旨くて安くて身体にいい
縄文時代から食べられていた健康食品
シジミはオルニチンと呼ばれるアミノ酸の働きによって、古くから肝臓の働きを保つ効果があるといわれています。
酒を飲んだ後にはシジミの味噌汁がよいとよくいわれますが、これはオルニチンだけではなく、アミノ酸の1つのアラニンという酵素の働きや、メチオニンやビタミンB12など肝臓にとって有効な栄養成分が沢山含まれているからです。
他にも多くのミネラルやビタミンを含んでいて、貧血や疲労回復などの効果も期待できます。コハク酸やその他のアミノ酸を含んでいて、いい出汁が出ますので風味がよく美味しい食材です。
江戸の町では、朝早くから聴こえる売り声の代表が豆腐屋とシジミ売りだったといわれ、値段も安いのでお付けの実などとして庶民に愛された食材だったに違いありません。
厳寒期(寒シジミ)と猛暑時(土用シジミ)が旬といわれていますが、落語「蜆売り」の舞台は冬の盛り・・・ねずみ小僧次郎吉が登場します。元は上方の噺ですが、江戸に舞台が移って主人公がねずみ小僧に代ったといわれます。
音源として古くは古今亭志ん生のものが有名ですが、最近は少しひねりを加えて立川志の輔が演じます。
舞台は雪の降る寒い日の朝、年端もいかぬ男の子が蜆を売っていますが料理屋で邪険にされて買ってもらえません。
そこに現れた次郎吉は不憫に思って、その蜆を全部買い取り、表の川へ放してやるように言います。そしてその子に卵焼きを食べるように勧めると、母と姉への土産にしたいと言います。
その子に憐れみを感じた次郎吉が、シジミの代金とは別に5両を渡そうとしますが、その子は「いらない」と言います。
訳を聞いてみると、3年前新橋の芸者だった姉が、若旦那と駆け落ちして、箱根で悪党に騙されたところをある人が助けてくれたとのこと。
そこで50両を恵んでもらったが、その金には刻印があって盗まれたものとわかり、二人は捕えられてしまったと。
くれた人の名を明かせば放免されるが、恩を仇で返す訳にはいかないから「拾った」と嘘をついた為に若旦那は牢に入れられてしまった・・・。
「この金はそんな金じゃねえ。心配するな」と言ってその子を家に帰します。
あの時50両を渡したのは、この俺だ・・・自分を庇って牢にいる男の話を聞いて、次郎吉は自首しようと決意します。そこへ男の子が「笊を忘れた」と言って戻ってきます。
「坊主、じきに蜆を売らなくてよくなるぞ」
「それじゃ、おじさんに悪いよ」
「俺が何をするか分かっているのか」
「あたいの代わりに蜆を売るんだろう」
鼠小僧は講談や芝居の世界では義賊ということになっていますが、実際には人に施しをした記録なんてないというのが真相らしいですね。
とにかく、寒い日のシジミは旨い!それは事実です。
身も美味しく食べるには、やはり大きいなものを選んで買いましょう。
最近は砂抜きして真空パックになっているものもあります。何と賞味期限は1年ですから便利です。
やはり味噌汁が定番です。シジミのお出汁で十分なので、砂抜きしてきれいに洗ったら鍋に水と一緒にシジミを入れて火をつけます。
そうすることで、いいお出汁が出ます。貝が開いたら火をとめて、味噌をといて出来上がりです。
煮過ぎると固くなると同時に、味も悪くなります。
肝臓にもいいので、定期的に食べたい食材です。