海老と虫のあいだ | 想像と創造の毎日

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写真は注釈がない限り、
自分で撮影しております。

  スジエビをもらった。

  まだ生きていて、ザルから飛び跳ねる。



  シンクの中で生きたエビを洗っていると、食べ物を調理するはずなのに、ペットを扱っている気分になって戸惑う。


  ゴミを取り除いているうちにお呼びでないお客様が紛れ込んでいてビビる。




  ウキゴリ?ヨコエビ?タガメ??

  この愉快な(?)仲間たちに紛れているとエビたちは、ますます食べ物に見えなくなってくる。


  というよりも、もはや虫である。

  生の状態の色や殻の質感、そしてこの大きさは、虫でしかない。


  しばし、エビたちと戯れて(ボウルの中に水を張って泳がせる)から、意を決してジップロックに入れ、冷凍庫へ投入した。


  まだ生きているのに…生きたままで!!




  少量をフライパンで乾煎りする。

  鮮やかな朱色と香ばしい香りで彼らは、ようやく食物となって認識させる。



  醤油と砂糖で煮詰めて、佃煮にした。


  ヒゲと殻が口に残って邪魔くさい。

  でも風味は確かにエビなのだ。


  川エビの類を食べるといつも複雑な気持ちになる。


  小さなエビは、"海老"ではなく、"蝦"と書くそうだ。


  字面からして、海老と虫のあいだにも見えた。