気まぐれ厨房「親父亭」番外編24~醤油 | 気まぐれ厨房「親父亭」

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日本の食文化を支える醤油・・・各地にさまざまな醤油あり
     和食に欠かせない調味料「醤油」
     豊かなコクと味と香りは麹、酵母、乳酸菌の働き
  
日本の伝統的食文化「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。
味噌、醤油、砂糖、みりん、酒等等・・・日本料理には、欠かせない調味料がいくつかあります。とりわけ醤油と味噌に関しては、全国各地に多くの種類があって、その土地ならではの食文化の影響を受け、その地域になじんだ味を生み出しています。
過日、ANAに搭乗して機内誌で関西の味と薄口醤油の関係についてルポルタージュされていて、興味深く読みました。
  
  
関東の醤油に比べると色は薄いのですが、塩気は強く感じる「薄口醤油」のレポートに、紹介されていた兵庫県たつの市龍野町の「うすくち龍野醤油資料館」にすぐにでも飛んで行きたいと思いました。
全国各地を訪ねるとさまざまな醤油に出会います。
九州生まれで九州育ちの小生は、今でも関東のものより少し甘めの福岡の醸造元から送ってもらった醤油や白だしを愛用しています。
そんな私でも、鹿児島や宮崎に赴任中、地元の醤油があまりに甘いのに閉口したことがあります。
土地土地の食文化で醤油の味も変わってくるもので、どれがいいとか悪いという問題ではないと思います。
 
福島や宮城などのお醤油を買って使ったこともありますが、美味しかったです。
醤油は、古代中国に伝わる醤(ジャン)がルーツといわれます。
醤は「ひしお」と読みますが、肉や魚や野菜の保存のため食材を塩漬けにしていたものをさし、大まかには味噌もその一つであるといえます。
果実、野菜、海草などを材料にしたものを草醤(くさびしお)、魚や肉を使ったものは魚醤(うおびしお)や肉醤(ししびしお)、穀物なら穀醤(こくびしお)といいました。醤油は穀醤から進化したものです。
秋田のしょっつるやベトナムのニョクマムなどは代表的な魚醤です。
日本では、鎌倉時代に中国から持ち帰った径山寺(きんざんじ)味噌の製法から味噌づくりが始められました。
紀州・湯浅の村人にその製法を教え、この醤からしみだす汁が風味がよくて旨いということから、醤油の製造が始まったといわれます。
その製法が進歩して、天正年間(16世紀末)に日本初の醤油製造と思われる「玉井醤」が生まれました。したがって醤油は大阪や京都など関西圏では早くから普及していたそうです。
関東での製造は江戸時代に入ってからのことで、当初は都から運ばれることから「下り醤油」と珍重されました。
江戸の元禄から享保年間(17~18世紀)になると、江戸っ子の好みにあった濃い味の醤油が関東で製造されるようになります。主に野田や銚子が関東での醤油製造の中心となり、今日でも一大生産地となっています。
房総は黒潮に乗れば紀州からの海運が容易ですし、江戸への水運の利もあってこの地で醤油製造が盛んになったと考えられます。
ちなみに落語で職人が稀代の花魁に逢うという噺の「紺屋高尾」や「幾代餅」では、職人では逢ってもらえないというので、野田の醤油問屋の若旦那と偽る設定になっています。

醤油にはどんな種類があるか・・・JAS規格では「濃口」「薄口」「溜り(たまり)」「再仕込み」「白」の5種に分けられています。一般的に関東の濃口、関西の薄口といわれますが、味噌同様に地方でそれぞれの特色があります。
「薄口」は色は薄くても、塩分は「濃口」よりも高いのが特徴です。
関東に来ると、白いうどんも真っ黒なつゆの中にあるのに驚きましたが、味はそんなにしょっぱくありません。
「溜り」は東海地方で生産され、色が濃く、とろりとした濃厚な味がします。
佃煮、せんべいなどの加工用や刺身などのつけ醤油等に使われています。
「白」は淡白な味と高い香りが特徴で、うどんつゆや吸い物、鍋料理などに使われ、これにカツオや昆布のだしを加えたものが「白だし」として発売されています。
「再仕込み」は山口県柳井地方が本場で、九州や山陰地方などで生産されています。
色や味が濃厚で「甘露醤油」ともいわれ、甘露煮、さしみや寿司などのつけしょうゆ等に使われています。
  
播州龍野はいずれ行きたいと思っていますが、ちょっと遠いので、今回は東武野田線を利用すれば我が家から1時間ほどで行くことができる、キッコーマン野田工場に併設されている「もの知りしょうゆ館」を訪ねました。
電話で予約をしておけば、1時間ほどをかけて醤油の製造過程の説明と工場施設の案内をしてもらえます。
館内にある「まめカフェ」では、手焼きせんべい体験(有料)などもできます。
参加記念のお土産もありますよ。
 「まめカフェ」のうどんと豚汁
付近にはキッコーマン野田本社とそこに併設された食文化の資料が豊富な「国際食文化センター」やキッコーマン創業の茂木家から寄贈されたという野田市郷土博物館(市民会館)など、歩いて観て回れるところがたくさんあります。
後者は国の登録有形文化財でもあり必見の価値があります。
  
 キッコーマン野田本社(左)と野田市郷土博物館(右)