思えばこの家でたったひとりで
一晩を過ごすことは、
初めてだったことに気付く。
私にあまり懐かないぴーちゃんは、
仕方がないなというふうに
仕切りに私を呼んでいる。
外に出すと私の肩に乗り、
歌を歌ったり、
気に入らないと
顔をつついてくる。
一人分のご飯を作ることが
こんなに面倒なものだとは
知らなかった。
それでも、習慣的に
何かを作らなくてはと
思う。
コンビニのお弁当でいいかな。
そんな考えも一瞬よぎったけれど、
なんとなく、食べたいものが
見つからないような気がした。
友達が遊びに来ないか?と
誘う。
私は行かない。と断る。
眠たくないけど、
眠たいんだと言う。
心の中で小さな嘘をつく。
めんどくさいとは言えないんだ。
プレステを起動して、
いつもやれないゲームソフトを
入れようとする手を止めて、
YouTubeを開く。
身体を動かすことを
習慣化したい。
昨日、久しぶりに測った
ウエストの数値を見て、
愕然としたからだ。
身体はなんて自然の法則に
忠実なのだろう。
使う必要がないから、蓄える。
口から入った
消費しきれないものを
皮膚の下にある貯蔵庫にストックする。
脂肪という名の非常食。
非常時なんて
なかなかやって来ないというのに
貯めることにだけは必至な
遺伝子の遠い記憶。
呼吸を止めないで!
とスタイルのいいお姉さんや
ムキムキのお兄さんが
画面から私に伝える。
大きく息を吸って、吐く。
じわじわと身体の熱が上がるのを
感じる。
朝起きると
ふくらはぎが激しく
筋肉痛になっていて、
階段を降りるのが辛かった。
オーバーワークなのだった。
痛みは注意であると同時に
弱みでもある。
壊しながら、太くなる筋肉。
だけど、使い物にならなくなるのなら、
本末転倒だった。
気持ちいいぐらいの
疲れをいつも探している。
忙しいと暇の中間で
遊んでいる。
ストイックになり過ぎたり、
自分を侮ったり、過信したりしていると
いつも怪我をした。
一人は楽しくて、寂しい。
一人でいたいときと
誰かといたいとき。
そんなときの自分の気持ちを
ただ感じて、
心地よい方を選んでいこう。
準備とアフターケアが
いつも大切。
激しく動かしたあとは、
それ以上にやさしく
労わるようにストレッチをする。
この入れ物にもう少し、
手入れをしてあげて
自分で自分を
愛してあげないとね。
色褪せても
緩やかに朽ちていきたい
