糸魚川ジオパークのおじさんのブログ

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日本で最初に世界ジオパークに認定された糸魚川ジオパークの魅力や出来事などを紹介します。

 上 露頭の説明  下 露頭の拡大写真

 コスモクロアと言う聞き慣れない鉱物の鉱床が近年糸魚川市で発見され、露頭は市の文化財として保護されることになりました。

 

 コスモcosmoはラテン語の宇宙の意味クロアは緑の意味ですので「宇宙の緑」と言うことになるようです。

 

 最初に発見されたのは1965年鉄隕石中にごく僅か顕微鏡でみる程度に含まれていた緑色の鉱物からですが、地上での発見は1984年ミャンマーのヒスイ中で発見され、日本では1996年に大佐山でヒスイの中に発見され、1997年に糸魚川市でも発見されました。

 

  惜しいことに、これより古く1978年に翠宝堂の広川氏が姫川で発見した緑色の転石を鉱物学の権威である益富壽之助氏に鑑定を依頼し、その鉱物をユレーアイトと同定されていました。これが、当時コスモクロアと判れば世界最初の地球産新鉱物の一つになったのでしたが残念でした。

       (FMミュージアム展示のコスモクロア輝石↓)

この鉱物はヒスイ輝石と関係し分子式もヒスイのAlがCr原子に置き換わっているだけです。NaAlSi2O6 →NaCrSi2O6

 

 日本ではヒスイの産地である岡山県の大佐山、高知県の若狭と糸魚川でしか発見されていません。糸魚川では山の坊と青海川上流でも見つかっておりますが、蛇紋岩に伴うネフライト鉱床に混在しています。本年、希少鉱物であるためマニアに持ち去られるのを防ぐ為、市の文化財に指定し、厳重な保護柵と監視カメラを設置し、この度は、市民見学会が開催されました。黒に近い濃緑色で魅力有る鉱物ですので糸魚川ユネスコ世界ジオパークの見所の一つとなりました。

 

 輝石は造岩鉱物の一つで多くの岩石を構成する成分の一つです。岩石は鉱物の集まりで「おにぎり」を岩石に見立てると米粒が鉱物になります。輝石は岩石を構成する一員として多くの岩石中に含有されています。安山岩や花崗岩などの中にも見られます。

 

 花崗岩は石英・長石・雲母・輝石等のあつまり、安山岩は輝石・角閃石・斜長石・磁鉄鉱などの集まりです。

      下 安山岩の鉱物のあつまりの様子

 

 輝石の化学組成は(XYSi2O6 )が一般的です。X・Yには種々な元素がはいります。

 コスモクロア輝石やヒスイ輝石はNa輝石の仲間ですが、他に Mg-Fe輝石・ Ca輝石・Mn-Mg輝石・Ca-Na輝石・Li輝石などの種類があります。

 ヒスイの緑色の発色はヒスイに混在するCa-Na型のオンファス輝石中に含まれる鉄原子によるとされています。

 

 以前、鉱物に詳しいフォッサマグナミュージアム学芸員であった宮島宏氏の案内で下越・会津方面の地学ハイキング旅行に参加した際に、赤谷鉱山の廃鉱石の中にヨハンセン輝石(CaMnSi2O6 ) と言うスカルン鉱物でCa輝石の一つを採取することができました。単斜晶系の鉱物ですが放射状に結晶が並んでいて鉱物の面白さを体感したものです。

     輝石の仲間のヨハンセン輝石↓