フーリガン通信
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祝 球春到来!

本日2013年のJリーグが開幕した。
今、開幕戦を観ながらこの記事を書いている。

しかし、意表をついて今回は同じく今晩開幕するワールド・ベースボール・クラシックWBCについて語りたい。

3連覇を目指すWBCの侍ジャパンの最終メンバー28人は去る2月20日に発表された。メンバー選考は33人の代表候補選手を招集し、合宿での練習や試合でコンディション、チームとしての適性を判断し、最後に5人を外すという方法が取られた。浅尾(中日)、山井(同)、大島(同)、村田(巨人)、聖沢(楽天)が無念の落選となり、その選考方法に対して選手や各方面から「ひど過ぎる」という怒り、不満、疑問の声が上がったという。それらの声を繋げてみると、どうやらこういうことらしい。

「誰かを落とすというのは、一流の選手に対して失礼な仕打ちだ」
「33人という中途半端な人数を選ぶからこうなる」
「最初から28人を決めて、故障者が出た場合に備えて“補欠”を選んでおけばよかった」
「そうすれば今回みたいに“さらし者”になる選手はいなかった」


私はこの話を聞いて少なからず違和感を持った。
「何がひどすぎるの?、“さらし者”ってどういうこと?」

そう感じたのは恐らく私だけではないだろう。サッカーファンはずっと前から、こんな場面を見てきている。もっとひどい、もっと理不尽な場面を。

思い出すのは1998年W杯フランス大会における日本代表のメンバー発表。
当時の日本代表も、登録メンバー22人に対し、5月上旬に25人の候補選手の名前を挙げ、以降合宿や準備試合を続けた。そして、大会開幕の直前にスイスのニヨンで行われた最終調整合宿の最中、岡田武史監督(当時41)は険しい表情で発表した。

「外れるのは北澤、カズ、三浦カズ、市川の3選手です。」

「日本をW杯に連れて行く」とブラジルから帰国し、アメリカ大会予選では「ドーハの悲劇」を体験し、フランス大会予選では苦しむ代表の中にあり最多得点という結果を残した。悲願の本大会初出場に貢献したカズ。その日本サッカー発展の功労者、日本サッカーを引っ張り続けた男が、苦闘の末にやっと手が届いた夢から、その手を離さなければならなかった。・・・その厳しさは今回のWBCの選手発表の比ではないだろう。

フランス大会のカズや北澤だけでなく、日韓大会では中村俊輔、ドイツ大会では久保竜彦、三浦淳宏、藤田俊哉…、小さな頃からW杯出場を目標に人生をかけて戦ってきた多くの選手たちが、夢の実現の目前で、“選考漏れ“という現実に直面してきた。
サッカーだけではない。4年に一度のオリンピックでも、毎回様々な競技で、同じような場面を我々は目撃してきたはずだ。

スポーツというのは勝ち負けを争うものである。勝者がいれば、敗者がいる。敵と戦う前に、敵と戦う権利を得るために味方と争わなければならない。「選考」も戦いなのである。そして、それらの戦いに勝つために選手は自分と闘うのだ。
選考に漏れた選手は無念であろうが、その悔しさは本人が噛みしめるものであり、その経験がその人間を強くする。選考に残った者を発表するにしても、選考から漏れた者を発表するにしても、発表の仕方を変えたとしても事実は同じ、戦いの結果は変わらない。

その戦いを「ひど過ぎる」と非難する選手は、その戦いに参加する資格はない。誇り高き敗者のことを「さらし者」と表現する者こそが選手を侮辱している。違うだろうか?

そして、このニュースの裏には、それ以上に腹立たしい話があった。
WBCの代表候補選手の中に、記者に対してこんなことを語っていた選手がいたという。

「張り切っているところを見せても、落とされたとき格好悪い。恥はかきたくないし、ほどほどにやります」

この選手が日本代表に残ったかどうかわからない。しかし、戦う気もない選手を代表候補に選んだ時点で、山本浩二監督の能力を疑うし、たとえ選考合宿期間の一時であったとしても、こんな恥知らずが胸に日の丸を付けてプレーしていたと思うだけで悔しくなる。

今回の選考方法に不満を漏らす選手や球団、それをことさらに取り上げるメディア、さらには陰でこんなコメントを発する選手。入れ替え戦もないリーグで危機感もなく戦い、一方で日本で最も高い水準の年俸を手にする日本の「プロ野球界」の“甘え”を感じざるをえない。

イチローの激しさに導かれた前回大会の“侍ジャパン”は応援したが、今回は応援しないことにした。
一度、惨めに敗れて「さらし者」になるのも良い経験だろう。


たった今、Jリーグの開幕戦が終わった。
昨年王者の広島はホームで浦和に1-2で敗れた。
これから熱い季節が始まる。

魂のフーリガン

We love RONALDO!

2月13日 UEFAチャンピオンズ・リーグ(以下欧州CL)決勝トーナメント1回戦ファーストレグ、レアル・マドリー対マンチェスター・ユナイテッドの一戦。日本人にとっての話題は何と言ってもユナイテッドの香川の出場&活躍であったが、世界中の話題は2009年にユナイテッドからレアルに移籍したクリスチアーノ・ロナウドの“古巣”との初対決ということだった。

ご存知の通り、ロナウドは2003-04シーズンにスポルティング・リスボンからユナイテッドに加入し、2008-09まで6シーズンにわたりイングランドでプレーした。16歳でプロデビュー(スポルティング・リスボン)とは言え、ユナイテッド入団時はまだ18歳。その彼にレアルに移籍していったベッカムの背番号“7”が渡されたことは当時大きな話題となった。しかし、当初こそその若さゆえの個人プレーが空回りしたものの、その成長と共にクラブは強くなり、2006-07から2008-09シーズンまでユナイテッドはプレミア・リーグを3連覇。2007‐08シーズンには欧州CLで9シーズンぶり3回目の優勝を飾る。
その活躍と貢献の証として、2006-07にはイングランドのプロフットボール選手協会PFA、サッカーライター協会FWA、ファン投票による3つの年間最優秀選手賞を受賞。2007-08にはプレミアリーグ得点王(31点)、ゴールデンブーツ(欧州最多得点王)、欧州CL得点王(8点)、PFAとFWAの年間最優秀賞の2年連続受賞、そしてフットボール界最高の栄誉であるバロンドール(当時は欧州最優秀選手賞)とFIFA最優秀選手賞をダブルで受賞した。そう、とにかくやんちゃだった18歳の若者はサー・アレックス・ファーガソンの薫陶を受け、遂に世界一のFootballerに育ったのである。

ユナイテッド時代、ロナウドが周囲とどれだけ良い関係を築いていたかは、私がこうして語るより、当事者達のコメントを聞けばよく判る。以下ネットでざっと拾ってみたので紹介しよう。(そのまま載せる。和訳の正誤は責任持てません。)

まずはクリスチアーノ・ロナウド本人から
「マンチェスターは僕にとってすごくいい時期だったよ。あそこで全てを勝ち取ることができた。僕の人生の中の素晴らしい一部分だった。若かったし、たぶんサッカーを一番楽しめていたのはあの頃だったと思う」
「世界最大のクラブの一つであるマンチェスター・ユナイテッドに、たった18歳で入れるのは夢のようなことだったよ!それにテレビでしか観たことがないような選手たちと一緒にプレーできるんだから…。一番楽しめたと思うのもそれが理由かもしれない」
「(ファーガソン監督は)素晴らしい人だ。僕に多くのことを教えてくれた。以前に言ったように、彼はサッカー界の父のような人だ。彼のこと、彼との関係が恋しいよ」
「ユナイテッド相手に何とかゴールを決めることができたとしても、ゴールを喜ばないだろう」


ロナウドは今季マドリーでの不満が伝えられ退団の噂が流れた。そこでユナイテッドのライバル、マンチェスター・シティへの移籍の可能性に言及され…
「マンチェスター・シティでプレーすることは、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても、とても難しい。それはとても難しい、マンチェスター・ユナイテッドのためにね」

次はユナイテッド監督サー・アレックス・ファーガソン
「移籍した時は若く、トッププレーヤーに成長していくと確信していた。疑問に感じたことはないね。ユナイテッドに来た当時は、自分のスキルを披露したがっていた印象だった。だが、少しずつ問題を解消していき、今やとても円熟した選手になった」
「我々は彼のキャリアの一部に携わったことを誇りに感じている。18歳でここに来て、6年間をここで過ごしてくれた。彼はずっとマドリーへ行くことを熱望していて、我々も彼のその希望に手を貸した」
「彼に忠誠心がなかったわけではない。移籍を希望してから、もう1年ここでプレーしてくれたからだ。彼はその約束を守って素晴らしい活躍をし、我々からの祝福を受けて出て行った。彼が6年間ここでプレーしたのは我々にとって幸運なことだったし、ファンも同じ気持ちだろう」
「クリスティアーノは、間違いなくより優れた選手になった。今の彼は、さらに成熟して、キャリアのピークにいる。クリスティアーノが私のところから去ったとき、彼はまだ若かった。それからのマドリーでの活躍は知ってのとおりだ。これほどゴールを決めるとは思っていなかったよ。彼とリオネル・メッシは世界のベストプレーヤーだね」


ファーガソンは監督として、父(年齢的にはお爺さんだが)として、誰よりもフットボーラーとしてのロナウドを知っているから、対戦直前にはこんな冗談まで…
「ロナウドはレアル・マドリーにとって大変重要な選手だ。178試合で179得点を記録している事実が証明している。彼について知っていることをネタに脅したっていいと思っているよ(笑)」

続いてユナイテッドで共にプレーした選手達
まずはDFリオ・ファーディナンド
「彼がここにいた時、ファンは彼のことを本当に評価していた。彼が離れてからも、ファンは彼のチャントを歌っている。彼は若手の頃に来て、ワールドクラスのプレーヤーになって去っていった。退団する時も今も変わらず、彼は多くの敬意を示し続けている」
「ロナウドにボールが渡ったら、できるだけ多くの人数をかけて囲まないとね」


続いてMFマイケル・キャリック
「全員がロナウドとの良い思い出を持っている。彼のマドリッドでの活躍は素晴らしいね。2、3人でマークする必要があると思っているよ」

OBのオーレ・グンナー・スールシャール(「童顔の殺し屋」といわれたスーパーサブ。現ノルウェーチャンピオン・FCモルデ監督)
「彼は18歳でユナイテッドに来て、彼が一人前の男になるのを見てきた。もし一人だけ選手を獲得できるなら、私はロナウドを獲るよ。メッシもファンタスティックだ。でも私は、ロナウドが良いね」
「ユナイテッドに勝ってほしい。でも、ここまでどちらに転ぶか分からないのは初めてだ。ロナウドが3点決めて、4-3でユナイテッドの勝利が良いね」


ただのOBではないレジェンド中のレジェンド、故ジョージ・ベストは、ロナウドのユナイテッドでのデビュー戦後にこう語った。
「There have been a few players described as the new George Best over the years, but this is the first time it's been a compliment to me.(これまでにも“第2のジョージ・ベスト”と言われた選手は何人かいたが、それが“私に対する賛辞”だったことは今回が初めてだ)」

確かにドイツW杯のイングランド-ポルトガル戦でロナウドの抗議によりルーニーが退場した“ウインク事件”、質の高いクロスを供給してくれたベッカムに比べ個人突破ばかり試みる7番に不満が募ったという“ファン・ニステルローイとの不仲説”など、危ない話もない訳ではなかったが、誰よりもハードに練習しクラブに多くの勝利をもたらしたロナウドに対しては、上記のように好意的なコメントが圧倒的に多い。皆、若いロナウドを愛していたのである。


そして迎えた2月13日、レアルのホーム、サンチャゴ・ベルナベウ・スタジアム。ゲームの結果はご存知だろう。
香川がトップ下で先発したユナイテッドは20分にウェルベックのヘッドで先制するが、その10分後にロナウドが豪快なヘッドで同点弾を叩き込んだ。
ファーガソンはゲーム後にロナウドの成長を喜ぶかのように語った。
「信じられないヘッドだった。あれは止められないね。私はハーフタイムにパトリス(マークについていたエブラ)に、『なぜ競らなかったんだ?』と言ったが、その後で映像を見て、『何を言っているんだ?』と思った」

一方のロナウドは、対戦前に語っていた通り、駆け寄る仲間達をなだめるかのように両手で制し、厳しい表情を崩さず、貴重な得点にも歓喜することはなかった。
「6年間プレーしたクラブだ。リスペクトがあるから、ゴールを喜ぶことはなかった。僕を育ててくれたクラブだね。特別な愛情を持っているんだよ」

スコアは動かず、ゲームは1-1で終了した。ゲーム後のサンチャゴ・ベルナベウのピッチサイドで、ホームクラブの28歳のエースは、対戦相手の71歳の老将の胸に飛び込んだ。
大きくなった白いユニフォームの背番号7にしっかり手を回し受け止めるファーギー。この瞬間にはどんな形容の言葉も要らないだろう。


「50-50」
ファーガソン、モウリーニョの両監督が共に「オープン」と認める状態で、両者は3月5日にセカンド・レグを迎える。
場所はロナウドが6年間を過ごしたユナイテッドのホーム、オールド・トラフォード。
“Theatre of Dreams”と呼ばれる舞台で、今回以上の激しいスリルとほんの少しの感傷を味わえる我々は本当に幸せである。

こういう泣ける話、実は大好き。

魂のフーリガン

$フーリガン通信

ラトビア戦に物申す!

2月6日の日本代表対ラトビア代表戦。
深夜まで仕事をしていたので観ることができなかったが、今回は最初から録画も撮っていなかった。あまり興味がなかったからである。なぜなら、戦う前から結果はだいたい察しがついていた。そして実際の結果も…内容については言うまい。ちゃんと観ていなかったのだから。

しか~し、日本サッカー協会さん。この“マッチメイク”は何?

ラトビアは欧州でも元々強いとはとても言えないレベルの国で、現在戦っているW杯予選も絶望状態。しかも、日本と同じ″シーズンオフ”のロシアやラトビアでプレーしているが多かったんだって?
もっと寒いところから来てるんだから、気候は関係ない。日本のメンバーだってほとんど欧州から来てるんだから、時差の条件も同じ。しかし、セルジオ越後さんの表現を借りれば、後半は「プッツンいっちゃった」。当たり前でしょ。

世界から見れば注目もされていないゲームだから、選手個人にしたってモチベーションが上がらない。たまたま日本まで行けて、ゲームをすればお金ももらえる。だからから来ただけなんですよ。勝ちたいなんて少しも思っていないチームですよ、はっきり言って。

要するに、舐められているんだよ。
それで「快勝」って、そんなに浮かれていていいのかな。


FIFAが指定するInternational Match Day には、世界各国で国際親善試合が組まれる。
この通信の読者なら知ってると思うが、日本-ラトビア戦が行われた同じ日、世界ではではこんな国際親善ゲームが組まれていた。

イングランド 2-1 ブラジル
フランス 1-2 ドイツ
スペイン 3-1 ウルグアイ
オランダ 1-1 イタリア
スウェーデン 2-3 アルゼンチン

「W杯で優勝を目指してます。」って公言している日本。
言うのは勝手だけど、これらの10カ国と戦って、日本は勝てるのかな?

断言しよう。今の日本代表は“本番”で戦ったらこれら10カ国全部に負けます。昨年のフランス戦、ブラジル戦、覚えてるでしょ?あれがFootballの世界の現実だよ。
フランスに勝ったじゃないかって?あれで喜んでるようじゃあ、「Footballが好きです」って言って欲しくないな。

聞くところによると、ザックはこれから格下のチームとのマッチメイクを日本サッカー協会に依頼したという噂があるという。W杯に向け、格下相手に戦いながらコンビネーションを高め、日本のチーム戦術の完成度を高めるとか。
選手の多くは欧州でプレーするから個人はそちらで鍛えられる、コンフェデレーションズ杯で強豪とは手合せができるから…そんな理由でそういう準備の仕方を評価する声もあるようだが、私は大反対である。

本当にW杯での優勝を目指すなら、優勝をしたいのなら、日本サッカー協会は、格上のチームとのゲームをどんどん組んで行かなければならない。Footballは格闘技。“型”を競う採点競技ではないのだ。強い相手と戦わず、強くなれるわけがない。格下相手に通用することが、格上相手に通用しないって現実をたくさん見てきたでしょ。Football、いやスポーツをバカにしてはいけない。

だから日本サッカー協会にお願いする。スポンサーのキリンとしては日本が勝つ相手とゲームをして欲しいだろうが、もっと強い相手、戦うことで成長ができる相手との“マッチメイク”をして欲しい。前に出てきた10か国のような相手と。マッチメイクだって楽をしてはいけない。

そうそう、そういえば同じ日にお隣の韓国はロンドンでFIFAランキング10位のクロアチアと対戦した。バイエルンで絶好調のマンジュキッチ、レアルで活躍するモドリッチを擁するフルメンバーのクロアチアに、韓国は4-0の大敗を喫した。

現実と向き合って、問題点が露呈し、危機感が生まれた韓国。お茶を濁す興業で快勝して、満足しちゃった日本。これから強くなるのはどちらだろう…


親善試合で負けてもいいよ。成長する日本代表を観たいから。本番で勝つ日本代表を観たいから。みんなもそうでしょ?

日本サッカー協会には、「強化試合」の意味、もう一回考えて欲しい。


魂のフーリガン
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