背徳の味 | 想像と創造の毎日

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写真は注釈がない限り、
自分で撮影しております。


  生の川エビをもらった。
  まだ生きていて、ボウルからピチピチと飛び出す。
  火を通す前のエビは灰色で、虫のようだ。
  ざっとザルに上げてゴミを摘んでいると時々、ザザムシやタガメのような平べったくてデカい虫が混じっていていちいちビビる。
  ザザムシは、前に焚き火で焼いて食べたことがあるし、実際長野県では、佃煮や唐揚げで食べられているようだ。
  ならば、別にエビと同じ扱いでいいのか?と思いつつ、毛虫のような風貌に嫌悪感が拭い切れず、申し訳なく思いつつ、避けた。
  タガメも昆虫食界隈では有名で、東南アジアでは高級食材だそうだ。
  これも揚げて食べられそうだが、本当にタガメなのかわからないし、あまりにも大きい虫で食べる勇気が出ないので、外に放した。



  エビは良くて、ザザムシとタガメは無理。
  これらは、私の文化では食べ物とは認識されていない。
  これは、差別だろうか?
  なんだか、罪悪感に苛まれる。



  差別は無知から生まれる。
  ゴールデンカムイで、アシㇼパさんの父であるウイルクが言っていた。
  ふと、職場を引っ掻き回していった人達のことを思い出した。
  わがままは、自己肯定感の低さと心の傷にある。
  それを知っていたはずなのに、私には何もできなかったな。


  生きたままのエビを油の中に投入することも、ちょっとした勇気がいった。

  パチパチと油が飛び散って、みるみる灰色は赤く変化していく。

  塩を振って、食すると、口の中が殻でザワザワと騒がしいながらも、エビの濃い旨味が染み渡る。


  それを更にマヨネーズやら練乳やら、チリパウダーやらを加えて、川エビのマヨネーズ和えにして、更にカロリーアップさせるという愚行。


  これがまた、美味い。

  色んな意味で、背徳の味である。