全国展開の中華料理レストラン・・・40年前とは様変わり
郷里を離れて初めて知った忘れられない味
学生時代、空腹を満たしてくれた思い出メニュー
大阪にある「餃子の王将」西中島店
今では全国で展開する「餃子の王将」は昭和42年京都での創業ですが、九州で生まれ育った私は大学生になるまで、その存在を知りませんでした。
初めて行ったのは京都市上京区の千本中立売にあったお店で、学生アパート探しのために友人や先輩を頼って京都に行ったときでした。
夕刻になって先輩が「メシ食いに行こう!」と誘ってくれたのは、鰻の寝床のような中華料理店。
正直言って、小奇麗なイメージは全くありませんでした。
注文を聞いた店員が「コーテル、リャンガー。ソーハン、イーガー。ホイコーロウ、イーガー。パイハン、イーガー」などと叫んでいます。
おっさんが餃子とビールを注文したら「コーテル、イーガー。ピーチュー、イー」と、また叫びます。
後になって「王将」は京阪神の各地にあって、餃子や炒飯や焼そばなどが安く食べられる店ということを知りましたが、何にも知らない私は、てっきり中国人がやっている店だと思ったものです。
そのとき、何をどうやって注文していいかわからなかった私は、先輩に「同じにしてください」と言いました。
先輩が店員に何か言うと、またまた大きな声で「ムースーロウ、リャンガー。パイハン、リャンガー!」と店員が厨房に向って言いました。
寒い日の夕方、初めて食べたのは「木須肉とライス」でした。そして「旨い」!と思いました。
40年前のこの日のこと、この時の味が、今でも忘れられません。
その後一人で行くようになっていろいろと食べてみましたが、一番数多く注文したのは「木須肉&ライス」でした。
バイトを終えて駆け込んだ大手筋(京都市伏見区)のお店で、よく「木須肉&ライス」で空腹を満たして、遅い電車に乗って帰ったものです。
ときどき懐かしさから、今でも「王将」に入ってメニューも見ずに「ムースーロー、小ライス」と注文することがあります。
すると多くの店員は、暫く間をおいて「あ、はい、肉と卵のいりつけですね」と確認します。店舗のメニューに「木須肉」とは書かれていません。
「木須肉」ってどういう意味なんでしょうか。
調べてみましたら木須(ムーシュー)とは、かきたま(掻き卵)のことで、店員に「肉と卵のいりつけ」と言われた意味が、やっとわかりました。
そんな「木須肉」ですが、関西で食べたときと関東とでは若干味付けが違うことに気づきました。
「王将」では、餃子の餡と皮はセントラルキッチン方式を採用していますが、その他のメニューに関してはオープンキッチン方式で、店長の裁量に任されてメニューの種類や味付けが店舗によって違うそうです。
東京・水道橋店の木須肉(左)と大阪・西中島店の木須肉(右)。
水道橋店で食べた2日後に関西出張があったので、西中島店で食べてみました。
どちらもご飯のおかずには美味しいと思いますが、明らかに水道橋店のほうが塩気がきついと感じます。
やはり関東と関西の、味の好みの違いによるものだと思います。
全国展開の「王将」は今や中華のファミレスという感じで、休日などは順番待ちの人が多く並んでいる光景も見かけます。
私自身が学生時代につつましやかな食事をしたお店という感じは、今は全くありません。
でも昔と変わらないあの看板を見ると、懐かしくなってときどき行きたくなります。
「餃子の王将」の話で、餃子のことに全く触れずにすみません。