"Long, Long, Long"
Writers : George Harrison
Artist : The Beatles
Recorded : 1968/10/07,08,09 EMI Studios
Released :
1968/11/22「 The Beatles」 C面7曲目
2018/09/11「The Beatles 」Special Edition
(2018 Mix)
(Take 44)
改行・大文字・小文字は、ジョージ・ハリスン著『I・ME・MINE』の本に載っていた通りです。216ページ
[Verse 1]
It's been a long long long time
How could I ever have lost you
When I loved you
長い 長い 長い時が流れた
今までに 僕があなたを失うことなど どうしてできたでしょうか
ずっとあなたを愛してきたのに
[Verse 2]
It took a long long long time
Now I'm so happy I found you
How I love you
長い 長い 長い時間がかかった
あなたを見つけた僕は 今とても幸せです
どんなにあなたを愛していることか
[Bridge]
So many tears I was searching
So many tears I was wastingOh ... Oh ...
たくさん泣き 僕はずっと探し求めていた
たくさん泣き 僕はずっと無駄をしていた
嗚呼 ... 嗚呼 ...
[Verse 3]
Now I can see you be you
How can I ever misplace you
How I want you
Oh I love you
You know that I need you
Oh I love you
今僕は あなたが見える あなたがいるのが…
もはや あなたのいる場所を間違えることなど どうしてできるでしょうか
どんなにあなたを望んだことか
嗚呼 あなたを愛します
あなたはご存じなのですね 僕にはあなたが必要だということを…
嗚呼 あなたを愛します
ジョンは "Savoy Truffle" に引き続き、レコーディングに参加していないそうです。
ジョージの歌です。「神」のことを歌ったそうです。
ジョージ・ハリスン著「I・ME・MINE」 ジョージ・ハリスン伝記 山川真理訳 217ページ
洋書 初版1980年8月
「ロング・ロング・ロング」に出てくる「あなた」とは神のことだ。この曲のことはあまり思い出せないのだが、コードに関してはボブ・ディランの「ローランドの悲しい目の乙女」がヒントだったと思う。DからEマイナー、D、Aという三つを使ったコード進行だ。レコーディングのあいだずっと、レズリー・スピーカーの上に「ブルー・ナン」のワインのボトルが置いてあった。われらがポールがオルガンの鍵盤を叩くと、スピーカーがふるえ、ボトルがカタカタと音をたてはじめた。レコードでもそれを聴くことができる。曲のいちばん最後のところだ。
ジョージはヒンドゥー教になりました。
バリー・マイルズ著 「ポール・マッカートニー/ メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」翻訳 竹林 雅子 533ページ 1997年10月に発売
1967年にジョージはマイルズにこう話している。
「ラヴィ(シタールの有名な奏者です)は僕の音楽面でのグル・・・・・後になって、これはすべてじゃない、これは足がかりに過ぎないんだと気がついてね。音楽を通じて、精神的な部分に到達したんだよ。これをきっかけに、やがて僕はヒンドゥー教徒になった……自分自身が気持ち良く感じる何かがあるんだよ。ヨガや宇宙的なお経を唱えることで得られる、あの高揚した感覚。どこにいても高揚出来るんだ。クスリなんかで得られるものとは全然違う。直接、宇宙船に乗り込める感じなんだよ」。
ジョージはヴィヴェカーナンダ(*ラーマ・クリシュナ・ミッションを設立したインドの哲学者/宗教家)の活動に非常に感銘を受けてはいたが、まだ個人的なグルにはついていなかった。ビートルズの他のメンバーもジョージのヒンドゥー教への興味と傾倒を共感と敬意を持って見守っていたが、インド哲学はジョージだけが特に興味を示す分野であった。1967年8月にポールはNME紙にこう語っている。「ジョージが偉大なる信仰を持っていることを、ある意味で僕は羨ましく思う。どうやら彼は、今まで探し求めていたものを見つけたようだから」。
[Verse 1]
It's been a long long long time
How could I ever have lost you
When I loved you
長い 長い 長い時が流れた
今までに 僕があなたを失うことなど どうしてできたでしょうか
ずっとあなたを愛してきたのに
「How could I」について勉強しました。
「今までに 僕があなたを失うことなど どうしてできたでしょうか いやできませんでした」
という意味になるそうです。
How could I...? で「どうして~ができるだろうか、いやできない」と反語的に使う表現です。How could I say no? で「私はどうしてノーと言えるだろうか」→「ノーと言えない/断れない/衝動を抑えられない」といった気持ちを込めることができます。ドラマ内では「買うしかないでしょ!」というニュアンスで使っています。could は can の過去形ですが、過去形を使うことで丁寧な印象になります。
「It's been」は、「It has been」 の省略形で現在完了形だそうです。
現在完了形は、「have」+「過去分詞」の形をとり
過去から現在につながっているイメージをするとよいそうです。
「How could I ever have lost you」の「ever」について…
https://kimini.online/blog/archives/16359
現在完了型の文章の中で使われる場合の「ever」意味は「今までに」。
物事を強調するときの「ever」は、現在完了型である必要はなく、意味は「一度だって~ある」。
だそうです。
「今までに」と「一度だって」で迷いましたが、前者で訳しました。
「How could I ever have lost you」
「今までに 僕があなたを失うことなど どうしてできたでしょうか。いやできませんでした。」
「長い時が流れた。今までにあなたを(神を)信じない選択肢など僕にあったでしょうか?いやありませんでした。あなたを愛していたのですから。」
[Verse 2]
It took a long long long time
Now I'm so happy I found you
How I love you
長い 長い 長い時間がかかった
あなたを見つけた僕は 今とても幸せです
どんなにあなたを愛していることか
『素顔のジョージ・ハリスン LIVING IN THE MATERIAL WORLD』
著者 オリヴィア・ハリスン 翻訳 岡 由美 220ページ
ラヴィとシタールは、精神的なつながりを探すための口実のようなものだった。僕は聖人やヒンズー教の指導者や、神秘主義者たちの本を読みまくっては、その人たちに会いに出かけた。ラヴィとラジュ兄弟が賢者たちの本をたくさん見つけてきてくれてね。その本のなかに、インドの聖人のひとりであるスワミ・ヴィヴェーカーナンダの本があった。そこでこう言っている。「もし神がいるのなら、会いに行かなければならない。そしてもし霊魂が存在するのなら、気づかなければならない。会いにも行かなければ、気づこうともしないなら、いっそのこと信じないほうがいい。偽善者に比べたら、ずけずけとものを言う無神論者の方がまだましだ」
ジョージ
本をたくさん読むなんて、ジョージは勉強家ですね。
以下は、そんなジョージが神を感じた時のことが書いてると思いました。
ジョージ・ハリスン著「I・ME・MINE」 ジョージ・ハリスン伝記 山川真理訳 85ページ
洋書 初版1980年8月
LSDの狂気(と言っても、恐いことはほとんどなかった)を脱したあと、何度か「ビリビリッとする」何かを感じた。そのときは笑ってしまった。そういうものを思い描いていたわけではないし、 「神」という言葉さえ口にすることができなかった。正直言ってとまどった。が、あまりにも不思議な、それこそ神々しいできごとだったので、恐れも、疑念も、心にひっかかっていた些細なことも、すべて消し飛んでしまった。
だからぼくは歌ったのだ。「神よ。わたしの大切な神よ(ルビ:マイ・スウィート・ロード)、心からあなたに会いたい、あなたのことを知りたい。どうして一生おびえ続けなければならないのか。わたしの中にある恐れを洗い流してくれ」と。あれ以来、ぼくは懸命になって、幸運にもかいま見ることのできたあの輝く小さな光を、消さずに守り続けていこうとしている。そして、その光をもっと、もっと、もっとわかりやすい形で、まわりに示していこうとしている。自分自身がその光になってしまうまで、ずっと。それはとてもたいへんなことだ。時には、神について大声でしゃべりたくなる。神は確かにそこにいるのだ。だが、それを説明しようとすると、空虚な言葉の羅列のようになってしまう。
ぼくの思いはとても単純だ。音楽ビジネスの世界にフルタイムで足を踏み入れる気はない。なぜなら、自分は庭師だからだ。花を植えて、生長を見守る。クラブやパーティに出かけたりはしない。家にいて、ひたすら川の流れを見つめているのだ。
[Bridge]
So many tears I was searching
So many tears I was wastingOh ... Oh ...
たくさん泣き 僕はずっと探し求めていた
たくさん泣き 僕はずっと無駄をしていた
嗚呼 ... 嗚呼 ...
「So many tears」の訳に迷いました。
(Take 44)では、以下のように歌っていました。
So many years I was searching
So many tears I was wastingOh ... Oh ...
「So many years I was searching」だと、すんなり訳せます。
「長年」「何年も」「長い年月」、「僕はずっと探し求めていた」
「So many years」が、最終的に「So many tears」になったと考えると…
「So many tears I was searching」の訳は
「たくさん泣き 僕はずっと探し求めていた」に決まりました。
[Verse 3]
Now I can see you be you
How can I ever misplace you
How I want you
Oh I love you
You know that I need you
Oh I love you
今僕は あなたが見える あなたがいるのが…
もはや あなたのいる場所を間違えることなど どうしてできるでしょうか
どんなにあなたを望んだことか
嗚呼 あなたを愛します
あなたはご存じなのですね 僕にはあなたが必要だということを…
嗚呼 あなたを愛します
「Now I can see you be you」は、ジョージの手書きの歌詞には
「Now I can see you - be you」と「- 」がありました。
「今僕は あなたが見える あなたがいるのが…」と訳しました。
「misplace」の訳に迷いました。初めての単語でした。
misplace : (…を)置き違える、(…を)置き忘れる、誤って与える、見当違いな対象に寄せる、(…に)誤ってつける、不適切にすえる
意訳して、「~のいる場所を間違える」にしました。
「ever」は、「もはや」と意訳?しました。強調と考えました。
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