Bella Italia

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食、オペラ、美術、歴史、映画、そして人。
魅力満載の国、イタリアを綴ります。

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第9回イタリアオペラツアー、7/1[土]ヴェローナ野外劇場"リゴレット"のカーテンコールです。

 

写真中央が、タイトルロールを歌ったエンクバット。

1986年生れ、当時31歳の新進気鋭のバリトンでした。

 

今ではミラノ.スカラ座、メトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ロイヤルオペラ、パリ.オペラ座、世界5大歌劇場からオファーの絶えない歌手となりました。

 

昨年9月ローマ歌劇場来日公演で初来日し、「椿姫」のジェルモン役で圧倒的美声を披露したことも記憶に新しいです。

 

この時の公演では、ブルカリアの名花エレーナ.モシュクのジルダを相手に、第2幕フィナーレの二重唱"Si, vendetta!"(そうだ、復讐だ)で観客の拍手に応えて、Bis(アンコール)してくれました。

最後にバリトンはAs(ラ♭)、ソプラノはハイEs(ミ♭)、共に最高音を出すので至難の二重唱といわれ、Bisに応えてくれることで有名だったヌッチ以外は、簡単にアンコールしない(できない)難曲。

 

その二重唱を、エンクバットがbisを飛び越え、tris(3度のアンコール)している映像を最近Youtubeで見つけました。

 

"El triplete de Amartuvshin Enkhbat"で検索されると、ビルバオ.オペラの映像が出てきます。

 

演出が少し?なので、一度目を歌い終えた後、2回目と3回目はカーテン前で二人で歌うので、より集中して見ることができます。

二度までは、2013年ミラノ.スカラ座来日公演"リゴレット"のレオ.ヌッチで観ていて、映像でもParma Regio劇場2008年のDVD

(同じくヌッチ)で見ていますが、3回は初めてです。

 

驚くべきは、1回目から2回目、2回目から3回目へと声が衰えそうなものですが、全くそういう様子でないこと。

歌い盛りのモンゴル人バリトン、エンクバット。

恐るべき実力です。

 

ご興味ございましたら、ご覧になられてみて下さい。

 

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第9回イタリアオペラツアー、7/2[日]ヴェネツィア.フェニーチェ劇場"夢遊病の女"の開演前です。

 

二度の火災から不死鳥(Fenice)のように蘇ったTeatro Fenice di Venezia。

"世界一美しい歌劇場"といわれます。

 

座席数900。音響も良く、劇場のいかめしさはなく、どこか愛らしさを感じさせる佇まい。

昔はgondolaで直接劇場に貴族が乗りつけ、鑑賞していたなど、劇場内部見学の時に話を聞きました。

 

Verdiともゆかりが深く、"椿姫"、"リゴレット"、"アッティラ"等いくつかのオペラが、ここFeniceで初演されています。

 

毎年2日にRai(イタリア国営放送)で生中継されるのがFenice劇場での、concerto di capodanno(ニューイヤーコンサート)。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートとは違い、オペラの国イタリアなので、歌手が2~3人選ばれ、合唱曲、バレエも加わり

新年に華を添えます。

 

2024年はPuccini没後100年のメモリアルイアー。

指揮者に現NHK交響楽団首席指揮者のファビオ.ルイージ(3回目の登場)を迎え、華やかに行われました。

その映像が、Youtubeで、"Concerto di capodnno la fenice 2024"で検索されると、出てきます。

 

指揮: ファビオ.ルイージ

テノール: ファビオ.サルトーリ

ソプラノ: エレオノーラ.ブッラート

スカラ座の看板テノールの一人サルトーリと、世界の歌劇場で大活躍のブッラート、そしてルイージのオールイタリア人cast。

 

1. 合唱曲     ヴェルディ "二人のフォスカリ"

2. 間奏曲   プッチーニ "マノン.レスコー"

3. アリア "星はきらめき"  プッチーニ "トスカ"

4. アリア "歌に生き、恋に生き"         "トスカ"

5. 合唱曲 "闘牛士の合唱"  ヴェルディ "椿姫"

6. イタリア映画音楽アレンジ

7. ハミングコーラス  プッチーニ "蝶々夫人"

8. アリア "ある晴れた日に"     "蝶々夫人"

9. アリア "誰も寝てはならぬ"   "トゥーランドット"

10. バレエ音楽 "時の踊り" ポンキエッリ "ジョコンダ"

11. 合唱曲 "行け、我が想いよ"  ヴェルディ "ナブッコ"

12. フィナーレ   プッチーニ "トゥーランドット"

13. 二重唱 "乾杯の歌"  ヴェルディ "椿姫"

 

Veneziaを舞台としたオペラ"二人のフォスカリ"の開幕の合唱に始まり、定番の"ナブッコ"合唱曲(イタリア第二の国歌)と"乾杯の歌"。

それ以外の曲も全てオペラにまつわる曲。

特にメモリアルのプッチーニの曲が多いのが今年の大きな選曲の特徴です。

これだけオペラの曲ばかり並んだのは、記憶にはありません。

 

キャスティングと選曲。

オールイタリアが感じられるプログラム。

ご興味ございましたら、映し出される"世界一美しい劇場"や、Veneziaの街並みと共にご覧になられてみて下さい。

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第12回イタリアオペラツアー、10/31[火]パレルモ.マッシモ劇場"ドン.ジョヴァンニ"です。

 

写真は、現在最高のオペラ指揮者、リッカルド.ムーティ。

 

Mutiは一年に一度だけ、歌劇場でオペラを指揮しますが、その機会がこの公演でした。

前回のblogで書いた、カターニャ.ベッリーニ劇場での"連隊の娘"と、映画"ゴッドファーザー"の舞台ともなったマッシモ劇場。

2つのシチリアの有名歌劇場でオペラ鑑賞して頂くのが、今回のツアーのメインでした。

 

チケット前売りは、前月の9月。

その日を待ち構えて、オンラインでチケット購入しようとすると、案の定、凄い勢いでどんどんチケットがなくなっていくのが、ネット上で分りました。

 

いつもなら沢山の枚数単位で取れるのですが、この日は2枚ずつ、三回手続きし6枚取ったところで"あなたのコンピューターでは規定枚数に達しました"と表示されたので、翌日生徒さんに連絡を取り、事情を説明して、その方のお家に寄せて頂いて、お名前をお借りして入力し、三枚手配できた所で、"あなたのコンピューターで24h以内はチケット購入できません"の表示が出ました。

 

ひょっとすると、自分のコンピューターもアクセスから24h経ったら出来るかもと思って、やってみると3枚取れ、12枚の人数分のチケットがpalco(桟敷席)1列目で手配できました。

 

桟敷席2列目からは、前に座っている人の頭が邪魔になりよく見えないので、1列目を確保する必要がありました。

翌日コンピューターで残券をチェックすると、皆考える事は同じで、残っているのは桟敷席2列目以降だったので、ギリギリセーフのタイミングでした。

 

急遽のお願いにも関わらず、快くコンピューターとお名前を使わせて頂いた生徒さんには大感謝でしたし、公演の様子はまたblogでお伝えさせて頂きますが、鑑賞された参加者の方々が座席をとても喜んで下さったのが、何よりでした。

 

来年2025年ウィーンフィル.ニューイヤーコンサートの指揮者に決まったリッカルド.ムーティ。

1941年7月生れなので、この時82歳。

今後Mutiの指揮するオペラを歌劇場で舞台セット付公演で観れる機会は、もうないかもしれないと思い企画したオペラツアーだったので、本当によかったです。

 

年が明け、2024年は、Verdiと並ぶイタリアの作曲家プッチーニ没後100年のメモリアルイアー。

新国立劇場デジタルシアターでは、~6/15(土)まで、プッチーニの"修道女アンジェリカ"を無料配信しています。(日本語字幕付)

 

指揮: 沼尻竜典

アンジェリカ: キアーラ.イゾットン

 

ネットで新国立劇場で検索されても、以下のサイト

https://www.nntt.jac.go.jp/stream/

で検索されても、出てきます。

 

ミラノ.スカラ座でもPucciniの諸役を歌っているイゾットンが、熱唱しています。

 

今年2024年という年は、今まで以上にPucciniのオペラを意識して観たり、聴いたりできればいいのではと思ったりしています。

ご興味ございましたら、ご覧になられてみて下さい。

 

 

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第12回イタリアオペラツアー、10/28[土]カターニャ.ベッリーニ劇場"連隊の娘"です。

 

写真は、第1幕トニオのアリア"今日は何て楽しい日"。

"キング.オブ.ハイC"といわれたパヴァロッティが、30代前半でこのアリア(ハイCが9回出てくる)を見事歌い、一躍世界のスターダムを駆け上がった、テノールで一番至難なアリア。

 

10/20日~28日に行われた最終日に、私達はカターニャ.ベッリーニ劇場で鑑賞しました。

シチリアでオペラハウスといえば、映画"ゴッド.ファーザー"の舞台となったパレルモ.マッシモ劇場が有名ですが、このベッリーニ劇場も特別なオペラハウス。

 

世界一年間予約券購入者が多い為、一般にチケットが売り出される数が限られている為、世界一チケット入手が困難な劇場。

カルーソのすぐ後に登場し、甘くとろける美声で世界中の歌劇場を席巻したベニャミーノ.ジーリが"il migliore acustico del mondo"(世界で一番音響の良い歌劇場)と語ったことから、"世界で一番音響の良い歌劇場"といわれるようになりました。

 

音響の良さについては、またblogでお伝えさせて頂くこととして、この最終日公演について。

タイトルロールのマリーがトリプルキャスト、トニオがダブルキャストだったので、A キャストになる日を選び、後日blogで報告させて頂く、パレルモ.マッシモ劇場の公演と組み合わせました。

 

観光客は私達グループ以外には見当たらず、全員地元の年間予約券購入者の年配の方々。

地元の社交場の様相を呈していました。

そのような経験も、ミラノ.スカラ座やメトロポリタン歌劇場では体験できないので、貴重な経験の一つとして記憶に刻まれることになりました。

 

トニオ役を歌ったアメリカのテノール、ジョン.オズボーンはこの役を得意とし、このアリアをbis(アンコール)することで有名な歌手。第1幕のこのアリアに、期待が高まりました。

 

いよいよそのアリア。このアリアが得意のようで、ハイCのみならず、装飾を付けてハイD(レ)も入れながら、見事ハイC9回のアリアを歌いきりました。

すると、loggione(天井桟敷)から、"Bis!" "Bis!"(アンコール)の連呼。

拍手に応えている間、少し身体を休めて、アンコール開始。

やはりハイD(レ)の装飾を入れながらハイC9回を歌い、合計18回のハイC。

 

隣で聴いていたsignore(ご婦人方)も、"Quello e` molto famoso del mondo su do di petto"(このテノールは世界で有名なハイCのテノールよ)と言いながら拍手し、ご満悦の様子。

 

Youtubeで、"La fille du regiment teatro bellini di Catania 2023"で検索されると、10月26日の公演の演奏がいくつか出てきます。

この日は私達が観たcastではなく、トニオはB、マリーはCキャストですが、トニオ役のValerio Borgioniも何と、bisに応え、18回ハイCを出しています。

他にマリーの第1幕のアリア"連隊の歌"、"さようなら皆さん"、第2幕のアリア"私にはどうでもいいことよ"、"わが祖国万歳"を

Federica Forestaが歌っています。

 

演出は今年生誕100周年、世紀の名演出家フランコ.ゼッフィレッリが1959年ミラノスカラ座で演出した舞台。

この舞台が観れるのは、現在シチリアの歌劇場だけ。

フランスのトリコロール(三色旗)を綺麗に取り入れた舞台衣裳なども美しく、Zeffirelliの匠の業です。

 

ご興味ございましたら、少し入力文字が多いですが、検索されてみて下さい。

 

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第11回ウィーン.ザルツブルクオペラツアー、5/19[日]ウィーン散策です。

 

写真は、ウィーンの"モーツァルトハウス"。

この日午前は、数多くの作曲家が眠る中央墓地に行く前に、ガイドさんがシュテファン寺院まで行く道すがら、オペラにまつわる場所(主にモーツァルト)をいくつか案内して下さり、そぞろ歩きしました。

 

通称"フィガロハウス"ともいわれ、名作「フィガロの結婚」を作曲し、妻コンスタンツェと結婚し、子供をもうけ、一番幸せだった時期といわれるモーツァルト。

ウイーンには10軒の家があったようですが(引越のため)、現存するのはこの"モーツァルトハウス"のみ。

 

この時のツアーでは、生地ザルツブルクで"モーツァルトの生家"と、"モーツァルトの住居"を訪れたので、ウィーンでは観光に入れなかったので、入場はしませんでしたが、このように案内して頂き、ありがたかったです。

 

新国立劇場が時折無料配信を行っているデジタルシアターで、モーツァルトのオペラ"ドン.ジョヴァンニ"が、10/13~12/7まで無料で視聴できます。

https://www.nntt.jac.go.jp

もしくは、ネットで"新国立劇場"で検索されると、出てきます。

 

2022年12月公演 (アサガロフ演出)

指揮: パオロ.オルミ

ジョヴァンニ: シモーネ.アルベルギーニ

レポレッロ:   レナート.ドルチーニ

ドンナ.アンナ: ミルト.パパタナシュ

オッタ―ヴィオ: レオナルド.コルテッラッツィ

エルヴィーラ:  セレーナ.マルフィ

 

アサガロフのオーソドックスな舞台に、オルミの手堅いタクト。

何よりレポレッロのドルチーニが従者役にピタリとはまり、ドラマを引っ張ります。

タイトルロールのアルベルギーニも、舞台経験からさすがの貫禄。しっかりと聴かせます。

オッタ―ヴィオのコルテッラッツィのリリカルな声。

歌える歌手を沢山必要とするオペラ、上演にあたり、歌手を揃える重要性を再認識します。

 

人気ナンバーが数多くあり、それ故の難しさもありますが、やはり天才モーツァルトの書いた音楽は美しく、いつ聴いても心地良く体に入ってきます。

 

過去のオペラツアーに行った時にガイドさんから聞きましたが、モーツァルトは一度五線譜に書いた音符は、二度と書き直さなかったようです。

今私たちが聴いているモーツァルト全作品は、彼の頭の中にメロディーが浮かび、舞い降り、苦も無くスコアに記し、音となって奏でられ、人々を感動させています。

やはり、天才といわれるに相応しい唯一無二の作曲家だと思います。

 

ご興味ございましたら、上記の配信ご覧になられてみて下さい。