気まぐれ厨房「親父亭」落語編30~うどん屋 | 気まぐれ厨房「親父亭」

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落語に見る食の風景~うどん屋
     寒さ厳しいときのうどんは何よりのご馳走
     そば文化の江戸でもうどんは多く食べられていました
  
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かけうどん(福岡市・因幡うどん)と鍋焼きうどん(日南市・かおる食堂)
「時そば」という落語は、元々上方落語の「時うどん」という噺で、関西のうどん文化に対して関東のそば文化・・・それぞれの違いを知ることができます。
最近は全国チェーンのうどん店が各地に出店して、東京でも関西風の透き通ったおつゆのうどんが食べられるようになりました。
日本食文化に定着している「うどん」のルーツはどこにあるのでしょう。
鎌倉時代に中国から伝わり、庶民の食生活に定着したのは室町時代の頃からといわれます。小麦粉を使った饂飩(うんどん)という点心が原形とされ、江戸時代初期にはそばと同じく菓子屋で扱われていましたが、やがて麺類を専門に食べさせる店が出現します。
明治時代には東京では鍋焼きうどん、大阪ではきつねうどんといった食べ方が生まれました。
うどんは麺そのものにはあまり多くの栄養成分が含まれていませんが、いろいろな調理法があるので、それらの具材によって多くの栄養素を摂ることができます。煮込みうどんに含まれている野菜や、山菜うどんの山菜、天ぷらの魚介類などと、トッピングでその栄養分が大きく変わってきます。
栄養面を考えたトッピングをすることが望ましいですね。
うどんはそばと違って、麺にも塩分が含まれています。つゆの塩分を加えるとかなりの量になりますので、塩分摂取量にも気をつけましょう。
寒くなって恋しくなる食べ物の一つは「焼きうどん」・・・小型の土鍋につゆとうどんを入れ、シイタケ、かまぼこ、ニンジンやネギ、エビの天ぷら、生卵、麩などたくさんの具をのせて煮たもので、グツグツと沸騰した鍋から直接食べるので芯から暖まります。
当ブログでは「特大鍋焼うどん」のレシピを掲載しています。
http://ameblo.jp/bendream/entry-11443279458.html
  
元禄10年(1697)刊の「本朝食鑑」には、うどんは寒い時節のもので、ひやむぎは夏場に食べるものであるとあります。
うどんを煮込むという食べ方はいつ頃から始まったのかは明確ではありません。
寛永20年(1643)刊の「料理物語」には、素麺を味噌味のダシで煮る「にゅうめん」は紹介されていますが、煮込みうどんはありません。
当初うどんは、味噌味の温かい汁につけて食べていたと思われます。
暖房器具もなく隙間風の吹く当時の家屋ですから、鍋焼きうどんのようなアツアツの煮込みうどんが考えられたのでしょう。
そばやうどんやラーメンを流して商っているのを昔はよく見かけたもので、夜が更けてくるとあちこちの家からお声がかかったものです。
さてこの「うどん屋」という噺ですが、この日のうどん屋さんは少々運が悪かったようです。
酔っ払いが鼻歌交じりに屋台を揺らして危うく倒れそうになり、「うどん屋、悪かった、勘弁してくれ」と謝ります。
「いいですよ」と、うどん屋が言うと、
「勘弁してくれって頼んでいるのに勘弁出来ねぇってのか」
「分かりました、勘弁しますよ」
「有難うよ、うどん屋。だけどお前に勘弁してもらわなきゃならねえような悪いことを俺がやったってぇのか」と絡まれ、さらには仕立屋の娘の結婚式のことなどでさらに絡まれて結局うどんの注文はありません。
やっとの思いで別れて商売に戻って、町内を流していると、
「ちょいと、うどん屋さん」と大きい声で呼びかけられ「へい、何にいたしましょう」
「赤ん坊が寝たところなんだよ、もっと静かにしとくれよ」 
うどん屋はすっかり意気消沈してしまいます。
「でかい声で呼ぶってのは駄目だな。番頭さんが内緒で店の若い衆に御馳走してやるとか言って、小声でそっと注文するようなのが大口になるんだ」・・・と自分に言い聞かせて流していますと、小さなかすれた声で「うどん屋さん、うどん屋さん」と呼ぶ女の声がします。
駆け寄っていきますと、鍋焼きうどんの注文がありました。
こりゃ当たりだな・・・お店のまかないではお腹いっぱいにならないもんだから、隠れてこっそり食べるんだな・・・と勝手に思いながら注文の品をこしらえます。
できあがって、うどん屋も声を殺して「さぁどうぞ」と言って渡します。
女が食べ終わって、勘定をしようという時に、やはりかすれた小声で言いました。
「うどん屋さんも風邪ひいたのかい」
元は「風邪うどん」という上方落語です。
当ブログで何度も書きましたが、九州出身の私は関西風の透き通ったつゆでなくっちゃなかなかなじめません。
今でも、自分でうどんを作るときには澄んだおつゆの関西風のものと決まっています。
当ブログで紹介した「うどん(関西風)」も参考にしてください。
http://ameblo.jp/bendream/entry-11412286810.html
  
九州のうどんは関西風でお出汁が透き通っています。
  
 ↑ 丸天うどん(北九州市・東筑軒)と天かうどん(宮崎市・おくのうどん)
それに対して、関東のお出汁は醤油の色が濃くて黒っぽいのが特徴です。
 ←鶏なんばうどん(鴻巣市・久良一)
いずれにしても、寒い日に熱いうどんをフーフーして食べる・・・いいですよね。