松本清張原作ドラマ【張り込み】は、これまで何度もドラマ化されております。
1978年度版の吉永小百合さん主演の【張り込み】は、後妻に入った女の哀しみを切々と描かれており観ていて同情の余地がありました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200126/19/beppin-noriko/cf/65/p/o1918108014702635737.png?caw=800)
強盗犯の行方を追う刑事・柚木(荻島真一さん)は、強盗犯・玉井(森本レオさん)が元恋人のさだ子(吉永小百合さん)の元に姿を現すのではないかと推測し、 さだ子が後妻に入った家の真向かいの旅館の二階で張り込みを続ける事になる。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200126/19/beppin-noriko/73/80/p/o1575108014702639186.png?caw=800)
二階の窓越しにじっと身を隠して真向かいの家の中を様子をうかがう❗
さだ子は、横川(佐野浅夫さん)の後妻として、日々主婦業を真面目に粛々としながら、先妻のふたりの幼子を育てるが上の女の子が全くなつかない。
その上、夫の横川は、役職つきの銀行マンだが腹が立つほど凄いドケチで、毎朝 出掛けにさだ子に財布から千円を一枚だけピラッと出して与えてやるっていう風情をみせて無表情に出社する。
其れを直ぐ様 受け取り懐にしまうさだ子。あまりのドケチで家計のやりくりが大変なので、内職なんぞして、下の弟のグローブを買い与えていた。
柚木刑事は、さだ子の決して幸せそうではない様子を垣間見て、ある種 美しいさだ子ゆえに余計に同情の気持ちがわいてきてしまうのだった。
強盗犯の玉井が現場に落とした財布からさだ子の写真を手にしていて、思わず旅館の二階からあやまって写真を落としてしまう。
そして、その写真を捜しに下へ降りるも見つからずじまい。
さだ子は、子供が、その写真を拾って渡したのをきっかけに、もしかして元恋人の玉井が近くに来ているのではないかと察知する。
そして、旅館の二階の東京の人宛に手紙を書く。落ち合う場所と日時のみを書き記す。
で、柚木刑事がその場所に行くと、既にさだ子と玉井が寄り添い、抱きあっていた。
柚木刑事は、決定的な現場に遭遇してしまったがさだ子と強盗犯・玉井との逢い引きを表沙汰にしない為に、このまま何も無かった事にして家へお帰りなさいとさだ子の背中を押した。
さだ子としては、このまま玉井と逃げる道もあった。後妻として不幸な家庭生活に戻るも地獄、玉井と何処までも逃げるも地獄。
柚木刑事の優しさで、お咎め無しで家庭に戻るさだ子。
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吉永小百合さんの美しい和服姿が余計に不幸な後妻としての立場が強調されて、メロドラマ的になっており、視聴者が同情するという流れに。
いやはや、この後のストーリーがあるとしたら、一旦は横川夫人に戻るがなんせさだ子は、夫を愛しているとも思えなく、子供もなついてはいないので、慰謝料を貰い離婚し、その類い稀なる美貌でありますので、選り取り緑、黄緑で、ケチで無い富豪の亭主を見つける。又は、慰謝料を元手に美貌を生かした仕事を起業して大成功するかの二者択一。
まぁ、そうあって欲しいという希望的観測の勝手な妄想をしてしまいました。