気まぐれ厨房「親父亭」落語編③~そば | 気まぐれ厨房「親父亭」

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落語に見る食の風景③~「そば」


BENのブログ 長野・たなぼた庵の中盛せいろ

このボリュームで600円、しかも旨い(H23.7月現在)


新そば」というポスターを見かけるようになりました。 
蕎麦(そば)は古くから日本の食文化との関わりが深く、縄文時代から食べられていたそうです。
他の穀類と比べてたんぱく質の栄養価が高く、体脂肪の蓄積を抑制する作用があるといわれますので、生活習慣病やその予備軍の人たちにはおススメです。
低カロリーで消化がいいのも特徴で、おそばを食べるとすぐにお腹がすくのはそのせいです。
そばは土地がやせていても栽培できるので、飢饉に備えた雑穀として主に農民が食べるもので、かつては上流階級が口にすることはほとんどありませんでした。
もともとそば粉を練った「そばがき」として食べられていて、麺状の「そばきり」が一般的になったのは江戸初期からといわれています。
各地に有名なそばがありますが、茶そばや海草を練りこんだ越後のへぎそばなどもあります。
ソーキそばで有名な沖縄そばは、そば粉を使っていませんのでこの部類には入りません。
BENのブログ 蕎麦打ち・・・長野県、上田の「草笛」にて


「二八そば」とよくいいますが、そば粉が8割うどん粉2割で作られたからというのと、2x8=16文だったからというの2説があります。
幕末までそば1杯が16文だったといわれ、有名な「時そば」という落語では、この16文説が背景にあります。

屋台のそば屋に「しっぽく」を注文してから食べるまで、ぺらぺらとしゃべりまくり褒めちぎり、すっかり持ち上げておいて、さあ勘定ということに。
「いくらだい、十六文か。銭は細かいけどいいかい」「へえ、結構でございます」
「それじゃあ、ひい、ふう、みい、・・・なな、や」と数えてから唐突に「今、何刻(なんどき)だ」とそば屋に尋ねます。
「へい九つで」・・・「十、十一、十二・・・十六」とちゃっかり1文かすめました。
脇でそれを見ていたのが、ボーッとしておめでたい江戸っ子で、「うまいことやりやがったな。俺もやってやろう」ということに。
翌日、おめでたいその男は小銭を用意して、早くから出かけました。
出くわしたそば屋で、前夜の男同様にべんちゃらを並べますが、出てくるのは遅いし、箸は使い回しで先が汚れ、器も汚く欠け、食べるとつゆがしょっぱくて、麺はぐちゃぐちゃ・・・。
とても褒められる代物ではありません。我慢をして食べ、いざ勘定となると、とたんに笑みを浮かべます。
「それでは、ひい、ふう、みい、・・・なな、や」と数えて「今、何刻だ」、「へい四つです」「いつ、むう、なな・・・」と損をしてしまいます。
この噺はもともと上方落語の「時うどん」というものでしたが、東京に来て「時そば」に変えられました。大阪のうどん文化に対して、東京のそば文化というのがよくわかります。

この話のポイントは、江戸時代の時(刻)の数え方にあります。

暮れ六つ(午後6時)から五つ(8時)四つ(10時)そしてその次が九つ(午前0時)となることを理解していると、サゲの飲みこみが早いと思います。


江戸落語では他にも「そば清」や「疝気の虫」など、背景にそばが重要な役割をする噺があります。
噺家が高座で、扇子を箸にしてズズズーッと音をたててそばを口にする演技を見た後は、決まってそばが食べたくなるものです。
そばは香りや舌触り、喉越しを楽しむものだということでつゆではなく、水や塩で食べるのを奨めるそば屋もあるとか。
江戸っ子がもりそばを食べる時、そばをすっかりつゆに浸けるのは粋じゃないといわれています。
今わの際にに「お前さん、何か言い残すことは」と言うと声も切れ切れに「一度でいいからつゆをたっぷりつけてそばが食いたかった・・・」と言うなんて笑い話があるくらいです。


10年ほど前まで、自分でそばを打っていましたが、最近は蕎麦屋を訪ねて味わう側に回りました。
前述したようにかつては救荒食物として植えられていたものでしたから庶民の食べ物だと思いきや、最近はやけに高級というか、量が極めて少なく値段は他所よりも高いという高級そば屋があちこちにあります。
正直言って、格式高いお店は遠慮したくなります。

その証拠に、B-1グランプリには焼きそばはありますが、もりそばが出場したというのはあまり聞きませんよね。

BENのブログ ここは旨いと評判で行列の店。

でも、600円のもりそばが三口くらいしかありません・・・(H23.1月)


BENのブログ 神田・河北やの肉そば(冷)

肉といっても鶏肉です。冬でも冷がおススメ。380円で旨い。(H23.9月現在)


BENのブログ 深大寺で食べたにしんそば。

京都とはつゆの濃さや味が違いますが・・・学生時代を思い出しました。


BENのブログ 江戸川・矢内の鴨せいろ。

これで中盛・・・ボリューム満点です。麺がちょっと太めでした。


<付録>

食べた後にそば湯を飲む風習は江戸元禄の頃からだといわれています。
そば湯にはそば粉と打ち粉の栄養分が溶け込んでいて、 そば湯を飲むだけでも健康によいといわれています。

~そば湯割り~
最近、焼酎をそば湯で割って飲むという乙な飲み方が流行っています。
家庭でそばを茹でる機会はあまりないので、そば粉を買ってきてそば湯だけを作ってみてはいかがでしょうか。
水200ccに対してそば粉15gをお鍋に入れて火をつけ、玉にならないようによくかき混ぜながら沸騰したら出来上がりです。