あなたと初めてであったのは、高校2年になったばかりの春。
童顔で、少し猫背な、1つ年上のあなた。
これはまさしく一目ぼれ。
あの日から、私の時計は止まったまま。
― 第一章 「プロローグ」 ―
入学式が終わって、私たちも高校2年になった。
2クラスしかない私たちは、2年になってもほとんどが同じクラスで、
学年が変わったこと意外は何も変わらなかった。
その日も、いつもと変わらない「日常」だった。
昼休みが終わり、新入生歓迎会のため、私たちは体育館に行った。
皆、それぞれのクラスの出し物の最終練習をしていた。
私たちはそれを横目に、いつものように放課後どこに遊びに行くか話していた。
放課後は渋谷か、カラオケか、ファミレスに行くのが私たちの日課だった。
「とりあえず、渋谷でよくない?その後は適当に考えようよ」
最終的に話をまとめるのはいつも智子だった。
「んじゃまぁ、そんな感じで。適当に~」
私と愛はいつも智子任せだった。
「香菜は行かないでしょ?」
「うん。私はデートだから♪」
私たち4人の中で唯一彼氏持ちなのが香菜だった。
香菜は1つ上の陸上部の先輩と2月頃から付き合い始めた。
「香菜はいいよなぁ~彼氏がいて。奈央も彼氏欲しいなぁ~」
「奈央は選びすぎなんだよ~」
私は元彼と別れて早1年。
別に、香菜が言うように選んでるわけではない。
ただ、妥協したくないだけ。
元彼は押しの強さに負けて付き合ったが、結局1ヶ月で破局。
彼氏は欲しいけど、それよりも今は友達と遊んでいた方が楽しい。
「今日こそは彼をゲットするぞ!!」
「はいはい、また愛の病気がはじまった・・・」
愛は彼氏と別れて1週間。熱しやすく冷めやすい性格で、
彼氏と1ヶ月以上続いたことはなかった。
今はカラオケ店のスタッフに夢中だった。
《 それではこれから新入生歓迎会を始めます。 》
生徒会長の挨拶があり、歓迎会が始まった。
私たちのクラスの出し物が終わり、一息ついていると、
「あ、次こうちゃんのクラスだよ!」
香菜が目を輝かせて私たちに言った。
「あぁ、はいはい・・・」
香菜は、もう彼氏にべた惚れで、彼氏に釘付けになっていた。
「もぅ、こうちゃんが頑張ってるんだから、ちゃんと見てよ!」
仕方なく舞台に目をやると、そこに彼はいた・・・
私は彼から目が離せなくなった。