―  第四章  「失神寸前??」  ―


こうちゃんの情報によると、


■木村先輩データ
・バンドを組んでいてギターをやってる
・バトミントン部に所属
・おちゃらけキャラ
・趣味はスノボー


ということらしい。


「とりあえず、二人を会わせないことには話が進まないよね~」


香菜が言った。


「そうだなぁ。いつのタイミングがいいかねぇ?」


「やっぱし、イベントの時がいいでしょ?


 これからあるイベントって言ったら、球技大会、文化祭、体育祭・・」


ピロロロロ~~ピロピロピ~~


誰かのケータイが鳴った。


「あ、ゴメン、オレだ」


「!!!木村からだよ!!」


ケータイを見たこうちゃんが興奮気味に言った。


「マジで~~~~~~~!!!!!!」


別に私には関係ないことなのに、あたかも自分のケータイに木村先輩からTELが来たかのように


胸が高鳴り、一気に血圧が上がったような感じがした。


「ここに呼んじゃえばいいじゃん!!それがいいよ!今がそのタイミングだよっっ!」


いつも冷静な智子が少し興奮気味に言った。


「それがいい★そうしよう!こうちゃん!!」


香菜も目を輝かせてこうちゃんに言った。


「OK!んじゃ出るよ!」


私はもぅ、失神寸前!!


ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン



く、口から心臓が飛び出す!!!


「もしもし~キム??どうした??」


「うん・・・、あぁ、別にいつでもいいよ。うん。そうだねぇ~。


 はい、はい。ってか、今どこ?」


「あっそうなんだぁ~」


こうちゃんが私をチラっと意地悪っぽく見た。


「今彼女と彼女の友達とファミレスにいるんだけど、キムも来いよ!」


ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン・ドッキン



もぅ、どうしよう~~~!!


も、も、も、もし、木村先輩がココに来たら・・・!


私は何を話したらいいの???


ど、どうしよう!どうしよう!どうしよう~~~~~!!!




私の頭はパンク寸前だった。

―  第三章  「協力者」  ―




「なるほどねぇ~。奈央ちゃんはキムみたいのがタイプだったのかぁ~」


こうちゃんは、腕を組んで少し顔をしかめて言った。


「何で?何か問題でも??あ、やっぱり彼女・・・いる・・・よね・・・。」


私は恐る恐る言った。


「いやぁ、それはないと思うけど。でも、オレにできることは協力するよ!」


こうちゃんは何か含んだような言い方で言った。


「・・・何かあるの?」


智子が心配そうにこうちゃんに言った。


「いや、何かあるって訳じゃないけど、アイツ、彼女とかの話したことないし、


 あんまり女関係の話とか聞かないから、どうなのかなと思っただけ。」


「・・・・・。」


「もしかして、ソッチ系とか?」


愛がニヤニヤしながら言った。


「!!!???そっち系って・・・あっち系???」


「愛~。そうやって奈央をいじめないの!」


智子が言った。


「だって奈央いじめると面白いんだもん~♪」


愛はいつも私をからかって楽しんでいた。


「いやいや、それはないでしょ(笑)。今度それとなく聞いてみるよ!」


「よろしくお願いしますっっ!先輩っっ!!」


「おう!任せとけっ!!」


こうちゃんは得意げに胸を張って言った。

―  第二章  「ひとめぼれ」  ―




彼は女子の制服を着て、前髪をちょんまげみたいに縛って、


曲に合わせて踊っていた。


舞台の右から左まで走って、何かをしゃべっていた。


何をしゃべっていたかは思い出せない。


ただただ、私は彼を目で追っていた。


身体に電撃が走ったみたいだった。


体中の血が一気に駆け巡り、今まで聞いたこともないような大きな音で


心臓がドキドキしていた。




「はぅ、、こうちゃん、かっちょいい★」


「香菜っ!!!あの、ちょんまげ誰???」


香菜の腕をひっぱり、私は聞いた。


「え??あ、あぁ、あれは確か木村先輩じゃないかな?
 こうちゃんと何度か話したことあるけど・・・。何で?」





木 ・ 村 ・ 先 ・ 輩 ・・・。






「ちょっと、奈央どうしたの??」


「ヤバイ、奈央目がイッっちゃってる・・・」





あの瞬間から、私の「日常」は「非日常」に変わった。