原倫太郎 文、原游 絵、『匂いをかがれるかぐや姫〜日本昔話Remix〜』を読みました。
マガジンハウスのハードカバーです。
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今日の本のお供は、『うちのタマ知りませんか?』のタマのソフビフィギュアです。
私、このタマのキャラクターが好きで、子供の頃にグッズを集めていましたよ。
このフィギュアは数年前に食玩で売っていたものです。
見かけてすぐ、買い込みました。
タマ、可愛いんですよねー。
最近は80年代のキャラクターの復刻ブームだし。
もっとタマのグッズもたくさん売り出してくれたらいいのになぁ。
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本書はちょっと変わった昔話の絵本です。
翻訳ソフトを使ったことのある人ならわかると思いますが、機械の行った翻訳には誤訳が沢山あります。
最近では翻訳ソフトの機能もかなりアップしてきているようですけれど。
本書は、翻訳ソフトの誤訳を逆手に取って、日本語を英語に翻訳し、さらにその英語を日本語に再翻訳して、面白おかしい物語にremixしたものを収録した本です。
私たちのよく知っている、一寸法師、かぐや姫、桃太郎の三つの昔話が、2度の機械翻訳によって、かなりぶっ飛んだシュールなお話に組み直されています。
そして、そのぶっ飛んだお話にあわせて、サイケデリックな挿絵が添えられています。
昔話の機械翻訳には、複数の翻訳ソフトを利用して、特に面白い結果を選んで、切り貼りしている感じです。
…と、私が堅苦しく説明するよりも、見ていただくのが一番早いので。
本書から、一部、引用してみますね。
○『一寸法師』より引用
『昔々のことです。
ある村に、子宝に恵まれない仲のいい夫婦が暮らしていました。
「神様、指先ほどの子供でもかまいません。どうぞ授けてください。」
毎日、夫婦は神社の神様に手を合わせ、お祈りをしました。
すると、本当に指先ほどの赤ん坊が生まれてきたので、2人はびっくり。
赤ん坊は一寸法師と名付けられ、たいそうかわいがられました。』
↓《英訳》
『It is ancient times.
The close couple who was not blessed with child treasure lived in a certain village.
“God,even a child like a fingertip doesn’t mind. Please give it if you please. “
Every day ,the married couple put together and did a hand prayer in God of shrine.
Then,2 peoples are surprised because the baby of a fingertip limit is really born.
The baby was named A little, law mentor, and it was very loved. 』
↓《日本語訳》
『古代です。
チャイルド宝に恵まれなかった親しいカップルは、特定の村に生きていました。
「神よ、指先のような子供さえ嫌だと思いません。すみませんが寄贈してください。」
毎日、組み立てられた既婚のカップルは聖地の神で手祈りを行いました。
その後、操作が簡単な限界の赤ちゃんが実際に生まれるので、2民族は本当に驚きだ。
赤ちゃんは少量法律助言者に任命され、それは非常に愛だった。』
元の日本語から英訳された時点で、すでに違和感がありますが。
そこからさらに日本語訳されると、かなりカオスです。
最終的にremixされた昔話だけを読んでも、かなり面白いですが。
元の昔話と、英訳と、そこからの日本語訳を三つとも載せてくれているので、比較しながら読むとさらに興味深いです。
peopleはアンカウンタブルな名詞として扱えば「人々」ですが、カウンタブルな名詞としては「国民」とか「民族」とかになるんですよね。
しかも調べてみると、peopleには動詞としての扱いもあるようですよ。ふむふむ。
訳を比較して読みながら、気になった単語を調べてみるのも、楽しいです。
一寸法師…一寸+法+師=little+law+mentor=少量法律助言者…か。
なるほど。
○『かぐや姫』より引用
『数年の月日が流れたある秋のこと、かぐや姫は毎晩月を眺めてはしくしく涙を流すようになりました。
「どうしてそんなに泣いているのじゃ。」
おじいさんとおばあさんが尋ねると、かぐや姫は悲しい顔をして言いました。
「実はわたしは月の世界から来た者です。
次の満月の晩に月から天人がわたしを迎えに来たら、わたしは帰らなければなりません。」
「わたしたちの大切な娘を連れて行かれてたまるものか。」
おじいさんは、姫の護衛を帝にお願いしました。』
↓《英訳》
『One autumn which some years of time passed through, and when she looked at the moon every evening, As soon as it smelled, princess came to throw tears badly.
“Cry so much why. “
When the grandfather and the grandmother asked, As soon as it smelled, princess had and said a regrettable face.
“In fact, I am a person who came from the world of the moon.
I should return when heavenly beings pick me up from the moon in the evening of the following full moon. “
“Our important daughter is taken and it will not accumulate. “
The grandfather asked the emperor for the princess guard. 』
↓《日本語訳》
『時間の数年が通り抜けたある秋、あらゆる夕方お尻を見たとき、それが匂いをかがれるとすぐに、プリンセスは、鈍く涙を投げるようになりました。
「叫びそんなになぜ。」
おじいちゃんとおばあちゃんが尋ねたときに、それが匂いをかがれるとすぐに、プリンセスは遺憾な顔をしていて言いました。
「事実上、私はお尻の世界の出身だった人です。
すてきな生物が次のいっぱいにお尻を出してくださいの晩にお尻から私をピックアップすれば、私は戻るべきです。」
「私たちの重要な娘は捕まえられます、そしてそれは蓄積しないでしょう。」
おじいちゃんは皇帝にプリンセスガードを要求しました。』
かぐや姫は『As soon as it smelled,princess 』と英訳されているようですね。
『かぐや』が『嗅ぐやいなや』と取られているようです。
そこからの日本語訳で過去形から受動態にされて、『匂いをかがれるとすぐに、プリンセス』になっちゃってます…
そして『お尻の世界』???
これ、moonの訳のようだったので、気になって調べてみましたよ!
moonには、尻を出して人をからかう、という動詞の意味がありました。
知らなかった…
さらに、moon(尻を見せる)はどんな場面において使われる動詞なのか知りたくて、友人を通して大学で語学の教鞭を取っているアメリカ人に質問してもらいました。
そしたら、やはり『尻を見せる』という動詞として使われているそうで、しかも主に白人の間で使われているそうです。
なぜなら、黒人のお尻はそもそも白くないので、出しても月には見えないから、だそうです。
質問に答えてくださった講師の方は50歳ほどの黒人の方で、moonという単語の尻の意味を質問したところ、一発でわかってくれたそうなので。
どうやらこの言葉は、定番として使われてるか、古典的な単語なのか、どちらかではある模様。
それ以上は、お忙しい方にくだらないことを尋ねまわるのも悪くて、自粛してしまいましたのですが。
やっぱり、きいてもらっておけばよかったかな…
○『桃太郎』より引用
『桃太郎はすくすく育ち、やがて一人前の男の子になりました。
ある日のこと。桃太郎はおじいさんとおばあさんに言いました。
「鬼を成敗しに、鬼が島に行ってこようと思います。」
そのころ都では恐ろしい鬼たちが暴れ、人々を困らせていたのです。
「元気に帰ってくるんだぞ。」
おじいさんは刀と鎧を、おばあさんは日本一のきび団子を桃太郎に持たせました。』
↓《英訳》
『Peach Taro grew up quickly and healthy, and eventually he became the boy of one public.
Peach Taro said to the old man and the old women on a certain day.
“It is thought that go to Monster’s Island to punish the monsters. “
Terrible Monsters ran wild in the capital in those days and people were made embarrassed.
“Come back cheerfully. “
The old man gave Peach Taro a sword and an armour, and the old woman gave the dumpling of top of Japan. 』
↓《日本語訳》
『桃タロイモは迅速にそして有益に栽培し、結局1人のパブリックの少年になりました。
桃タロイモは特定の日に老人と老女に発表しました。
「怪物を罰するのは怪物アイランドへの、そんなに順調な考えです。」
ものすごい怪物は当時、大文字でやりたい放題で人々は恥ずかしくされました。
「機嫌よく戻りなさい。」
老人は桃タロイモに剣および装甲部隊を、また老女は日本の先端のミレー餃子を与えました。』
桃太郎の太郎は巡り巡って、タロイモに変換されちゃうのですね。
「困らされる」は「embarrassed 」に変換されて、最終的に「恥ずかしくされる」になっちゃうのか。
鬼に恥ずかしくされる…どんなことされるんでしょうか?
なんかちょっと、ドキドキします。
「capital」も意味のたくさんある言葉ですから、訳し方によっては妙な事になりますね。
「団子」の「dumpling 」からの、「餃子」訳も面白いです。
「鎧」が「armour」に訳されるまでは普通ですけど、そこからの日本語訳に「装甲部隊 」をピックしちゃうと、なんだか桃太郎の鬼退治が、一気に戦争レベルに上がっちゃいますねぇ。
装甲部隊がついてりゃ、鬼退治も捗ることでしょう。
以上、本書に収録された三つの昔話、一寸法師とかぐや姫と桃太郎から、一部引用させていただきました。
これは、人間が狙って書いても絶対に書けない種類の笑いですね。
いきなり想像もつかないとんでもない表現がポツポツ出てくるのが、かなり私にはツボでした。
この本が出版されたのは2006年です。
今では、当時よりは翻訳ソフトによる翻訳もかなり精巧になり、短文ならば十分役に立つレベルになってきています。
AIの開発もすごいスピードで進んでいることですし、どんな文章でも正確に翻訳できる翻訳ソフトが出てくるのも、そう遠くはないでしょう。
この本のような誤訳を笑っていられるのも、きっと今のうちだけの話なのじゃないかなぁ?
そう考えると、本書が、翻訳ソフトの歴史的遺物と呼ばれる日も近いと思いますよ。
翻訳昔話も面白いし、挿絵も素敵ですし。
かなり笑いながら、最後まであっという間に読んでしまいました。
機会があったら、ぜひ、一読をお勧めいたします。
また、「再翻訳」というワードでネット検索すると、この他にもたくさんの面白い誤訳などが出てきますので。
退屈しのぎに、そちらもどうぞ。
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お気軽に、どうぞ。
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スマホゲームの『どうぶつの森 ポケットキャンプ』やってます。
また、カレピのキャラとお揃いの格好してみました。
カレピにみしらぬ猫のかぶりものを手に入れてもらって、お揃いの格好をしてもらいたくて。
私はせっせと、自分のガーデンでつかまえたチョウチョをカレピのガーデンにおすそ分けしまくりました。
私の努力の甲斐あって、昨晩、無事にカレピもみしらぬ猫のかぶりもの、ゲットしてくれましたよー!
可愛いー♡
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いちご狩り行ったことある?
▼本日限定!ブログスタンプ
今日は可愛い日なんですねー!
いいな、イチゴの日!
いちご狩り、行ったことありますよー!
みかん狩りも、さくらんぼ狩りも行ったことあります!
ついでに、今朝も、イチゴ食べました!
イチゴは大好きでーす!