弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
東京オリンピック・パラリンピックの開催が刻一刻と近づいてきました。
一方で、コロナ禍が収束するのか、ワクチン接種が増えるのか、緊急事態宣言は解除するのか、課題が山積しています。
そのため、五輪を中止せよという世論も根強い。
ほんとうに五輪をする必要があるのか・・・疑問はのこります。
そんな中で、政府は、安心安全な五輪を実現するためとして、企業に対してテレワークの実施を求める方針を発表しています(6月9日づけ)。
名付けて、「テレワーク・デイズ2021」
五輪により人の移動が増えることを前提に、感染拡大を防ぐための措置のようです。
コロナ問題が発生する前の政府の議論は、混雑緩和のために時差通勤を積極的に導入するように働きかけるというものでした。
コロナが発生してからはテレワーク推進、ということなので、政府の発想はあまり進歩していません。
時差出勤はともかく、テレワークは法的課題が沢山あります。
厚生労働省の「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」報告書が課題をピックアップしていました。次の6点です。
・ テレワークの対象者の選定
・ 人事評価
・ 費用負担
・ 人材育成
・ 労働時間管理
・ 作業環境や健康状況の管理・把握
五輪中のテレワークの場合は特に、労働時間管理、作業環境・健康状況の把握、費用負担、が問題となります。
たとえば労働時間管理です。
検討会報告書は、「テレワークは、働く場所や時間を柔軟に活用することが可能であり、業務を効率的に行える側面がある一方、集中して作業に従事した結果、長時間労働になる可能性」があることを指摘しています。
それならば労働時間管理をきちんとする方策を考えるのがあるべき姿のはずです。
ところが、経営者の中には、労働者が長時間労働しているかどうか分からないから企業が責任をとりたくない(残業代を払いたくない、過労死などの責任をとりたくない)などと公言する人もいます。
テレワークは労働時間管理がもっとも問題になります。
しかし、在宅になったら仕事しないでテレビやネットで五輪を見たい気もしますが・・・
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