糸魚川石物語72 塩の道と野の仏 大野地区 | 糸魚川ジオパークのおじさんのブログ

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日本で最初に世界ジオパークに認定された糸魚川ジオパークの魅力や出来事などを紹介します。

 糸魚川には地質上の境界線「糸魚川静岡構造線」として知られる大断層の起点でもあります。

 昔から使用されていた「塩の道」は「旧松本街道」とも言われ信州往還の重要な路でありました。生活道路として民衆をはじめ荷運びの歩荷・牛方が利用していました。

 
 昔の人々は生活の知恵があり、この断層の上がやや低く通り易いことを見つけ、断層線上を塩の道として使用していました。将にジオ(G)線上のエアリア(地域)・・・バッハも驚嘆するかも。


 古くは奴奈川姫の息子である建御名方命が諏訪へ落ち延びる路であり、源平時代には木曽義仲の軍勢の一隊である今井四郎兼平がここを通り糸魚川に今井城を築いた歴史があります。

 戦国時代には上杉勢の拠点として巨大な山城根知城があり交通の要衝として栄えた所でもあります。「おててこ舞」で有名な山寺には多くの寺院・伽藍がありました。

 こんなジオ的・歴史的環境でしたので塩の道沿いには多くの「野の地蔵さん」が残っています。

  原山地蔵 盗人もこの地蔵さんには適いません。全て御見通しですぞ。地蔵さんの御前に盗人こぞりて改心したまえ。

 大きな地蔵さんの足下には天保通宝・寛永通宝の他現在のお金のご寄付が数千円敷かれています。背中には般若心経が刻まれており、有り難い地蔵さんです。


 元はのぞき戸にあった地蔵さんです。

    のぞき戸からの景色今も昔も眺めよし


 馬頭観音はじめ供養塔・お墓などが集められている


 十王堂(上・下) 死後閻魔さんなど十王の裁きがありますぞ
 三途の川で死者の衣服をはぎ取る奪衣婆「おしょろばあさ  ん」も ああ怖い!
 生前の行いを閻魔さんに報告する《倶生神》 
 手前には死者の罪の重さを測る天秤
 生前の姿を映し出す「淨玻璃の鏡」なんかもあるーう



 十王堂脇の六地蔵


 六地蔵の前にも地蔵さんの集積地 白石のお供えがみえます。なにやらこのあたりに奴奈川姫が鏡を埋めたという伝説があります。

  カンパ地蔵

 塩の道の「うとう」の手前にある地蔵さんは、おできに良く効くと言う姫川の石を刻んで地蔵さんにしたと言う。霊験あらたかな地蔵さん。

このように塩の道は地蔵さんの宝庫、特に大野地区に多くあります。