ご近所の魔境《ここは店主さんの王国》

ご近所の魔境《ここは店主さんの王国》

料理のサンプルが並ぶ飲食店のウィンドウ。そこはサンプル以外に人形ガラクタ、店主さんの自慢のコレクション。時には理解しがたいものが飾られている。あなたの近所にもあるかもしれない、店主さんの王国をご紹介しよう。

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住宅街の中でお店をかまえる
小さなお蕎麦屋さん。店の前に出前用の
バイクが置かれている。蕎麦とうどん以外に
丼もの。ラーメン、タンメン。
カレーライス、カツカレーや焼肉定食もある。
ご近所のための蕎麦屋『亀屋』さんだ。


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お店の場所は、駅からかなり離れた杉並の
住宅街の奥深く。料理
サンプルはその役目を壁に貼られた
品書きにゆずり、ショーケースの下段にまとめて置かれている。

そこに何匹かのペンギン🐧とアヒルがいた。

    
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2匹でコーラスをしているかのようなアヒル
首のネッカチーフが可愛らしい。


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シルクハットをかぶり両手(羽?)で傘をかかえるアヒル。
後ろの木彫りの熊や横の七福神との落差が面白い。

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カツ丼の裏にペンギンが3匹。こっそり隠れて内緒話をしている?。

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七福神が飾られた棚の反対側にもアヒルが3匹
蝶ネクタイのペンギンがいて、フクロウもいる。


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ショーケースにはペンギン🐧とアヒルの他に
壁貼りの品書きを囲むように、
七福神だとか木彫りの熊だとか、
モアイ像みたいものとか、
店主さんセレクトの逸品が並ぶ。

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『亀屋』さんのショーケースを記録して数か月後。
再びお店の前を通ったら「アレっ!」。
ショーケースの風景が変わっていた。

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ペンギン🐧、アヒルをはじめ店主セレクトの展示物は
そのままだが、下段にまとめて置かれていた料理サンプルが
すべて姿を消していた。

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サンプルを背景にコーラスしていた2匹のアヒルは片すみに。
その後ろに
コカ・コーラーの瓶が一本だけ残されていた

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手前のカツ丼が消えて茫然としているペンギン2匹。

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壁に貼られた品書きの横に、
小さな招き猫がさびしそうに置かれていた。

サンプルが消えたショーケースを眺めていると、新たな発見!
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壁貼りの品書きは2枚。ほぼ同じ内容のものが
2枚貼られているの気がついた。同じような品書きを貼る理由は?
うーん、スペースが空いているからでは。

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『亀屋』さんを再び訪ねた日、お店はお休みで入り口には
カーテンがかけられていた。その入り口ショーケースの反対側に
もう一つ。蔦の葉におおわれて目立たないが
ちいさなショーケースがあるのに気がついた。


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この小さなショーケース。帆船、ガラス器、その他いろいろ。
蕎麦とは何の関係もない店主さんのコレクション自慢のショーケースだ。


よく見ると、ここにもペンギン🐧がいた。
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蝶ネクタイをしめた2匹のペンギン。


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木彫りの熊は北海道観光の記念品。
七福神も何かの記念品。そう想像できるのだが、
さてペンギン🐧とアヒルは? 

ショーケースの中で、ここぞという目立つ位置に
飾られている(と思う‼)。

さーあ、そのこだわりの秘密は、案外
偶然の産物だったりして。
謎は謎のまま、時をかさね

今日にいたる『亀屋』さんなのです。


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     バックにカメラを忍ばせ気の向くままに自転車のペダルを漕ぐ。
     目の端をかすめた飲食店のショーケースが気になり、に
自転車をターンさせ
     バックからカメラを取り出す。収穫ありのうれしい一瞬だ。
     今回の秘境は東急大井町線の戸越公園の駅から歩3分。
     品川区の住宅街を走っていて見つけた、かなりユニークな物件だ。

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     ラーメン丼の縁を飾る雷文模様でデコレーションされた
     『ふじや』のショーケース。サンプルはなしで
     五目そば、タンメン、海ラーメン。3品の写真のほかに
     種々雑多なものが雑然と飾られている。
     カオス(混沌)そのものの展示だが、その中に「こんなのあり?」
     ともいうべき珍宝が飾られているのを発見した。
     下の写真右端に起立するのがソレである。
     古来から日本では子孫繁栄と豊穣の願いを込めて
     男根を模した物体を神社に祭る風習があるが、
     それがこの「ふじや」のショーケースに飾られている。

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     さらに同じ棚を見まわすと反対側にもミニサイズの男根あり。
     紙細工の兜のようなものの隣に、小箱の上に置かれた小さなイチモツがある。


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   箱の上の珍宝をじっくりながめると、胴のまわりにしめ縄がかけられている。

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     もう一度でっかいほうの珍宝を見てみよう。
     胴の下側には空洞があり、そこに天狗の面が納められている。
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     天狗の鼻は勃起する男根の象徴でもある。
     この二つの珍宝。見た目にどこか俗っぽくって、おそらくは
     秘宝館のお土産コーナーなどで売られていた品物ではないだろうか。
     これがスナックや小料理屋の飾り棚なら「それもあり」かもしれないが、
     ここは食べ物屋のショーケース。ゆえにユニークなのだが
     惜しむらくはこのショーケースが、あまりにも雑然として
     眺める魅力に乏しく、珍宝に気づかない人が
     ほとんどではないかと思うのだ。


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     しめ縄がかけられてご神体ですぞ。
     東北地方では木彫りのでっかい珍宝が金精様と呼ばれ、
     起立の先端が多くの人の手で撫でさすられて黒く変色していたという。

     カオスの飾り棚、せっかくなので、ショーケースの他の段も紹介しておこう。

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    紹介といっても、どう説明していいのか。
    飾られているものの意味や関連性など全く不明。
    時計、独楽、飾り紐、風車、小さな招き猫、その他・・・・。
    このショーーケースに無理して題名をつけるならば
    『カオスをこえる超カオス』。は、は、は、は(笑)、どうだろうか。

    でも、である。混沌としていても、宇宙は時を刻む。
    上の写真中央に置かれた腕時計を見ておどろいた。
    時間設定こそ狂っているが、黙々と時を黙々と刻んでいた。
    下の写真、秒針が動いているのがわかるだろうか。

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   それにしても、なんで腕時計を棚のど真ん中に置くの。しかも時間が狂ったままで。
   ネットで、このお店の数年前の写真を発見した。4年ほどまえには
   数点のサンプルが飾られていた。2年ほど前にはサンプルは姿を消したが、
   メニュー写真の数もおおく『男根』は飾られていなかった。
   そして、その4年前と2年前では、陳列物のカオスどがより強くなっていた。

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     いったいどうして今の景色になったのか。
     謎が渦巻く『ふじや
』のショーケース。
     その一番上の棚には干支の置物が並べられていた。
     カオスの上に神がえらびし十二支像。
     そこまで考えてこのショーケースをかたちづくった。そんなことは、ないよな。









    昭和な雰囲気の商店街があり、
    県庁所在地なのに隣の高崎とくらべて、どことなく地味感が漂う前橋。
    飲食店のショーケースを物色しながら
    レンタサイクルで数時間の街巡りを楽しんだ。
    事前に若干の情報はしこんだが街の南北もよくわからない。
    嗅覚だけがたよりのショーケース・ハンティングだ。
    街の空気をよみながら、この通りを行けば。そして、この角を曲がれば
    きっと何かありそうだ。さて、その結果は・・・。

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    招き猫を襲う子イヌのような小動物。
    近所の勤め人が主なお客であろう食堂のショーケースで見つけたワンシーンだ。
    店主さんのいたずらゴコロなのだろう。
    子イヌのような小動物が小さな招き猫にちょっかいをだそうとしている。
    いわゆる見立ての構成。小動物は剥製のようにみえるが、その正確な正体は不明。
    その横にYORONとサインが出ているお人形がいた。
    YORONとは与論島のことだろう。それがなぜヤシの木の下でポーズする
    クロンボ人形なのか、よくわからない。与論島が観光ブームにわいたのは
    縄返還前の1970年代のころだ。多分その頃の観光おみやげだと思う。

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子イヌ似小動物とクロンボ人形と、小さな招き猫が
飾られていたお店がコチラ。お店の右端に
小さなショーケース。サンプルの展示はなしで、
下の段には4匹の大きな招き猫が並び。
その隣に歌舞伎役者のような人形が飾られている。
ここだけ眺めると飲食店とは全く関係ない。



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     ショーケースだけ眺めると、飲食店の雰囲気はゼロ。
     どちらかというと古道具屋に近い。

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     子イヌに襲われている招き猫の隣にキティちゃんぽい、うーん、何だろう。
     「福」の字が描かれた扇を開いているから縁起物には間違いないだろう。
     さて、その隣の招き猫。背負っている唐草模様の風呂敷は
     どういう意味なのか。定食と中華『わたなべ』さんのショーケースは
     とにかくよくワカラン。


  830円。
    これは違うお店のショーケースに飾られていた招き猫。
    830円の値札がみえるが、この招き猫の値段ではない。

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   描かれておりヒゲが異様に長く、カイゼル鬚のようにカールしている。
   ここまで長いヒゲの招き猫はいままで見たことがない。
   どこの産なのか、知っている人がいたら教えてほしい。

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    そのヒゲナガ招き猫の座するショーケース。
    主はかなり歴史がありそうな貫禄の店構え『伊勢屋食堂』さんだ。
    店が貫禄なら、サンプルもそれに負けない。
    「おいしそう」とか「ボリュームありそう」とか、
    そういうレベルではない。まずはその代表選手を下にご覧いただこう。


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 どうだ、この貫禄。
  もはやサンプルというよりも、もののけ姫。いや、もののけの五目ソバ。
  どのくらいの年月、このショーケースの中で時間をすごしてきたのか。
  表面にはチリひとつ見られず、きれいに手入れされているのが素晴らしい。


 親子丼! コレはもう存在が神している。
  強い午後の日差しをあびて妖光にきらめく。ただのサンプルが別次元の
  生きものに見えてくる。親子丼であるのだが、普通の親子丼とは存在感が違う。
  もはや鄙びをこえて神界のへと転生しつつあるのではないか。
  そのお姿に民はただ、ただ感嘆するだけだ。

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 このオムライス!! 
 感嘆のビックリマーク
だ。
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 伊勢屋食堂。定休日の訪問だったので
 暖簾が出ていないのがさびしい。
 表通りに銀行などが立ち並ぶ一角。

 すぐ近くに前橋八幡宮があり
飲食店と
 住宅が混在する。ソースカツ丼や
 昭和の味のラーメン。その他一品料理。  蕎麦もうどんもある。
 昔の食堂スタイルを今に残す
 ノスタルジック食堂だ。



  日の丸ケチャップ。                      
    前橋の中心部をチャリで走り、最後に見つけたお店
    『銀生食堂』さんのオムライス。
    日の丸のように真っ赤なケチャップが目に焼き付いた。

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   前出の『伊勢屋食堂』が和風のバック・ツー昭和食堂だとしたら、
   こちらの『銀生食堂は』洋風。ショーケースの中に飾られているサンプルは
   洋食系のメニューが中心で、わきをラーメンやカツ丼がかためる。
   その中で、ひときわ目立つのが日の丸ケチャップのオムライスだった。

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 日曜日が定休日のため暖簾は
 出されていない。ショーケースの横に
 竹箒が立てかけられていた。
 多分ご主人が毎朝お店の前を掃除する
 ためのものなのだろう。



  『銀生食堂』さんのショーケースのかで、目線が同じ方向を向いている
  タヌキと丸い石に描かれたダルマ。その目線の先には、なんと日の丸オムライス。
  意識したのか偶然か。路傍の観察者として
  謎は、そのまま永遠に謎であってほしいと願うのだ。

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  犬が好きなのだろうか。
  サンプルの番をするように
  犬の置物が2匹おかれていた。
  ショーケースのいちばん端に
  縁起物のお福さん人形が
  ちょこんと置かれていた。

   お福さん人形はやさしいまなざしで
   ショーケースの片すみから道行く人や車を眺めている。
   この片すみに座って、どれほどの時間がたつのだろう。
   多分、お店の最後の日まで、ここに座して外を眺めている。
   きっとそうに違いない。

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◎◎
 お店から歩いて数分の距離に イメージ 19
 「にほんいちなつかしい」が
 キャッチフレーズの児童遊園地
 『ルナパーク』がある。
 乗り物はすべて一回50エン。
 遊具に驚喜する子供たちの姿を
 見るだけで、自分も子供時代へ
 トリップしてしまう。
                   
 飛行塔のわきに日本で最古級の     イメージ 20
 電動木馬が活躍する『もくばかん』。
 電動木馬と『もくばかん』の建物ともに
 国指定の有形文化財だ。
 子供たちは、ソンナコト関係なく
 無邪気に興奮して遊具を楽しんでいる。






市の中心部を流れる広瀬川。
柳の並木がつらなり川面をその緑が染める。
大手町、千代田町などかってのお城をしのばせる町名が、
町の歴史をしのばせる。
もう一度たずねてみたい。名残をあとに帰路につく。

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       駅の隣だ(隣の水色の屋根が下丸子駅)。
       下丸子の商店街を駅方向に進んでいくと正面に、
       異様な存在感を放つ建物が見えてきた。

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       『喜楽亭』と店名が黒地に白く染めぬかれた暖簾がかかる。
       店頭のショーケースをのぞくとオムライスやポークソテー、
       カツ定食などが並ぶ。ラーメンなどの麺類も並ぶが基本は洋食店だ。

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      建物の見た感じはかなりの年代物。ショーケースの正面は
      分厚い一枚ガラス、入り口寄りのガラスは優雅にアールを描く
      曲面ガラス。お店の建物ができた当時は職人技による
      かなりの高価ものではなかったかと推測する。

イメージ 3ショーケースに映り込む駅前通りを
挟んで向かい側のマクドナルド。
ここは駅の改札口から歩いて10秒ほど。
言うまでもなく駅前の超々一等地だ。


その一等地であるのだが、
このお店『喜楽亭』の前だけ
時空が微妙に歪んでいる。
どこかの古い時代に連れていかれそうな
独特のオーラを放っているのだ。



     ここを毎日通る地元の人は、もう日常風景でその蠱惑パワーに
     気づかないかもしれない。
     外部からの訪問者だけが感じるその力の源を紹介していこう。
     建物全体が放つ力と、店頭ショーケースから湧き立つ霧のように放たれる
     妖怪化したサンプルのパワーだ。まずはオムライスから。

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     洋食メニューの代表ともいえるオムライス。白いお皿の上を薄っすらと
     グレーに染める細かなチリ。ケチャップの赤い色がいい感じを出している。

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     ポークソテー、ライス付きで1400円。ビーフステーキではない、ポークだ。
     関東で肉といえば牛ではなく、絶対に豚なのだ。

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     かなり変色しお皿にチリがつもっているがナポリタン、700円。
     昔はスパゲテイーといえばナポリタンとミート
ソースしかなかった。
     パスタなどという呼び方は、ないのである。

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     ロースとんかつ定食、1100円。ご飯は麦飯ではない。
     白いご飯がチリでグレーに変色しているのだ。

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     お品書きがなければ何の料理かよく分からない。
     化石化しかけている焼肉定食、850円。

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     洋食屋といえども、お客の要望にはできるだけ答えねばならぬ。
     ラーメン550円、五目そば850円。ショーケースの中には
     チャーハンのサンプルもあった。洋食の技術がラーメンのスープに
     いかされたのだろうか。

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      サンプルだけでなく建物自体もいい感じで妖怪化している『喜楽亭』。
      創業は1923年というから、あと7年で100年食堂だ。
      もともとのお店の位置は、現在の下丸子駅のホームの位置にあったと聞く。
      駅の開業で場所をゆずり今の場所に店をかまえた。現在は高齢のご主人一人で
      お店を営んでいるが、往時は近くに三菱の工場などがあり昼夜ともに
      賑わっていたのだろう。

      駅前に秘境あり!このお店の前だけ時間がフリーズしている。
      その入り口の暖簾をくぐるには怖いもの見たさの多少の勇気が必要だろう。
      なに、中に入ってさえしまえば
      ワープはわりと簡単。イメージ 12入り口わきの       貼り紙にあるとおり、弁当にして
      持ち帰りもできるのだ。

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            ショーケースの最上段になんの説明もなく、お銚子とウィスキーと
      ビールの瓶が飾られるでもなく謎のように置かれていた。
      お店を外から見て二階は座敷のようだ。
      昔は宴会もあったという、記憶のようなものなのかもしれない。
      あと7年で100年。うーん、本物のゴーストになる、ならない。
      今はいつまでも続かないけど、ご主人がんばれとだけいっておこう。














      『ALWAYS三丁目の夕日』にでも出てきそうな一軒のお蕎麦屋さん。
      店のわきには出前用のスーパーカブが置かれている。
      その店頭ショーケースである。

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      店主さん(多分2代目)の趣味なのだろう、サンプルの代わりに
      ゴジラやウルトラマンなどのコレクションが大胆に飾られている。

      ショーケースの片すみには蕎麦の同業組合員を示す楯が飾られているが、
      その裏に頭半分を出したピグモンが隠れている。

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      ピグモンの隠れている楯はかなり古い(先代の時代だろう)。
      ちょっとわかりにくいが大きなゴジラの足元に、ミニサイズのゴジラ達が
      ミニカー数台とともに飾られている。
      右端でウルトラマンの足元にいるのは仮面ライダーのソフビ人形だ。

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撮影は2013年の4月。
   

それから4ケ月後の2013年8月。
招き猫が一匹ふえていた。
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   金色左手あげの一匹に加えて、新たに
   白色右手あげが参列。
   ピグモンが楯の裏からウルトラマンの隣に
   移動している。大きなゴジラ2匹の
   位置も入れ替わっている。

   それから15か月後の
2014年11月。
   増えてます・・・・・。
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      定食メニューの額下に仮面ライダー1号のお面。ウルトラマンの隣に
      平成仮面ライダーシリーズ2作目の『仮面ライダーアギト』が登場。
      そしてウルトラマンがもう一人、どこにいるか分かるだろうか。

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      支度中の札の後ろで右手を突き出しポーズするウルトラマン。
      見た目の感じから隣の仮面ライダーとともにかなりの年代物では
      ないかと思われるが、どうだろうか。
      後ろで招き猫が「オレの立場はどうなるの?」的な感じで
      ハスを向いているのがおかしい。

      さらに、その約1年後!
      2015年10月。
      障子に大きな穴が開いている。

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      ハスを向いていた招き猫のがもとのとおり正面向きに。
      支度中の札の後ろにいたウルトラマンが中央に移動した。
      そして新たに『仮面ライダーGX3』がショーケースの隊列に参加している。
      ※ライダーたちの名前についたはネットで頑張って調べたのだ
(^-^;)。

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    ピグモンの斜め後ろでポーズしているのが仮面ライダーGX-3。
    オダギリージョーが主演した『仮面ライダーアギト』に登場する
    ライダーなのだそうだが、マニアの世界すぎて詳しくはよう分からん。

    さらに、さらに。その約半年後。今年、2016年3月。

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    障子の破れ穴はそのままで、若干大きくなっている。
    2匹いた招き猫が姿を消し新たに『仮面ライダークウガ』が
    バイクとともに参列している。

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    『仮面ライダークウガ』は平成仮面ライダーシリーズの第一作目だそうだ。
    その手前には当初から置かれていた『仮面ライダークウガ』のソフビ人形。
    バイクの進行方向に顔をむけているのは、主たる店主さんのいたずら心かな。


    そして本年2016年6月。
    ソフビのライダー人形がバイクの上に移動していた。クウガとの二人乗りだ。
    ウルトラマンの隣にいた2体の仮面ライダーの姿が見えないと思ったら、
    なぜか片すみの支度中の札の横に移動している。店主さんの中で、
    陳列のランクが変わって隅に追いやられたのだろうか。

イメージ 11「オレたち二人隅っこだね」
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   ミニサイズのゴジラたちも
   気の毒な扱いを受けていた。
   店主さんのゴジラに対する
   愛情は、かなり薄くなっている
   と推測するのだな。







      さて、さて。最新の報告。今月9月の『やぶ新』店頭ショーケース。
      一番目につくのは、開けられたままの障子の穴。
      ソフビ人形とのタンデムだった仮面ライダーがもとの姿に戻り、
      その後ろからウルトラマンが右手を突き出しポーズしている。
      言葉で説明するより、2枚連続の写真で御覧いただこう。

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     お分かり戴けただろうか。

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   その他の変化として
   ミニゴジラのうち、
   倒れていた一匹が撤去されていた。
   ミニゴジラとともに飾られていた
   数台のミニカーもいつの間にか
   姿を消しているのだ。





イメージ 19ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダー。
戦後の日本を代表する特撮3大スターを
店頭に飾る蕎麦屋『やぶ新』。
山の手の中の下町と呼ばれる
三軒茶屋の住宅地でご近所を相手に
蕎麦と定食を営む。そのショーケースの中は
自慢のコレクションを人に見せびらかしたい
という欲望が満開なのだ。
かなり価値ありものも多いようで、
夜はショーケースの窓を雨戸で厳重に覆い安全対策も怠りない。
                      蛇足だが、ショーケースから姿を消した
                      招き猫一匹が、入り口反対側の格子窓の
                      中で外見つめるように飾られていた。
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     とんかつ屋さんなのだが肝心のとんかつのサンプルは
     片すみに追いやられて、お店のいち押しメニューだというコロッケも
     ランチメニューの貼り紙に隠されて目立たない。

イメージ 18     しかも、とんかつとハンバーグの
     サンプルが見た目がほとんど同じ。
     ハンバーグステーキと品書きがあるが、
     どう見てもとんかつ。サンプルに対して
     店主さんはかなりアバウトのようだ。
     このショーケースの主役は
     料理サンプルではなく、ケースの中を
     埋めつくす《豚たち》なのだから、
     料理のサンプルはついでに飾って
     あるようなものかもしれない。



     さあともかく前置きはこのくらいにして、
  その《豚たち》を見ていこう。

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      色んな《豚たち》がいる。はじめは小さな
      コレクションだったのが、時間がかさなるにつれ増殖して
      主役の座をサンプルから譲り受けたに違いない。

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  ♡♡♡! 見てごらん、この愛らしさ。
    ラブする2匹。
      頭に花飾りをつけた牝ブタの下に敷かれたマットに、店主さんの愛を感じる。

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      帽子を被りアニメに出てくる魔法使いのお婆さん
      みたいなのや、風呂桶に浸かってるのやら。
      その手前はマッサージか。色んな《豚たち》がいる。
      日本だけじゃなくいろんな国からやって来た。

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      ポークソテーを囲む、しつこいけど《豚たち》。
      どうせなら、ここまで豚を集めたのならば、このポークソテーも
      擬人化ならぬ擬🐽化して、目鼻をつけてほしかった。


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イメージ 7パイナップルの中でハワイアン。
ウクレレを奏でるブタとフラダンスを踊るブタ。
ハワイのお土産だろうか。
その横には仲良く一つの布団で
ねるブタ。ショーケースの中の
《豚たち》はお土産で、あるいは
お客からのプレゼントで。
強い磁力に引っ張られて
集まって来たに違いない。










布団の中で抱き合う
2匹。LOVEだ。


      スコップの取っ手にとまる小鳥を見上げる一匹のブタ。
      抒情的なワンシーンだが、その周りになんとも無表情な《豚たち》。 
      文字通りに「目が点」のブタばかり。
      雑然と《豚たち》を並べてているのではないようだ。

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      この金色のブタ。鼻の穴が3つある。

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      「どうだ、すごいだろう。オレの鼻の穴は3つダゾ」。
      ヘヘーッツ、恐れ入りました。


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      真ん中のブタは皮革製。当然、豚皮だとおもうのだがどうだろう。


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      ブタの恵比寿さん。どこで手に入れたのか、どんなところで
      作られたのか。《豚たち》の由来をたずねたらキリがなさそう。
      コレクションは数が増えればその数だけ、いくつものドラマを秘めている。

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      ミニチュアの蚊やり豚が並ぶ。日本の夏といえば
      蚊取り線香に花火。そこになくてはならぬ灰皿容器の
      蚊やり豚だが、これが
日本全国津々浦々に普及した理由は
      
短足で丸々と太ったブタの可愛らしさゆえ、だとおもうのだ。

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      ガラスで作られた工芸品のブタも多数あり。
      もしかするとあらゆる動物の中で、飾り置物として
      最も多いのがブタかもしれない。


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      実用的な《豚たち》もいる。ライターを背負ったブタの置物、
      その後ろは蓋にブタの顔をあしらった辛子入れの容器だろう。

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 とんかつ『とん亭』の《豚たち》は
 ショーケースだけでなく店内にも増殖している。
 大きさ50センチくらいのブタ縫いぐるみが
 座敷のテーブルの下に隠れているからと
 驚いてはいけない。テーブルの上の箸置き、
 楊枝入れもブタである。
 阿佐ヶ谷駅の南口から歩いて3分。
 「重いから気を付けてください」という
 カツカレーでも有名なお店だ。
 食べ過ぎて《豚にならぬよう》お気を付けあれと
 最後に締めくくっておこう。
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     扇形というユニークなショーケースを見つけた。
     店主さん、あるいは大工の棟梁が人目をひく意匠をと凝ったのだろう。
     蕎麦屋だから風流にと考えたのかもしれない。
     ショーケース下の空間も岩を積み上げて、その奥は水槽のように見える。

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      近寄ってこの扇形の中を覗くと、とにかく驚いた。
      前面ガラスは汚れほうだいで、ケースの中は薄暗くホコリまみれで
      品書きは日に焼けて変色している。

      しかも変色した品書きと、ガラスに貼られているメニュー表の値段が違う。
 
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    ケースの下段に忘れられたようにイメージ 9
    印刷された献立表があったが、
    これも値段が違う。

    もっともこれだけ荒廃している
    ショーケースなのだから、
    お店に入るのにその中を見る人は
    まずいない。

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猫のおなかの時計、針は動いていない。
その横にはワケのわからない物体が
並べられている。なかば廃墟化して、
もう営業はしていないようにも見えるが、
暖簾は出ているのだから、営業はしているのだ。

     隣のビルとくらべても決して見劣りしない店構え。
     三階建てのビルに見えるが実は木造二階。
     お店の前面ファサードだけをビル風にした
     モルタル塗りの看板建築だ。
ファサードの上には
     お店『梅徳』の《梅》が飾られている。

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        離れて見ると立派なのだが、近寄ってみると《凄い!》のだ。

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      はめころしのガラス窓に店名と家紋がある。ここも凝った造りだが
      ショーケース同様にガラスは汚れ放題。お店自体も営業中にもかかわらず
      遺跡化への道を歩んでいるのかと思うのだが「シクシク、シクシク」。       悲しい泣き声が私に聞こえてくる。その泣き声は
      「こんな筈じゃなかったのに、シクシク」と聞こえてくる。


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       店舗前面の意匠デザインから推測して、お店が作られたのは
       1970年代頃ではなかろうか。その当時は店主さんも気力に満ち、
       この店舗の造りにふさわしい繁盛をしていたのだろう。
       ショーケースだって今みたいじゃなかった。元気だった思う。


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横から見ると店の構造がよくわかる。
二階は広間なのだろう、座敷の障子が
連なっている。
「シクシク、シクシク」
モルタル看板建築のファサードからも、座敷の障子からも
「シクシク、シクシク」



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   商店街として有名な『戸越銀座』。その商店街が
   終わって住宅地をぬける地味な通りに、
   蕎麦屋の『梅徳』は店をかまえる。
   『戸越銀座』の賑わいはお店の前までは続かない。
   通りをそのまま進むとJRの大井工場だ。
   開店当初は今と状況が違ったのだろう。
   2階に座敷を作るくらいの需要はあった。
   でも、でも、今なのである。店主さんもお歳を
   召しているに違いない。凝った意匠はいいけれど、    もうその役目は終り。こんな筈じゃなかったと
   「シクシク、シクシク」

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        蕎麦屋さんの典型的なショーケースである。
        入り口の開き戸と同じ間口という贅沢なスペースに、自慢のメニューが
        飾られている。とてもスタンダードな、と言いたいところだが
        飾られている自慢は料理だけではない。
        たとえばショーケースのいちばん上。2枚の大きな写真が飾られている。

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        1枚目は「昭和3年頃、ほていや店頭記念写真」と
        説明がついている。店主とその家族、法被姿の店員たち。
        お店の歴史を語る、今から90年近くも前の写真だ。

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        店頭記念写真の隣。カツ丼、親子丼サンプルの後ろに
        「平成27年7月開店90周年記念」と説明。
        今の店舗の前にお祝いの胡蝶蘭が並んでいる。
        『ほていや』が店をかまえるのは世田谷の太子堂、下の谷商店街。
        大正12年の関東大震災で、下町で被災し住民たちが
        ここ世田谷に移住して、形自然発生的にできた商店街だ。
        『ほていや』の歴史は、その商店街とほぼ同じ。
        歴史の古さでいえば東京でもかなりの部類に入るお店なのだ。

        自慢その2は、孫の自慢。
        といっても孫の写真を飾っているのではない。
        孫が作った「お店」のミニチュア作品が飾られている。


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        孫の香織さん(中学3年)の作品だ。このショーケースの中で
        おじいちゃん一番の自慢なのだろう。

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       「本物のほていやとにているでせうか!!」という文字使いが、
        おじいちゃんの年代を感じさせる。

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      写真の真ん中でひざを抱えて座っているのが孫の香織さんだろうか。
      右の人物が座る縁台の下に置かれている蚊とりぶたの中には、
      小さな蚊取り線香まで入っているそうだ。
      
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入り口の開き戸の向こうに
店内風景が写真で再現されている。

製作が2001年ということは、
この香織ちゃんは今30歳前後。
もうオバサンの年代だ。
『ほていや』では3人の姉妹が
仲良く働いているというから、
そのうちの一人が香織さんなのだろう。






        ショーケースの中の自慢、三つめは出前迅速。

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       地域密着型、ご近所に愛される蕎麦屋は
       こうじゃなくちゃと、このフィギュアが語っている。
       出前のスーパーカブに乗っているのは、
       お店の二代目あるいは三代目か。

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       出前フィギュアの背景は
       営業時間のご案内だ。

       鼻歌うたいながら出前一丁、        いい感じがでている。





       自慢その4は当たり前だが、当然の店のメニュー。
       ショーケースに飾られているサンプルは、店の歴史ほど
       古くはないだろうがかなりの貫禄もの。
       メニューの紹介というよりも蕎麦店のプライドとして、
       サンプルを飾っているという感じ。
       開店当初はともかくとして、サンプルを見て注文を考える人など
       こちらのお店ではほとんどいないとおもう。


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店名が『ほていや』だから
布袋さんが飾れれている。
左の小さな酒器類はお店の
誰かのコレクション。多分、
おじいさんが集めたと思う。
このお店は、小さいもの好きの
家系なのかな。






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     布袋さんの隣のカレーライス。
     大きな肉のかたまりが目を引く。
     店名入りのカレー皿とは、
     かなり根性がはいっている。
     蕎麦に負けない自慢の
     カレーなのだろう。


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特製天ざる1,200円。おかめそば800円。ラップでおおわれたサンプルたちだ。


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三軒茶屋の駅から歩いて8分ほどの下の谷商店会。商店街の通りは幅一車線ほどで、烏山川の流れに沿って続く小さな商店街だ。『ほていや』はその商店街の入り口近くに店を構える。休日は昼から酒を楽しむ常連客も多く、そのために蕎麦以外に酒のつまみメニューも豊富。ボリュームのカツカレー、カツ丼、生姜焼き定食なども人気がある。
典型的な地元密着型の蕎麦屋で、普段使いにこの上なし。歴史90年の老舗である。


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            砂漠にたとえれば見渡すばかり砂、砂、砂の世界。
            森に例えれば、西も東も分からない深い森の中。
            戸建て住宅が連なる住宅街のさらに奥深く、
            住人以外は滅多に人が通らないだろう
            住宅街の一角に店を構える『ミッキー飯店』。
            見ればなんともにぎやかなショーケースだ。
            料理のサンプルを包みこむように、いわくありげな
            雑多なものがあふれている。
            さらに品書きのボードや貼り紙が
            ショーケースへの視線を邪魔している。

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いちばん下の段は、こんな具合。
貼り紙の裏にに招き猫が隠れていて、
よく見るとカセットコンロや土鍋があり、
紹興酒の瓶にチャイナドレスみたいな
カバーを被せてならべている。
半分物置化していると思いたくなる棚なのだ。

と思ってショーケースの上を見上げると
熊がいる。でっかい木彫りの熊だ。

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  木彫りの熊の横には、竹のバスケットの
  中に赤いバラの花束。
  どういうセンスなのかとおもって、
  そのバラの花束をよくよく見ると、
  この花束には目があり鼻がある。
  テデイベアみたいな表情がある花束なのだ。

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            バスケットの中は赤いバラのクマちゃんだ。

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         ふーむ、と思ってその下の棚を見る。
         サンプルを囲む高価そうな食器、そして黒いダルマとか、
         野球のボールとか。もうちょっとよく見てみよう。

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        不思議な構成だ。ベースボールW杯の記念ボールが
        グラスを台に飾られている。黒いダルマは金運を呼ぶ縁起物。
        その前に大黒天、シーサー(だと思う)、中国の神像のような置物。
        さらに、その前にはファンシーな羊、馬、モンキーたち。
        いいんです、いいのです。何をどのように並べようと
        店主さんの勝手です。まぁ、ファンシーな小物たちは店主さんの
        孫あたりが提供したのかなという気もするけれど、いいんです。

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        麺のサンプルの後ろには、こんなものが隠れていた。
        王冠を被った銀色のブタ。何かを願う縁起グッズなのだろうか。

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        貼り紙の後ろの招き猫たち。ここの店主さんは縁起ものが好きなんだと、
        よくよく見るとアラアラアラ! びっくり。かなり珍らしいモノがある。
        後ろのでっかい招き猫はチャイニーズ招き猫なのだ。
        猫の左手が掲げている書の「生意興流」とは中国語で『商売繁盛」の意。
        右手で抱える大判には簡易体の漢字で億万両と書かれている。
        中国語では『招財猫』。日本から台湾、香港に伝わって、
        今や中国本土でも縁起グッズとして人気があるらしい。


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         あらためて棚を眺めなおしてみると、丼の陰に
         金の王冠ブタもいた。
飾られているお酒の瓶と箱も何やら
         意味ありげ。
食器ともども縁起物なのだろうか。


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  『ミッキー飯店』の創業は昭和44年(1969年)。
  大阪万博の開かれる一年前
だ。今は2代目が
  店を切り盛りしているが、創業当時からの
  人気メニューも健在。その店名のユニークさと、
  店の場所のデイープさ。もちろん料理の味も
  評価されてテレビ番組『もやもやサマーズ』で
  紹介されたこともある。

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ショーースの隅に可愛らしい星の置物。
お孫さんの手作りかもしれない。
サンプルは飾られているが、今となっては
雑多なものの一部でしかないようだ。


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  最後に『ミッキー飯店』という
  ユニークな名前の由来を紹介しておこう。
  お店の創業当時に景気の良い会社が3つあった。
  『キリンビール』『キッコーマン』『日本汽船』。
  3社とも社名に『キ』のひと文字が入っている。
  その3つの『キ』で『ミッキー飯店』と縁起を
  担いだ。お店のショーケースにはいくつもの
  縁起物が飾られているが、それ以上に
  お店の名前自体が縁起物というわけだ。
  誰もが連想するミッキーマウスとは何の関係もない。めでたし、めでたしなのである。




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     とんかつ770円、カツ丼770円。ふーむ、安い。
     いまどき、めずらしい値段だ。感心、感心なのであるが、
     このショーケースにはサンプルがない。
     とんかつとカツ丼の値段がプリントされたボードが片隅に、ごく控えめに
     置かれているだけ。あとは御覧のとおり。
     ソーラー仕掛けで常に動き続けるフラワー、リンゴ、招き猫、イルカなどなどが
     しつこいくらい沢山並べられている。

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     ユラユラと動き続けるソーラー人形たちの後ろに、ちっちゃな豚のフィギュア。
     何匹も並んでいる。そうだ、ここはとんかつ屋だから、ブタとは
     切っても切れない関係にある。でも、いくら小さなフィギュアといえども
     その姿はあまりにもリアル。

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     ソーラー人形の後ろに隠れる豚フィギュアたち。
     その姿は今にも突進してきそうで、どう猛さを感じる。
     よくみればフィギュアの中には子ブタもいる。
     そのブタたちと関係なくユラユラと揺れる人形たち。
     豚とユラユラ、変なショーケースだぞ。

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     ブタとユーラユラ、このショーケースの謎。
     その答はショーケースの片すみ、値段のボードの反対側に目をやると、簡単に
     見えてくる。ここはブタの牧場、手作りのジオラマなのだ。
     谷川らしき水の流れがあり、岩山や牧場のサイロみたいなものを背景に
     緑の芝が広がる。そしてブタなのだ。その広いスペースをうめるように
     何かのきっかけでソーラー人形がふえだして、主役の座をブタたちから
     奪い取ってしまったのが今の、このショーケースなのだ。

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     牧場の片すみでブランコ遊びをするお猿のソーラー人形。
     今ではこのお猿のほうが、牧場の主役かもしれない。
     動かない小さい豚のフィギュアと比べて、お猿はでっかいしブランコ漕ぎ続けて
     いるから、どうしてもうるさいくらい目立ってしまうのだ。

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      ソーラー仕掛けのお猿だから、今日も明日も仕掛けが
      壊れるまで楽しそうにブランコを漕ぎ続ける。

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  とんかつ・中華の『あたりや』は東工大の正門から歩いて4・5分。
  先代が中華の店として開店したので、その名残としてラーメンや
  ワンタンなど中華のメニューも残されている。
  今はソーラー人形の陳列ケースと化したショーケースだが、
  以前は手作りジオラマの中に和風のあずまやなどが飾られていたらしい。
  お店の入り口わきに、窓を兼ねて出窓風にあつらえられたショーケースは
  窓枠を何度も塗りなおした跡があり、経年の風格がうかがえる。
  出窓にソーラー人形を飾るのは、ショーケースの寂しさを
  少しでも変化させたいゆえなのか。でも、ここまで並べられると
  絶対に店主さんの趣味コレクションだと理解してしまうのだ。


イメージ 7  とんかつ・中華『あたりや』はNHKのTV番組
  『プロジェクトXで』紹介されてことがある。
  日本のコンピュータの礎を築いた
  池田敏夫(富士通・東工大卒)という研究者が
  会社の外のプロジェクトルームとして、
  ここの奥座を多用していた。
  とんかつライスを食べながら、
  コンピュータ開発の想を錬った記念すべき
  場所として紹介されたのだ。
  勿論その時は彼らが食したお店名物の
  とんかつライスも紹介されたという。
  その縁と値段で、奥の座敷を利用する
  東工大関係者は、今も多いらしい。