"Oh! Darling" | タコさんの庭

タコさんの庭

ビートルズの歌詞和訳に挑戦

"Oh! Darling"

Writers : credited  Lennon-McCartney (by Paul McCartney ) 

Artist : The Beatles

Recorded : 1969/04/20,26  07/17,18, 22,23  08/11 EMI Studios

Released : 

1969/09/26(UK), 10/01(US),  10/21(JP)「Abbey Road」A面4曲目

1996/10/26「The Beatles Anthology 3」(Savile Row Sessions) 

2018/09/11「The Beatles 」Special Edition

          (jam)

2019/08/08 「Abbey Road」(Super Deluxe Edition) 

                             (2019 Mix)

                             (Take 4) 

2023/11/10 「The Beatles: 1967-1970 (2023 Edition)」

 

 

2021年に発売された ポールの本「The LYRICS」には載っていませんでした。

2024年8月28日追記あり

               <歌詞和訳>"Oh! Darling" 

                          邦題 "オー! ダーリン"

[Verse 1]

Oh darling, please believe me

I'll never do you no harm
Believe me when I tell you
I'll never do you no harm

    嗚呼 最愛の人 どうか僕のことを信じて

    僕は決して 君を傷つけることはしないから

    君に話す時 僕を信じてくれよ

    僕は決して 君を傷つけることはしないから

 

[Verse 2]

Oh darling, if you leave me
I'll never make it alone
Believe me when I beg you
Don't ever leave me alone

    嗚呼 最愛の人 君がもし僕の元から去ったら

    僕は絶対に無理だ  一人では…

    君に懇願する時 僕を信じてくれよ

    どんなことがあっても 僕を一人にして去らないで

    

[Bridge]

When you told me
You didn't need me anymore
Well, you know I nearly broke down and cried
When you told me
You didn't need me anymore
Well, you know, I nearly fell down and died

    君が僕に…

    「おまえは もはや俺には必要ない」と言った時

    なぁわかってる? もう少しで僕が打ちのめされ泣くところだったのを

    君が僕に…

    「おまえは もはや俺には必要ない」と言った時

    なぁわかってる? もう少しで僕が崩れ落ち死ぬところだったのを

 

[Verse 3]

Oh darling, if you leave me
I'll never make it alone
Believe me when I tell you
I'll never do you no harm

    嗚呼 最愛の人 君がもし僕の元から去ったら

    僕は絶対に無理だ  一人では…

    君に話す時 僕を信じてくれよ

    僕は決して 君を傷つけることはしないから

 

Believe me, darling

    信じてくれ 最愛の人

 

[Repeat Bridge]

When you told me
You didn't need me anymore
Well, you know I nearly broke down and cried
When you told me
You didn't need me anymore
Well, you know, I nearly fell down and died

    君が僕に…

    「おまえは もはや俺には必要ない」と言った時

    なぁわかってる? もう少しで僕が打ちのめされ泣くところだったのを

    君が僕に…

    「おまえは もはや俺には必要ない」と言った時

    なぁわかってる? もう少しで僕が崩れ落ち死ぬところだったのを

 

[Verse 4]

Oh darling, please believe me
I'll never let you down
Oh, believe me, darling
Believe me when I tell you
I'll never do you no harm

    嗚呼 最愛の人 どうか僕のことを信じて

    僕は決して 君を失望させないから

    嗚呼 信じてくれ 最愛の人

    君に話す時 僕を信じてくれよ

    僕は決して 君を傷つけることはしないから

 

 

????

1968年、ジョンは、シンシアと離婚。洋子さんとの活動を始めました。

それだけでなくジョンは、ザ・ビートルズのレコーディング(ホワイトアルバム)の時まで、

洋子さんを連れてくるようになりました。

今までのザ・ビートルズの関係が崩れようとしています。

そんな状況に、ポールが思いついた企画が、翌年1969年1月2日から始まります。

通い合宿状態で4人で新曲を作り、原点に戻ってライブ・パフォーマンスをしたいというのが、ポールの考えだったようです。マイケル・リンゼィ・ホッグ監督のもと、撮影も行われました。

そしてその映像が、52年経った2021年11月に、

映画『ザ・ビートルズ:Get Back』となって、ディズニープラスで全世界に配信されました。

その映画「Get Back」を見ると、

1969年1月16日木曜日、トゥイッケナム・スタジアムの最終日。

アップル・スタジオへ移動するためスタッフによる片付けが行われています。

そんな中、ポールはクイックデモを録音するためにトゥイッケナム・スタジアムに一人で立ち寄り、ピアノを弾きながら"Oh! Darling" を歌っていました。

 

"Oh! Darling" は、ジョンとの関係がうまくいっていないポールの心の叫び??だと思いました。

「I」はポール、「you」はジョンを妄想して訳しました。

 

 

[Verse 1]

Oh darling, please believe me

I'll never do you no harm
Believe me when I tell you
I'll never do you no harm

    嗚呼 最愛の人 どうか僕のことを信じて

    僕は決して 君を傷つけることはしないから

    君に話す時 僕を信じてくれよ

    僕は決して 君を傷つけることはしないから

 

do ~ no harm」は、ジョンが歌った "Happiness is a Warm Gun" にも出てきました。

"Happiness is a Warm Gun" [Verse 3]

 

When I hold you in my arms (Ooh, oh, yeah)

And I feel my finger on your trigger (Ooh, oh, yeah)

I know nobody can do me no harm (Ooh, oh, yeah)

Because

    君を 腕に抱き

    君の引き金に 俺の指が触れるとき

    俺は確信する 誰も俺を傷つけることはできないと…

    なぜなら…

 

I'll never do you no harm」(僕は決して 君を傷つけることはしないから)は、

ジョンの"Happiness is a Warm Gun" への、ポールの返事だと妄想し、

"Happiness is a Warm Gun" を訳した時と同じ訳にしました。

 

「嗚呼 ジョン! どうか、ぼくのことを信じてくれよ。ぼくはもう決して君を傷つけることはしないから。僕がおまえに話すときは、僕を信じて欲しい。ぼくはもう決して君を傷つけることはしないから。」??

 

 

[Verse 2]

Oh darling, if you leave me
I'll never make it alone
Believe me when I beg you
Don't ever leave me alone

    嗚呼 最愛の人 君がもし僕の元から去ったら

    僕には絶対に無理だ  一人では…

    僕が君に懇願する時 僕のことを信じてくれ

    どんなことがあっても 僕を一人にして去らないで

 

I'll never make it alone」の訳は

みんなで学ぶNHK語学フレーズ 「ゴガクル」を参考にしました。

 

 

We'll never make it!

これじゃ無理だ!

 

make it は 「間に合う」「うまくいく」の意味ですから will never make it は文脈によって「間に合わない」「うまくいかない」 「無理だ」などの意味になります。 A: Let's hurry. We still have five minutes before the movie starts.   (急ごう。映画が始まるまでまだ5分あるよ) B: No, we'll never make it. Let's have lunch first and see the next show. (いや、間に合わないよ。お昼を先に食べて、次の回の上映を見よう)

I'll never make it alone」(僕には絶対に無理だ  一人では…)

 

 

Don't ever leave me alone」(どんなことがあっても 僕を一人にして去らないで)

英辞郎より

don't ever : どんなことがあっても~だけはするな

 

 

 

[Verse 4]

Oh darling, please believe me
I'll never let you down
Oh, believe me, darling
Believe me when I tell you
I'll never do you no harm

    嗚呼 最愛の人 どうか僕のことを信じて

    僕は決して 君を失望させないから

    嗚呼 信じてくれ 最愛の人

    君に話す時 僕を信じてくれよ

    僕は決して 君を傷つけることはしないから

 

映画「Get Back」で、初日の1月2日

ジョンは、ジョージとリンゴと輪になり"Don't Let Me Down" を歌っています。

そこに、遅れてきたポールが座ります。

"Oh! Darling" の「I'll never let you down」(僕は決して 君を失望させないから)は、

ジョンの"Don't Let Me Down" を聞いたポールの返事だと妄想して

"Don't Let Me Down" を訳した時と同じ訳にしました。

 

"Don't Let Me Down" [Chorus]

 

Don't let me down, don't let me down

Don't let me down, don't let me down

    僕を失望させるなよ 僕を失望させるなよ

    僕を失望させるなよ 僕を失望させるなよ  

 

 

 

1969年1月27日 月曜日

The Beatles first rehearsed ‘Oh! Darling’ on 27 January 1969, during a session at the Apple Studio in London’s Savile Row. With Billy Preston on keyboards, the somewhat ragged recording turns into an improvised jam, ending with John Lennon’s announcement that “I’ve just heard that Yoko’s divorce [from Tony Cox] has just gone through. Free at last!”

 

ザ・ビートルズは、1969年1月27日、ロンドンのサヴィル・ロウにあるアップル・スタジオでセッションで、初めて"Oh! Darling" を(みんなで)リハーサルした。ビリー・プレストンもキーボードで参加していた。ちょっとぐだぐだしたレコーディングは即興のジャムに変わっていき、ジョン・レノンの告知で終わっている「たった今聞いた、ヨーコの(トニー・コックスとの)離婚が成立した。ついに自由だ!」

 

訳は信じないでください。

 

そのジャムは

1996年10月に発売された「The Beatles Anthology 3」4分7秒

2018年9月に発売された「The Beatles 」Special Edition 5分19秒

で、聴くことができます。

 
そのジャムの2回目の[Bridge]で、
ポールが「Believe me when I tell you」と歌うと
ジョンは「Oh, I do」(あぁ僕は信じるよ) と歌いますラブラブ音符
 
そのすぐあとのことです。
座って"Oh! Darling" を歌っているジョンに、洋子さんが近寄ります。
すると、ジョンはとても嬉しそうに、演奏しながら洋子さん見てにこにこ顔です。
そして洋子さんは、ジョンが演奏中なのに、膝立ちしてジョンに長いキスをします。
 
"Oh! Darling" の演奏が終わると、

ジョンはポールに向かって宣言します。

「Just herd that Yoko's divorce has just gone through. Free at last」

(たった今聞いたんだけど、洋子の離婚がやっと成立した。ついに自由だ)

ポールもジョージもリンゴも、それに対し言葉は発しませんが、笑っています。

 

続けて、ジョンはギターを弾き"Oh! Darling" のメロディで替え歌します

ジョン :  "I'm free, This morning, My baby told the lawyer, it's okay"(英語CC)

   「僕は今朝自由になった。僕のベィビィが弁護士と話した。うまくいった。」(私の訳です)

ポール :  "Yeah. yeah"

続けて、再びポールとジョンの "Oh! Darling" のジャムが始まります。

そして[Outro] で、ほとんどセリフのポールの言葉「No blame」で終わります。

No blame」(君をとがめたりはしないよ) (君のせいではない) 等々。

blame : 非難する、とがめる、負わせる、(…を)(…の)せいにする、帰する、(…の)せいにする、のろう

 

洋子さんの離婚が成立して、ポールはどう思ったのでしょうか。

 

 

ポールの話

バリー・マイルズ著 「ポール・マッカートニー/ メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」翻訳 竹林 雅子 739ページ 1997年10月に発売

 

ポール「思い通りのヴォーカルを録りたくて、毎朝、スタジオ入りしては、何度もトライしたことを思い出す。ハンド・マイクを使ったり、スタンド・マイクにしてみたり、ありとあらゆる方法を試して、自分でまあ満足出来るヴォーカルをやっとのことで録音した。ちょっと大声で歌い飛ばしてるから、投げやりな感じがすると思ったら大間違いだよ。この歌のポイントを見落としてるね。僕にとっては珍しいことだったんだ。普段なら、いろいろ試したとしても、ヴォーカルは一日で仕上げていたからね」。

ジョンは後にこうコメントしている。「『オー! ダーリン』はポールの素晴らしい曲の一つだけど、余り上手く歌ってないね。僕の方が上手く歌えるのにと思ったよ。あれは彼よりも僕のスタイルの歌だった」。

 

2024年8月28日追記

エンジニアの話 

「The COMPLEATE BEATLES Recoding sessions」マーク・ルウィーソン著 内田久美子訳

 

Thursday 17 July/7月17日(木)

第3スタジオ : 2.30-6.30pm. レコーディング : "Ohl Darling" (第16 テイクへのS1)、第2スタジ オ : 6.30-11.15 pm. レコーディング : "Octopus's Garden" (第32テイクへのSI).  P: ジョージ・マーティン.E: フィル・マクドナルド.2E: アラン・パーソンズ.

 

「『ABBEY ROAD』 セッションに関していちばん思い出深いのは、ボールが毎日午後2時か2時半に第3スタジオへひとりでやってきて、"Oh! Darling" のヴォーカルを録音したことだ」とアラン・パーソンズ。「『ABBEY ROAD』のセッションはいつもそんな感じで、ビートルズの4人が全員揃うことはめったになかった。ジョンやポールやジョージがそれぞれにいろんなことをやっていて、一緒になるのはプレイバックのときくらいのものだったけど、ポールは続けざまに何日も"Oh! Darling" のリード・ヴォーカルを録りにきたんだ。毎日スタジオに入ってきて、歌って、『ああダメだ、明日またやってみる』と言ったよ。1日に1回ずつしか歌わなかったのは、ある種の粗削りな感じを出したかったからじゃないかな。何度も歌ってると声が変わってきちゃうからね。『5年前ならこんなのあっという間にできたのに』と彼が言ったのを覚えてる。たぶん "Long Tall Sally" や "Kansas City" の時代のことを言いたかったんだろう」
 ジョン・カーランダーもこれらのオーバーダブを目の当たりにした。「ポールは‟朝一番の仕事” 的な効果を狙ったんじゃないかと思います。‟夜寝る前の仕事”と言ってもいいですけど。とにかく彼は毎日ほかのメンバーより1時間ほど早くやってきて、あの曲を歌いました。毎回、前に録音したものを消して吹き込み、納得が行くまでそれを繰り返したんです」

 

辞書

情報提供元(著作権者)Weblio英辞郎goo辞書

darling : かわいい人、最愛の人、お気に入り(の人、動物)

do harm : 害[損害・損傷・被害]を及ぼす、危害を加える

tell : 告げる、話す、語る、言う、述べる、(…を)告げる、伝える、(…と)言う、知らせる、命じる

leave : 去る、出る、出発する、やめる、退学する、卒業する、暇を取る、脱退する、捨てる、見捨てる

beg : 請い求める、頼む、懇願する、(…を)懇願する、願う、請う、(…と)頼む、せがむ、(失礼ですが)させてもらう、はぐらかす

don't ever : どんなことがあっても~だけはするな

tell : 告げる、話す、語る、言う、述べる、(…を)告げる、伝える、(…と)言う、知らせる、命じる

anymore : 今は、もはや(…ない、しない)

nearly : ほとんど、もう少しで、かろうじて、危うく、密接に、親密に

break down : 他動詞〈人(の心など)を〉打ちのめす;

                    自動詞 打ちのめされる,取り乱す,〈健康・気力などが〉衰える

fall down : 落ちる、落下する、とれて落ちる、散る、倒れる、倒れてなる、(敬意を表わして、または神を崇めて)平伏する、くずれ落ちる、くずれる