日没の一時間前。
ことり達は忙しなく、師匠の庭からひまわりの種をどこかへ運んで行く。
ある時は、洗濯物干の支柱の根元にたくさんの種を隠してあった。
一粒づつ運んでは隠し、隠しては運ぶ。
この効率の悪い営みをいつまでも見ていられるのはなぜだろう。
世の中が便利になっても、心の苦しさと心地良さは変わらない。
不安をベースに賢くなって未来をコントロールしたい。
忘れっぽさと愚かさで身体は生々しい。
堂々巡りの季節こそ、奇跡的な瞬間だ。
芽吹く種と、新しい命に生まれ変わる種。
春は命の躍動でより一層、色濃くなる。
空は高く伸びていく。
時間が増えていく。
ことりたちのメロディアスな旋律を皮切りにして。
