気まぐれ厨房「親父亭」落語編⑲~「佃祭」 | 気まぐれ厨房「親父亭」

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落語に見る食の風景~「佃祭」・・・お弁当
     腐った弁当はいけません
     冷蔵庫なんてない時代、どんな工夫をしていたのでしょう
  
佃島は昭和39年に佃大橋が完成するまで、渡し舟で往来していました。
今では晴海通りを歩いても行けますし、もんじゃ焼きで有名な有楽町線の月島駅の傍です。佃煮というのも、この佃島がその名の由来になっています。
「佃祭」は現在の東京中央区佃1丁目にある佃住吉神社の祭礼で、旧暦では6月28日、現在は8月の6日と7日が例大祭です。
江戸時代から海を渡る神輿が見られる祭りとして有名です。
落語「佃祭」は、神田お玉ヶ池の小間物屋・次郎兵衛さんが佃祭に出かけるところが幕開きです。
暮れ六つに佃島を出るしまい舟(最終便)に乗り込もうとする時、一人の女性に引きとめられてしまい舟に乗れずに帰れなくなってしまいます。
「3年前吾妻橋から身投げをしようとした時、3両の金を恵んで下さって私を助けていただいた旦那ではありませんか?」
「そんなことがありましたっけ」
「そうです。やっと見つけました。その節は大変お世話になりました・・・」
女は念願の命の恩人に出会えたことを喜び、夫が舟で送るからと説得して旦那を自宅に招きます。
次郎兵衛はその家に行き、しばらくすると外がザワザワと騒がしい。
女が「火事か喧嘩か」と聞くと、しまい舟が沈んで誰一人助かっていないというではありませんか。
次郎兵衛は泳げないので九死に一生を得、逆に彼女に助けられたことに。
やがて亭主が帰って来て、救護が落ち着いたら舟を出して送るからと言って治郎兵衛と酒を酌み交わします。
次郎兵衛の家には、佃のしまい舟に乗っていた人はみんな死んでしまったという知らせが入り、次郎兵衛が死んでしまったというので大騒ぎに。
早速、葬儀の準備万端整えて仮通夜が営まれているというときに、次郎兵衛が帰宅して幽霊と勘違いされます。
お経を上げていた住職が帰り際「情けは人の為ならず」と説教して、次郎兵衛さんの日頃の行いが命拾いにつながったと説教します。
それを聞いた与太郎が、自分も同じようにやろうと考えて、身投げしようとする人を探し回って・・・と展開していく噺。

この噺は前半部分は佃島、後半部分が神田お玉ヶ池の次郎兵衛宅に分かれていて、後半部分でお悔やみを述べることの難しさを面白く伝えています。
ある男が悔やみを述べるときに、次郎兵衛さんが亡くなったのはてっきり食中毒じゃないかと思っていたという件があります。
「あっしゃあね、次郎兵衛さん何か悪いもんでも食ったんじゃあねえかってね。犬や猫じゃあねえって怒っちゃあいけませんよ女将さん。何しろ近頃この温気でしょう、物が何でも傷みやすいんだ。ついこないだもあっしらの仲間でもって一つ弔いを出したばかりなんです」
その話から、自分のカミサンが腐った弁当を食べて食中毒になって、長屋と厠を行ったり来たりする様を面白おかしく喋って、バツが悪くなって慌てて帰っていきます。
  
暑くなるってえと、海や山や川への行楽も盛んで、何よりの楽しみはみんなでいただく手作りのお弁当・・・しかし夏場のお弁当は注意点がたくさんあります。
弁当作りビギナーのために、衛生面でのアドバイスをいくつか紹介しましょう。
弁当は作ってから食べるまでに時間がかかります。
しかも保存状態もけっしていい条件ではないので、食中毒の発生に十分注意しなければなりません。
まず調理の前や盛り付ける前に、入念な手洗いを心がけましょう。
黄色ブドウ球菌の食中毒が多いので、おにぎりを作る前には、手荒れやおでき、傷がないこと確かめて下さい。常温で持ち運ぶときには、ラップでごはんを包むようにしておにぎりを作ると衛生的です。
冷蔵保存や食べる前に加熱することができない場合が多いのでしっかり加熱して、お弁当に細菌を残さないようにしなければなりません。
買ったばかりのものでも、カマボコや竹輪などの練り物は、そのまま入れずに必ず焼くか煮るかして入れるようにします。
食中毒菌は水分が多いほど繁殖しやすいので、食材はなるべく水分の少ないものを選び、煮詰めて水分を飛ばしておきましょう。
わさび、生姜、梅干など殺菌・抗菌効果のある食材を利用するのも効果的です。
昔々、ご飯の真ん中に梅干をのっけただけの弁当を日の丸弁当なんていっていましたが、ご飯を傷みにくくするための知恵でもありました。
ゆかりご飯なども同様で、紅ショウガを散らしたりするのも効果があります。
焼魚、唐揚げ、ハンバーグ、卵焼きなど中まで火が通ったかどうか、外見でわかりづらい物や、前日の残り物は十分に加熱する必要があります。
温かいうちにふたをしてしまうと、温度が下がりにくくなって細菌が増える好条件を作ることになります。
十分冷ましてからふたをして、可能なら冷蔵庫で保存しましょう。
常温保管するしかない場合でも、必ず陽があたらずに風通しのよいところに置いてください。
最近は冬場でも暖房が効いているので、室内に置いたお弁当はお昼を過ぎると傷んでしまうことがあります。
逆に夏場でも冷房が効いていているところは、戸外などに比べると傷みにくいので陽が当たらずに冷気の通るところに置くとよいでしょう。
しかし外気温が高い時節は、移動中に傷んでしまうことがあるので、食べる前にも十分注意が必要です。
できれば保冷剤と一緒に包んで持ち運ぶようにするとよいでしょう。