「食わず嫌い」考~鯉料理初体験の記
「ケンミンショー」というTV番組を見ていると、こんなに狭い日本でも地方によって食文化が大きく違うことがよくわかります。
知らない土地に行って初めて食べるものって結構ありますが、見た目や臭いが気になって、こわごわ口にすることもありますよね。
最近は福岡でも見かけることはありませんが、私が子供の頃、毎朝早くに「おきゅーとー」というオジサンの売り声で目覚めたものです。
「おきゅうと」は海藻のエゴノリを煮固めたトコロテンのようなもので、福岡では誰もが知っている食品ですが、他県の人はあまりご存知ないようです。
関東に比べて西日本では納豆を食べる習慣が少ないことで知られています。
私も九州の地方都市で生まれ、納豆食文化に触れることなく大人になりました。
大学生になって友人が「毎朝、納豆でご飯を食べている」と話しているのを聞いて、甘納豆しか頭になかった私は「よくそんな気持ちの悪い食べ方をするね」と嘲笑したことを覚えています。
やがて納豆にめぐり会うのですが、プンと鼻につくあの臭いを受け入れられなくて口にしないまま30 歳頃まで納豆嫌いで通しました。
結婚間もない頃、家内が冷蔵庫に買って入れていたのを見て「こんな腐ったもの、冷蔵庫に入れるなよ」と文句を言ったくらいです。
その後、幼いわが娘から「お父さん、納豆食べられないんだ」と言われてドキリ。家内と娘たちは私がいない時に、しっかり納豆を食べていたのです。
そんなことを某Dr.に話しましたら「臭いが気になるなら、大根おろしに混ぜて食べてみたら」というアドバイスをいただきました。
大根おろしは好物なので、早速家族の前で納豆にチャレンジです。
家族が固唾を飲んで見守る前で、大根おろしと一緒に納豆をそっと口に運びます・・・旨いじゃないですか。臭いなんてちっとも気になりません。
やがて大根抜きでそのままでも、平気で食べられるようになりました。今では好物となって、家では毎朝食べています。
親の嗜好の影響もあって、わが家では納豆同様に子供の頃から川魚を食べる習慣がなく、長じて鮎や鰻を食べることはありますが、川魚というと「口に合わない」と決め込んで遠慮していました。
学生時代、交通事故で京都伏見の病院に入院していた時、毎日加害者の母親が「これ食べて、早う元気になっておくれやす」と鯉の洗いを差し入れてくれましたが、一度も食べませんでした。
この夏、鹿児島と指宿を訪ねました。親しくしているN 夫妻が指宿から鹿児島空港まで送ってくださいましたが、昼食をご馳走していただけることになり「鯉料理は大丈夫ですよね」と言われて、私と家内は目を合わせて一瞬「どうしよう」という顔をしました。
「嫌いですか」と再び尋ねられて「いや、あの、あんまり川魚は食べないもので・・・」としどろもどろの回答しかできませんでした。
「水が違いますから。全然臭くないですよ・・・」と連れて行っていただいたのが霧島市にある竹川峡というところ。鯉の洗いにあんかけ、鯉こくにマスの塩焼き・・・次々と出てきました。
ソーメンやおむすびもありましたが、お腹いっぱいでとても食べきれません。
初めて口にした鯉の洗い・・・酢味噌でいただきましたが身がしまっていておいしかったです。
1 匹まるごと唐揚げにしたあんかけも旨かったです。
「食わず嫌い」とはかくなるものかと実感しました。
鯉の洗い…酢味噌で頂きました
鯉のあんかけ…甘酢のあんがたっぷり
マスの塩焼きも美味でした。
ブログを開設して以来、少しずつこれまでダメだったものに挑戦しています。
モツ系が苦手でしたが、モツ煮込みなどは食べられるようになりました。
野田佳彦新総理が「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよな」という相田みつおの詩を演説に取りいれて、民主党の代表選挙に勝利しました。
それ以来ドジョウが一躍脚光を浴びています。
かつて水戸で会食した折「これ食ってみろ、うめえから」と言われ、ドジョウの丸煮なるものを一口食べたことがあります。
口に入れた途端、その臭いや食感が全く受け入れられずにマイッタをした経験があります。
ドジョウだけは「食わず嫌い」ではなく、からきしダメです。
