今年のゴールデンウイークにご訪問者様を迎えてプルメリアのダルマ落としを実演しました。
意外とこのダルマ落としですが、質問や実演見学希望が多い項目なのです。
なので…皆さんへ参加を呼びかけさせて頂きました。
「ダルマ落とし!」とは、勝手に親爺が呼んでいるだけで、日本に昔からある遊びで「ダルマ落とし」のようなので勝手にそう呼んでいます。
今回は3名の方のご参加を頂き4月29日に「劇団・親爺?」を開演しました?
今年の親爺農園ではダルマ落とししなければならない株がたくさんあり手に負えない状態なのです。
今回の実演株は、こちらのバリ島メラジュプン接木株7年選手を選びました。
既に2m10cmを超えて温室内に収納するのが大変な状態です。
この株は2017年に真赤な枝をバリ島から持ち帰った時にセラダイン実生株に接いで育てていた物です。
(成田植物税関承認済み)
花が咲くまでに3年は掛かってしまいましたが、一度咲いてからは1~2年に一度咲いてくれるようになりました。
ですので、株元で一度接いだ後があります。
今回は接ぐ位置をどこにしようか?
緑色のテープの場所でカットしようと考えています。
①の部分がベースで、②の場所と接ぐのが一般的ですが、上の部分が未だ高いので今回は③の部分と①の部分で接いでいきます。
余った枝は来園者へのお土産です。
幹が細くて一般的に接木する参考となる細さ?のようで参考には良い株と思われます。
完成です、1m10cmまで抑えることができました。
丁度1m切り取った結果となりました。
ダルマ落とし親爺流手順は、
#1:先ずは①の部分をなるべく水平にカットします。
#2:その後③の部分をカットします。(後でもOK)
#3:次に①のカットした部分をV字に切れ込みを入れます。
#4:③の枝をカットしたV字に合わせてどのように接ぐのか確認します。
#5:③の枝を①のV字に合わせてV字にカットします。
#6:①と③の組み合わせを調整します。 ピッタリ合えば最高です!
#7:脇に鉄心を2本添わせて下側をゴムタイで留めます。
#8:上側の枝を同様にゴムタイで留めて形作ります。
#9:下に押し付けるようにゴムロープで鉢の淵や排水スリットを介して圧力を掛けます。
必ず2本で密着するようにバランスを取ります。(これ一番重要)
#10:不安定と思われる場合は、支柱などで別の部分を固定して動かないようにします。
これで雨の当らない場所に置いて1か月放置後、接合部分が黒ずんでいないか?
枝先に変化が出ているか?を確認します。
接合部が黒ずんでいたり、濡れていたり、枝先が動いていない場合は接木が失敗している状況なので、よく確認してダメであれば上下5cmぐらいを切り落とし再度接木する必要があります。
作業全体の時間が短い方が成功率は高いです。
ご注意いただきたいのは、
V字接合面の中に「切かす」を入れない事
接合面に隙間が多くある事
ゴムロープの圧力が強すぎる事
上の枝がグラグラ安定しない事
雨に当てる事
完全に接合するまで鉄心&ロープは外さない事
接合が成功後に移動させる時は必ず株元を持つ事
1年以上経たないと接合面が完全に付きませんので簡単にポキッと折れてしまいます。
花が咲くまでには3年近く掛かります。(株による)
こちらのYouTubeに当日来てくれた方が撮影してくれた動画がありますので参考までに。
成功する秘訣は
・・・プルメリアの幹をカットする勇気です!