―  第二章  「ひとめぼれ」  ―




彼は女子の制服を着て、前髪をちょんまげみたいに縛って、


曲に合わせて踊っていた。


舞台の右から左まで走って、何かをしゃべっていた。


何をしゃべっていたかは思い出せない。


ただただ、私は彼を目で追っていた。


身体に電撃が走ったみたいだった。


体中の血が一気に駆け巡り、今まで聞いたこともないような大きな音で


心臓がドキドキしていた。




「はぅ、、こうちゃん、かっちょいい★」


「香菜っ!!!あの、ちょんまげ誰???」


香菜の腕をひっぱり、私は聞いた。


「え??あ、あぁ、あれは確か木村先輩じゃないかな?
 こうちゃんと何度か話したことあるけど・・・。何で?」





木 ・ 村 ・ 先 ・ 輩 ・・・。






「ちょっと、奈央どうしたの??」


「ヤバイ、奈央目がイッっちゃってる・・・」





あの瞬間から、私の「日常」は「非日常」に変わった。