青空文庫で牧野信一の短編を読みました。







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まずは牧野信一の短編『ゼーロン』から。

 

青空文庫 図書カード

 

 

青空文庫で牧野信一の『ゼーロン』を読みました。

すごく奇妙で面白い小説でしたよ。


正直なところ、何が書かれているのかよく分からない部分も多いのですが、それでも妙な面白さがあるのです。


特に可笑しかったのが、全然いうことをきかなくて動いてくれない馬のゼーロンを追うために、主人公がその馬のお尻を拳でひたすらポカポカひっぱたいているところ。

なんだかドタバタ喜劇のようで、情景を想像すると笑ってしまいした。


この作品を読んで感じたのは、物語全体が一本のレールに沿って進んでいくというよりも、ある場面から連想された言葉やイメージが、次の場面を生み出していくようなところがあるということです。


一つ一つの場面にはつながりがあるのに、全体として何を描こうとしているのかは、いまひとつつかめない。


そのよくわかんないけど筋がある感じが、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』に登場する「ジャバウォックの詩」に少し似ているように思いました。


言葉の意味はよく分からないのに、なんとなく物語が進んでいるような気がする。

意味よりも、言葉やイメージの勢いを楽しむような感覚です。


幻想的で、ナンセンスで、どこか滑稽で。

理解しようとすると難しいのですが、分からないまま読んでも楽しめる、不思議な魅力のある作品でした。

 

 






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次は『鬼涙村(きなだむら)』でーす。

 

青空文庫 図書カード

 

 

青空文庫で、牧野信一の『鬼涙村』を読みました。


前に読んだ『ゼーロン』に続いて、こちらも同じように奇妙で面白い小説でした。


舞台となるのは、村人たちみんなが、お祭りに被るお面を用意している、不思議な村です。


しかもこの村には、気に食わない人のことを、祭りの日にみんなでお面をつけて顔を隠して一緒に担ぎ上げて罰を与える、という奇妙な風習まであります。


どうしてそんなことをするのか、いまひとつ理解できないのですが、村人たちは大真面目なのです。

この、馬鹿馬鹿しいことが当たり前のように行われている感じが、なんとも可笑しいです。


特に面白いと思ったのは、主人公のお面屋さんたちが村人の顔をけなしているところです。

心の中で村人の顔をあれこれ言っているけれど、結局は鏡のようなものに写った自分たちの顔を見たら、なんと同じように醜い顔をしていると気づくという。


他人を笑っているつもりが、実は自分も笑われるようなものだったのではないかという、なんだかそんな皮肉が込められているようにも感じました。


そして、結末もまた唐突です。


これからいったい誰が担ぎ上げられる犠牲者になるのだろう、と思っているうちに、結論がなくあっさり終わってしまいます。


『ゼーロン』もそうでしたが、牧野信一の作品は、物語の結末に向かってきれいに収束するというよりも、奇妙な出来事が次々と連なっていくところに面白さがあるように思います。


一つの場面から次の場面へ、言葉やイメージの連想によって話が進んでいくような感じです。


全体として何を意味しているのかは、やっぱりよく分かりません。

でも、その分からなさも含めて楽しめる小説でした。


個人的には、『ゼーロン』と同じくらい、あるいはそれ以上に、この奇妙な村の世界が印象に残りました。


今作は雰囲気もあるので、映像化しても映えそうな気がします。

 

 










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そして、もう一つ牧野信一の短編『吊籠と月光と』です。

 

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青空文庫で、牧野信一の『吊籠と月光と』を読みました。


『ゼーロン』『鬼涙村』に続いて、こちらもまた同じように奇妙で面白い小説でした。


主人公は、哲学や芸術についての悩みから逃れようとして、自分の人格をA、B、Cの三人の人物に分けて空想の世界に遊ばせ、現実逃避してしまいます。


もう、この発想からして妙なのですが、そこからさらに奇想天外な出来事が続いていきます。

現実と空想が入り混じり、話はどんどんおかしな方向へ進んでいくのです。


やはり他の作品同様に何が何だかよく分からないところもあるのですが、それでも不思議と面白いのです。


これまで読んだ牧野信一の作品にも共通しているのですが、この作品にも、一つの場面から次の場面へ、言葉やイメージの連想によって物語がつながっていくような感じがあります。


個々の場面はなんとなく理解できても、全体として何を描こうとしているのかは、いまひとつ分からない。


けれども、その脈絡のなさが、夢を見ているようでもあり、妙に可笑しくもあります。


そして、今作は特に面白かったのが結末です。


哲学や芸術の悩みから逃れようとしていた主人公が、最後には妻たちに本や時計や衣服を売られてしまい、泣き出してしまうのです。


あれほど大仰に哲学だの芸術だのの精神的な苦悩から逃れようとしていたのに、結局はごく現実的な生活上の問題に打ちのめされてめそめそ泣いてしまうという。


なんとも皮肉で、笑ってしまいました。


しかも、そんなところでお話は唐突に終わってしまいます。


『鬼涙村』もそうでしたが、牧野信一の小説は、きれいに話をまとめようという気があまりないようにも感じられます。


でも、だからこそ面白いのかもしれません。


幻想的で、ナンセンスで、どこか滑稽な。

今回も、よく分からないながらに楽しく読めた作品でした。

 

 

 

 

 

 

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こないだ最近よく聞く曲のYouTube貼り付けたので、牧野信一とはぜんぜん関係ないんですけど、今日も貼ってみます。


 

今回は舐達麻を脱退してソロになったG-PRANTSです。

 

私は舐達麻が大好きなので、もちろんG-PRANTSも大好きなのです。

 

 

 

 

 

 

 ↑ふつーにすごくかっこいい。

 

 

 

 ↑椎名林檎のサンプリングとか、登場人物全員がgprantsのMVとか、すごいポップで可愛らしいです。


舐達麻の時からくらべて、全然想像つかない作品ですねー。

所属グループの制約無しにもっと色んなことやりたかった人なのかもなーなんて思いました。

 

 

 

 

 

 

 

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過去記事もどうぞー↓

 

5年前の10月の記事です。

 

そういやフラゴナールの図録持ってたんだったっけ。

久しぶりに引っ張り出して眺めてみようかなー。