相続登記の義務化にあせる必要はない | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。

法律相談で相続の話に及ぶと「相続登記が義務化されるみたいですがどうしたらいいですか」という話になることが多い。

2021年改正不動産登記法により、
・ 相続によって不動産を取得した相続人は、これを知ってから3年以内に相続登記をしなければなりません。
・ 遺産分割協議が成立した場合は、そこから3年以内に登記をしなければなりません。
・ この2つに違反すると10万円以下の過料に処せられます。

 つまり遺産分割が成立していなくても死亡後3年以内には、法定相続分による相続登記をしなければならなくなったのです。相続登記より簡易な仕組みとして、「相続人申告登記の申出」という制度もできました。

これらの改正は2024年から施行されます。まさに相続登記の義務化です。

登記義務化のポスターが張り出されていて身近に不安に感じる人が増えています。

逆に、登記のビジネスチャンスと考えているのか、登記義務化を宣伝する司法書士さんもみかけます。

登記の専門家といえば司法書士です(ちなみに弁護士も登記業務ができることは意外に知られていません。)

しかし、この前のブログ記事ではありませんが、単純な相続登記はお金をかけて専門家に依頼する必要はなく、AIすら不要で、法務局からダウンロードした申請書を参考にすれば自分1人でできます。

専門家が必須なのは、遺産分割そのものに争いがあるとか、相続の登記とあわせてその他の問題(たとえば故人の借金や担保の整理)を考えるような場合でしょう。紛争解決を専門とする弁護士に依頼するのが適切です。

もう1つ専門家が必要となるのは、登記が何世代にもわたって放置されているとか離婚再婚などがあって相続関係が複雑な場合です。このような場合は、紛争性がなくても、司法書士(もちろん弁護士もOK)に相談・依頼することをおすすめします。