ひみつスタジオの感想3回目となります。ちょっと長いですね。でももうしばらくおつきあいください。
前回まではこちら。
⑧未来未来
民謡の歌声が挿入されるスピッツとしては新しい試みの曲。さざなみOTRツアーのZEPP TOKYOでのMCでマサムネさんが民謡を習おうとしたことがあると言ってました。その時は事務所の社長に癖がつくからと止められたそうですが、その頃から民謡を使ったアイデアはあったのかもしれないですね。
マサムネさんの民謡の捉え方ってこうなんだ、って思います。不思議な疾走感を伴った曲。民謡アレンジがなければ疾走感は感じられなかったかも。
目的を達するために動いていると、それが達成できない場合に焦りだとか苛立ち、更には見えていたものまで見えなくなる時があるのかもしれません。
どちらかと言えば多幸感ただよう『ひみつスタジオ』ですが、この『未来未来』と次の曲『紫の夜を越えて』はそんな中でもマイナス感情多めの曲なのではと思います。
そこからつながるのは闇なのか或いは。
『こじ開けて 未来未来
今だけで余裕などない 嫌い嫌い
お願いだからそばにいて 未来未来
誰も想像できない 君以外
未来は泣いてんのか 未来は笑ってんのか
影響与えようよ 殻の外で』
未来を約束したい君はそばにはいない。未来は泣いてんのか笑ってんのかすらわからないけど、君以外想像できない。でもこの君もまた頭の良いひとなのかもしれません。
影響与えようよ 殻の外で
‥かなり衝撃的な言葉だとは思うのですが、マサムネさんにはそれができると思ってるひと、だということでしょうか。割と今回のアルバム、マサムネさんがモテてるとおぼしき歌詞が散見されます。それでも君はそれ以上ということなのでしょうか。未来未来。未来にマサムネさんが笑ってくれているのなら。
⑨紫の夜を越えて
コロナ禍でNEWS23のエンディングテーマとなった曲。1日の終わりにNEWS23のツイートがスピッツファンの間で爆増したのはこの時。歌詞つき写真でみんな投稿してました。
コロナ禍での新曲に1番癒された思いがしたのは、私は実はこの曲でした。ただ普通のシングルカットをしてほしかったのはここだけの話。とはいえ紫の夜を越えてのシングルは内容的には事前にアナウンスされていた以上のものでした。
スピッツからのコロナ禍でのプレゼント。たくさんもらったけどこのシングルもそのひとつ。つらかった時期、スピッツが確かに存在すること、その事実に救ってもらった気がします。
⑩Sandie
サンディ・ショーさん(Sandie Shaw 1947年生まれ 歌手 イギリス)からいただいたそうです。実はそちらはまだ未聴です。曲調は明るく、聴いてるだけで元気になれる曲。
君との出会いで知った違う世界。そこはホッとできたのでしょうか。ただ君が連れてきてくれる、この恋がもたらす世界と気持ちの揺らぎを淡々と描いている曲。
『始めて君に 出会った時から
僕の心は桃のようなカタチのまんまだよ』
ハート型、ということでしょうか。ラブ♡
『駆け抜けてく』
『夜を駆ける』のような刹那的な恋はここにはもうない気がします。とはいえ禁断の恋感はちょい強いですね。
『叶いっこない夢をもう一度 描きちらして
しなやかでオリジナルなエナジーで
新宿によく似てる魔境 駆け抜けてく 駆け抜けてく』
新宿によく似てる魔境 駆け抜けてく
ここがキーワードかも。軽快に駆け抜けるだけの力はまだ残ってるのかもしれません。マサムネさんも君も。
てな感じで10曲目の『Sandie』まで来ました。禁断の恋なのかはわかりませんが、ラストの曲『めぐりめぐって』に『フリーハンドでめぐり逢えた』とあるので、もしかしたらフリーの相手なのかも。かもかも。
恋って、それだけでひとを動かすものなのかもしれません。素敵ばかりではないかもですが、マサムネさんの恋心に恋するひとは多いのでは。
男ゴコロもまた、複雑なり。それでも確かにマサムネさんに希望は貰ってると思います!
さて次の④でラストとなります。おつきあいよろしくお願いします♪