「氣遣う」とは、
子ども(相手)の氣持ちを思いやることです。
今、置かれている状況だとどう思うかしら?
何がわかると安心できるかしら?
どんな状況で過ごせれば、くつろげるかしら?
などなど、相手の立場に立って想像します。
ところが、「伝えている=気遣っている」
と思ってしまうことがあります。
子どもにこれから起こる出来事や、
自分のうっかりした失敗などを
伝えるだけでは、
相手を思いやる真心までは伝わりません。
伝えた出来事が起きたら、
何か困ることはあるかな?
不快に感じることはないかな?
どう伝えたら安心してもらえるかな?
そこまで想像して言葉を添えることで、
初めて「気遣ってくれている」
が伝わります。
さとる君は、中学入学後ほどなく
不登校になりました。
さとる君のお母さん、田中さんは、
「自分のことは自分でやること」
「相手のことを思いやって行動すること」
を大切に子育てしていらっしゃいました。
ところが、不登校になってからは、
「学校に行っていないのだから」と考え、
さとる君に関係する家族の予定や様子を
伝えないまま過ごされていました。
親から家族の一員として
認めてもらえていないように感じていたためか、
さとる君は不快なことがあると
壁をどんどん叩いていました。
そのような状態から
カウンセリングが始まりました。
まずは、田中さんに、
さとる君を家族の一員として
受け止めることを大切にしていただきました。
このとき、田中さんの中に起きる抵抗する
お氣持ちとは、しっかり向き合っていただきました。
そうしないと気遣ったフリになります。
子育ては「フリ」ではできません。
それまでとは違う習慣ですから、
さとる君を気遣う関わりはなかなかできません。
田中さんとさとる君のコミュニケーションは、
たま~にあるメールだけでした。
少しずつ気遣うコミュニケーションを続け、
8割近く定着したころのことです。
田中さんが送ったメールに対して、
さとる君から
「あおらないでください。」
と返信がありました。
しっかり気遣ったつもりだった田中さんは、
とても驚かれました。
そこで、どのようなメールを
送ったのか伺ってみると、
田中さんは「これから起こる事柄」
を伝えていらっしゃいました。
気遣っているつもりのメール
「午後からにぎやかになります。」
これは起こる出来事を伝えているだけです。
田中さんとしては、事前に知らせることで
気遣っているつもりでした。
しかし、さとる君の立場からすると、
「だから何?」
「自分はどうしたらいいの?」
となってしまいます。
気遣うメール
「午後からにぎやかになるので、
うるさい時は教えてください。」
こちらは、起こる出来事だけでなく、
「もし困ったら教えてね」
という相手への氣遣いが含まれています。
同じ出来事を伝えていても、
受け取る側が感じる温かさは
大きく違います。
気遣っているつもりは、
自分が伝えたいことを伝えること。
気遣うことは、
相手がどう感じるかまで
想像して言葉を選ぶこと。
ほんの少し心を寄せるだけで、
言葉は変わります。
このことを日々大切にできると
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