気まぐれ厨房「親父亭」落語編34~たけのこ | 気まぐれ厨房「親父亭」

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落語に見る食の風景~タケノコ
     文字通り旬のもの・・・春本番の訪れを告げる食材
     やわらかくて甘味があって掘りたては最高

 
春本番の到来とともに、店頭にはタケノコが並ぶようになりました。
いろいろ種類がありますが、最もポピュラーで時期的に最初に出回るのは孟宗竹。厚みがあって身は白くて柔らかく、独特の甘味を含んだ上品な味わいと噛み心地が特徴です。 
郷里の実家の裏が雑木林で、毎年この時季になると連日タケノコ料理でした。 
さて、落語「たけのこ」は武家屋敷での噺です。
主人が家来の可内(べくない)を呼んでいます。
「可内、可内はおらぬか?何をいたしておる」
「 はっ、只今ご膳の支度をいたしております」
「左様か・・・して、菜は何である」
「本日は、タケノコを差し上げる所存にございます」と言い、タケノコが好物の主人は大いに喜びます。
主人がそのタケノコをどこで調達したかを可内に訊ねますと、隣家より塀越しに顔を出したものを掘ったという答え。
それを聞いた主人は血相を変えて「 武士たる者が、隣の物を黙って食らうとは何ごとだ」と烈火のごとく怒り始めます。
終いには「タケノコの前にその方の首を落としてつかわす」というのですから大変です。
「あいや、しばらくしばらく。私が悪うございました。落ち着いてくださいませ旦那様。まだ採ったわけではございません」と可内。
「何、まだ 採ってはおらんとな?では、早よう採ってまいれ」
いぶかしげな可内に向って「筍なぞというのは、育ちが早い。堅くなってはなんにもならん」と主人が言います。
「しかし、あのー、採ってはならんと仰せで・・・」
「わからん男だのー、それは表向きだ。わしとて隣の憎らしいジジィのタケノコを食らうのは愉快だ。しかし黙って食らうというのはどうもなあ・・・」
ということで、一言断りに行くようにと指示します。
「隣家には、何と申しますかな」
「ご当家様のタケノコ殿が手前屋敷の塀越しに泥面を差し出して、土足で踏み込んでまいりました。姓なきものとは言いながら、乱世の御世であれば間者同然の振る舞い、よって手前どもでひっ捕らえ詮議をいたしましたが、あまりにも不埒ゆえに手打ちといたします。よって断りに参りましたとな」
ニヤリと笑った可内が隣家に行き、主人の命令どおり伝えます。
隣家の老人は「言って聞かせたつもりではござったが、何をしでかすやら。お手打ちの儀ごもっともでござる」と答え、すかさず「だがあのタケノコめは、当屋敷にて長らく慈しみ育てましたるもの故、何卒武士の情で亡骸だけはお下げ渡し願いたい」と付け加えます。おまけに「鰹節殿を供にお付けくだされば、これに勝る喜びはござらぬと、くれぐれもよろしくお伝え下され」と言うではありませんか。
可内は「では、帰りまして左様伝えます。ごめん!」と戻ってそのことを主人に伝えます。
「あのジジィ、なかなかやりおるな、亡骸とは気付かなんだ。もはや既に掘り出して皮をむいて、このとおり待っておったのだが・・・エーイ、今一度言って参れ!」と主人。
「して、どのように・・・」
「いいか、かよう申せ。最早手遅れにございますとな。正九つに手前どもで手打ちにいたしまして亡骸は腹なかに収まりましてございます。骨は明朝当家の雪隠方に収まることになっております」と。
既に掘り出してむいた皮をザルに入れて持って行かせ「これはせめてお召し物、お形見にございますとばら撒いて来い!」と怒鳴ります。
再び隣家に向った可内が「お願いにございます、お願いにございます!」
「これはこれは可内殿。して、お下げ渡しの儀、ご承知いただけたかな?」
「それが実は、最早手遅れにございます」
「手遅れとな!」
主人に言われたとおりに訳を話して「これはせめてお召し物。お形見にございます」とザルに載せたタケノコの皮を差し出します。
「なんともはや、かような姿にあい成り果てたか・・・いやいや、かわいや。皮イヤ」

タケノコは汁のもの、炒めもの、煮物、てんぷらなど、どんな料理にも使えます。
炊き込んでタケノコご飯も美味しいですね。
 
↑ 若竹煮と玉子とじ
今最もおススメは柔らかい先端部分とヒメカワの部分の木の芽和えです。 
山椒の芽をすり鉢で摺って、適量の砂糖、酢、味噌で木の芽味噌を作ります。 
先端部分を糠と一緒に落し蓋をして茹でます。
茹であがったら、そのまま冷まします。
それを冷水で洗って、適当な大きさに切って器に盛ります。
そして木の芽味噌をのせて出来上がりです。
 木の芽の香りがいいですね。