」になるのです。
そしてこれは、経営者にとって極めて大切な修行でしょう。

平時に平静でいることは、平静ではない。
有事に平静でいられることが、平静である。


天風の「笑顔」は、自己建設の証です。
自分の生命の主導権を、出来事に渡さないための「型」
なのです。ここを鍛えるのが、巡回監査士。
 

そして、
会社の生殺与奪権を、金融機関に渡さないための「型」

ここを鍛えるのが、巡回監査を受け入れる企業経営者です。

 

ここまで掘ると、以前ご紹介した、

三宅民夫氏の、「笑顔で、ゆっくり話す」という生きざまとも、

きれいに繋がりますね。

笑顔とは、相手に見せる表情であると同時に、

自分自身に「大丈夫だ」と伝える身体の言葉なのかもしれません。

 

この「身体の言葉」というキーワード。引き続き思考していきます。

 

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