気まぐれ厨房「親父亭」落語編24~唐茄子屋政談② | 気まぐれ厨房「親父亭」

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落語に見る食の風景「アジの塩焼き」
     当時の庶民のご馳走の一品
     淡白でくせのない上品な味がイワシやサバと違うところ
  
唐茄子屋政談は夏場によく聴く落語で、勘当になった若旦那が唐茄子(カボチャ)の行商に出る噺。
当ブログでは、かつてカボチャをテーマにして紹介しましたので、今回は落語の詳しいストーリーは省きます。
http://ameblo.jp/bendream/entry-11287871112.html
噺に登場するアジ(鯵)についてお話します。
遊びが過ぎて勘当になった大店の若旦那・徳が、腹を減らしてさまよった挙句に吾妻橋から身を投げようとしたところ、叔父さんに助けられます。
「なんだ徳か。お前ぇなら助けるんじゃなかった」と叔父さんは言いますが、改心して何でもすると言うので自分の家に連れて帰ります。
腹が減って話もできないというので、叔父さんが「何か食わしてやれ」と女房に言うと、
「じゃあ、ちょっと魚屋に行ってくるから」
「何を言うんだ。こいつは今、川に飛び込んで魚に食われようとしてたんだぞ。そんなヤツに魚食わしてどうすんだい。たくあんの尻尾でも何でもいいんだ」
と言って諌めます。
翌日、唐茄子の入った籠を天秤棒に担いで初めて商いに出た若旦那の徳・・・すったもんだありましたが、親切な人の助けもあって、唐茄子は完売。
荷を空にして帰ってきた徳に驚いた叔父さんは「ばあさん、飯を食わしてやんな。アジを焼いてな」と言ってねぎらいます。
ところが、売り溜め(売上金)がないと聞いた途端「アジ、おろしといて」と言って急に態度が変わります。
早い話、アジの塩焼きはご馳走なので、「よくやった!」というご褒美として食べさせようとしたのです。
それから叔父さんは、売り溜めを可哀想な婦人にあげたという徳の話が本当かどうか、誓願寺店の長屋に徳と一緒に確かめに行き、話はクライマックスへ・・・。

アジは青魚ながらも、サバやイワシに比べるとくせのない上品な味です。
「味がいい」ところからアジと名付けられたともいわれ、刺身、たたき、なめろう、塩焼き、酢〆め、フライ、南蛮漬けなどに調理されます。
日本近海を回遊しますので年中獲れますが、旬は夏場。
たんぱく質、カルシウム、ビタミンB1などをバランスよく含むヘルシー食材です。
とくに脂肪分には、DHAの他に血液の流れをよくするといわれるEPAが多く含まれています。
動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの予防が期待でき、血行不良が原因の肩こりや頭痛の予防にも効果があります。
南蛮漬けにすると、小さなアジなら骨ごと食べられますので、カルシウムも効率よく摂取できます。
噺の中での調理法は塩焼きです。
塩をしたものを七輪で遠火の強火で焼いたものは、まさに江戸の庶民にとってはたまらないご馳走だったと思われます。
<味の塩焼き>
  
活きのいいアジを買ってきて、裏側の身(頭を右にして腹が下になる方)の胸びれの下から包丁を入れてワタを取り出します。
  
  
ゼイゴを取って×印に切れ目を入れ、全体に塩をふってなじませ30分くらいおき、後はグリルなどで両面こんがりと焼くだけです。
尾びれや胸びれを塩で包むと焼き上がりがきれいです。
ダイコンおろしと醤油が一般的ですが、ポン酢やレモン醤油などもあいます。