珍宝に天狗としめ縄、カオスの小宇宙。戸越公園『ふじや』(中華/東急大井町線) | ご近所の魔境《ここは店主さんの王国》

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料理のサンプルが並ぶ飲食店のウィンドウ。そこはサンプル以外に人形ガラクタ、店主さんの自慢のコレクション。時には理解しがたいものが飾られている。あなたの近所にもあるかもしれない、店主さんの王国をご紹介しよう。

     バックにカメラを忍ばせ気の向くままに自転車のペダルを漕ぐ。
     目の端をかすめた飲食店のショーケースが気になり、に
自転車をターンさせ
     バックからカメラを取り出す。収穫ありのうれしい一瞬だ。
     今回の秘境は東急大井町線の戸越公園の駅から歩3分。
     品川区の住宅街を走っていて見つけた、かなりユニークな物件だ。

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     ラーメン丼の縁を飾る雷文模様でデコレーションされた
     『ふじや』のショーケース。サンプルはなしで
     五目そば、タンメン、海ラーメン。3品の写真のほかに
     種々雑多なものが雑然と飾られている。
     カオス(混沌)そのものの展示だが、その中に「こんなのあり?」
     ともいうべき珍宝が飾られているのを発見した。
     下の写真右端に起立するのがソレである。
     古来から日本では子孫繁栄と豊穣の願いを込めて
     男根を模した物体を神社に祭る風習があるが、
     それがこの「ふじや」のショーケースに飾られている。

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     さらに同じ棚を見まわすと反対側にもミニサイズの男根あり。
     紙細工の兜のようなものの隣に、小箱の上に置かれた小さなイチモツがある。


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   箱の上の珍宝をじっくりながめると、胴のまわりにしめ縄がかけられている。

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     もう一度でっかいほうの珍宝を見てみよう。
     胴の下側には空洞があり、そこに天狗の面が納められている。
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     天狗の鼻は勃起する男根の象徴でもある。
     この二つの珍宝。見た目にどこか俗っぽくって、おそらくは
     秘宝館のお土産コーナーなどで売られていた品物ではないだろうか。
     これがスナックや小料理屋の飾り棚なら「それもあり」かもしれないが、
     ここは食べ物屋のショーケース。ゆえにユニークなのだが
     惜しむらくはこのショーケースが、あまりにも雑然として
     眺める魅力に乏しく、珍宝に気づかない人が
     ほとんどではないかと思うのだ。


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     しめ縄がかけられてご神体ですぞ。
     東北地方では木彫りのでっかい珍宝が金精様と呼ばれ、
     起立の先端が多くの人の手で撫でさすられて黒く変色していたという。

     カオスの飾り棚、せっかくなので、ショーケースの他の段も紹介しておこう。

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    紹介といっても、どう説明していいのか。
    飾られているものの意味や関連性など全く不明。
    時計、独楽、飾り紐、風車、小さな招き猫、その他・・・・。
    このショーーケースに無理して題名をつけるならば
    『カオスをこえる超カオス』。は、は、は、は(笑)、どうだろうか。

    でも、である。混沌としていても、宇宙は時を刻む。
    上の写真中央に置かれた腕時計を見ておどろいた。
    時間設定こそ狂っているが、黙々と時を黙々と刻んでいた。
    下の写真、秒針が動いているのがわかるだろうか。

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   それにしても、なんで腕時計を棚のど真ん中に置くの。しかも時間が狂ったままで。
   ネットで、このお店の数年前の写真を発見した。4年ほどまえには
   数点のサンプルが飾られていた。2年ほど前にはサンプルは姿を消したが、
   メニュー写真の数もおおく『男根』は飾られていなかった。
   そして、その4年前と2年前では、陳列物のカオスどがより強くなっていた。

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     いったいどうして今の景色になったのか。
     謎が渦巻く『ふじや
』のショーケース。
     その一番上の棚には干支の置物が並べられていた。
     カオスの上に神がえらびし十二支像。
     そこまで考えてこのショーケースをかたちづくった。そんなことは、ないよな。