"Wild Honey Pie" | タコさんの庭

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ビートルズの歌詞和訳に挑戦

"Wild Honey Pie"

Writers : credited Lennon-McCartney (by Paul McCartney )

Artist :  The Beatles

Recorded : 1968/08/20 EMI Studios

Released : 1968/11/22 「The Beatles」A面5曲目

2018/09/11「The Beatles 」Special Edition (2018 Mix)

          

 

ポールの本「The Lyrics」には載っていませんでした。

<歌詞和訳>"Wild Honey Pie" 邦題 "ワイルド・ハニー・パイ"

 

Honey pie, Honey pie
Honey pie, Honey pie
Honey pie, Honey pie
Honey pie, Honey pie
I love you

    ハニーパイ ハニーパイ

    ハニーパイ ハニーパイ    

    ハニーパイ ハニーパイ

    ハニーパイ ハニーパイ

    僕は君を愛しているよ

 

 

??

「Honey pie」について。

「愛しい人」のことを「ハニーパイ」と呼ぶと書いてあるサイトがあるのですが…

それが昔からなのか、ポールが最初なのかはわかりませんでした。

 

What is honey pie? Why does he always call me honey pie instead of honey?

ハニーパイって何?なぜ彼はいつも私のことをハニーではなくハニーパイと呼ぶのでしょうか?

 

"Honey pie" is a term of endearment or a pet name that someone might use to refer to a loved one or a romantic partner. It's a playful and affectionate way to address someone, similar to calling them "honey" or "sweetheart." The addition of "pie" at the end is often used to make the term sound even sweeter or more endearing.

If someone is calling you "honey pie" instead of just "honey," it could be because they want to add an extra layer of affection or playfulness to the term. It might be their way of expressing fondness or emphasizing how sweet they find you.

Ultimately, the specific reason why someone chooses to use "honey pie" instead of just "honey" may vary from person to person. It's best to ask the person directly if you're curious about why they use that particular term of endearment for you.

 

「ハニーパイ 」は、誰かが愛する人やロマンチックなパートナーに注意を向けるために使う愛情表現 もしくはペットネームです。「ハニー 」や 「スィートハート 」と呼ぶのと同じように、遊び心と愛情を込めた呼び方です。語尾に 「パイ 」をつけることで、この用語がさらに甘く、より愛らしく聞こえるようにするためによく使用されます。

誰かがあなたのことを単に「ハニー」ではなく「ハニーパイ」と呼んでいる場合、それはその人がその言葉に愛情や遊び心を加えたいからかもしれません。それは、あなたへの好意を表現する方法かもしれないし、あなたがどれだけ優しい人かを強調する方法かもしれない。

 

結局のところ、「ハニー 」ではなく、「ハニーパイ 」を使う具体的な理由は人によって異なる。なぜそのような呼び方をするのか、気になるのであれば直接聞いてみるのが一番です。

 

「pie」は慣用句として、色々使われていました。

as easy as pie

〔パイを食べるのと同じくらいに〕とても[全く・極めて・うれしくなるくらい]簡単な[容易な・たやすい・楽な・易しい]、朝飯前の、わけない
I thought that getting my teacher to raise my grade would be as easy as pie. : 先生に僕の成績を上げてもらうことなんて朝飯前だと思っていた

(as) easy as pie ((略式))とても簡単な

(as) nice as pie ((略式))〈人が〉思いもよらず愛想のよい

(as) sweet as pie ((主に英))〈人が〉とても親切な,魅力的な;〈事が〉うまくいっている

pie in the sky ((略式))実現しそうもない計画[約束],絵空事,空約束

 

honey : 恋人、愛する人、かわいい人

「Honey pie」を妄想すると、「パイのように甘くて魅力的なハニー」でしょうか。

ポールは、"Wild Honey Pie"で愛する人を「Honey pie」と呼んでいるのでしょうね音符

 

 

"Wild Honey Pie" はインドで作ったそうです。

 

A solo recording by Paul McCartney, ‘Wild Honey Pie’ was a singalong written in Rishikesh, India, and recorded at the end of the session for ‘Mother Nature’s Son’.

 

ポール・マッカートニーによって一人でレコーディングでされた。

"Wild Honey Pie" は、インドのリシケシで書かれみんなで歌った曲だった。そして "Mother Nature's Son" のセッションの後に録音された。

 

[‘Wild Honey Pie’] was just a fragment of an instrumental which we were not sure about, but Pattie Harrison liked it very much, so we decided to leave it on the album.

                        Paul McCartney

 

"Wild Honey Pie" はただインストゥルメンタルの断片だった。僕たちは自信がなかったけど、パティ・ハリソンはその曲がとても好きだった。だから僕らはアルバムに残すことを決めたんだ。

                        ポール・マッカトニー

 

 

We were in an experimental mode, and so I said, ‘Can I just make something up?’ I started off with the guitar and did a multitracking experiment in the control room or maybe in the little room next door. It was very home-made; it wasn’t a big production at all. I just made up this short piece and I multitracked a harmony to that, and a harmony to that, and a harmony to that, and built it up sculpturally with a lot of vibrato on the strings, really pulling the strings madly. Hence, ‘Wild Honey Pie’, which was a reference to the other song I had written called ‘Honey Pie’. It was a little experimental piece.

 

僕らは実験的なモードに入っていた。だから僕が言ったんだ。「ちょっと何か作ってみてもいい?」僕はギターから始めた。そしてコントロール・ルームかたぶん隣の小さな部屋でマルチトラックを試していたんだ。とても手作りっぽくて、少しも大きな作品ではなかった。僕はただ短いピースを作って、それにハーモニーをつけて、またそれにハーモニーをつけて、さらにまたそれにハーモニーをつけマルチトラックしたんだ。(ギターの)弦にたくさんのビブラートをかけて彫刻のように作り上げたんだ。本当に狂ったように弦を動かしてながら。それゆえ"Wild Honey Pie"さ。"Wild Honey Pie"は、僕が書いたもうひとつの曲 "Honey Pie"に関連したものなんだ。ちょっとした実験的な曲だった。

 

訳は信じないでください。

 

 

重なりますが、「We were in an experimental mode」の意味がわかるので以下も載せました。

バリー・マイルズ著 「ポール・マッカートニー/ メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」

翻訳 竹林 雅子 666ページ

 

"ワイルド・ハニー・パイ" はね、ジョンの "ヤー・ブルース" を物置の中で録音したばかりで、まだ実験的な気分になっていたときに、『何か演ってもいい?』と僕がギターでリフを作って、コントロール室か隣の小部屋でマルチトラックで実験的に作ったものなんだ。大がかりなプロダクションじゃなく、ホームメイド的な作品。短い曲を作って、それにハーモニーをつけて、またハーモニーをつけて、といった具合にストリングスのツヴィブラートをどんどん重ねて、狂ったような感じを引き出した。つまり、"ワイルド・ハニー・パイ"は、その前に書いていた "ハニー・バイ" に関連して出来た、ちょっとした実験的作品だったわけさ。

 

 

ポールがそのを、一人で作ったのは1968年8月20日

その三日前、ジョージは誰にも告げずギリシャに行ったそうです。

「the complete BEATLES Chronicle Vol.2 1965-1970」358ページ

マーク・ルイソン著 ビートルズ・シネ・クラブ監修・翻訳

 

ジョージはギリシャ旅行へ
残りのメンバーも別々にセッション


8月20日(火)
EMIスタジオ、第3スタジオ/第2スタジオ
London


ジョージが突然、8月17日から21日までギリシャに行くことを決めたため、19日(月)のセッションはキャンセルになった。しかし、この日はジョージ抜きでふたつのセッションが進められた。午後5時から5時30分までは、ジョンとリンゴが第3スタジオで、'Yer Blues'のためにリンゴの "two, three..." というカウントインの編集テープを録音し、これをベスト・モノ・ミックスに編集して、この曲の最終マスターを完成させた。それからふたりは、ケン・スコットがRevolution 9'のベスト・ステレオ・ミックスのコピーからのモノ・マスターを作るようすを見学した(ジョー ジ・マーティンは不在だった)。
次のセッションは午後8時から午前4時まで第2スタジオで、ポ ールひとりで行なった。最初の作業は "Mother Nature's Son" のオーバーダビングを完成させることだった。ティンパニー、セカンド・アコースティック・ギター、ドラム(音質を変えるために廊下に設置した)、さらに25ポンドという割引料金でジョージ・マー ティンにアレンジしてもらったトランペット2本とトロンボーン2本をオーバーダビングし、この曲を完成させた(トロンボーンとトランペットの奏者の名前はもう記録に残っていない)。
バランス・エンジニアのケン・スコットは、ビートルズの仲があまりうまくいっていなかったという重苦しい記憶を、次のように回想している。"Mother Nature's Son" のホーン・セクションのオーバーダピング作業はとてもなごやかな雰囲気で進んでいたが、ジョンとリンゴがスタジオに入ってきたとたん、その場の空気は張りつめてしまった。しかし、ふたりが出ていくと、その緊張感はすっと消えてしまった、というのだ。
 そんな具合だったので、この夜ポールがレコーディングした2曲にも、ジョンとリンゴは参加していない。1曲目は "Etcetera"という曲のデモだが、1本しかないこのテープは持ち帰られたまま、その後だれも聴いたことがない。もう1曲は53秒の短い曲 "Wild Honey Pie"で、これは「THE BEATLES」に収録された。べーシック・トラックを1テイクだけ録音し、これにポールがひとりでオーバーダビング(ボーカル、ギター、バス・ドラム)をした。 思いついたままにという趣向の作品で、この日のうちにモノ・マスターも仕上がった。

 

張りつめた空気は、"What's The New Mary Jane" という曲が関係している?

バリー・マイルズ著 「ポール・マッカートニー/ メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」翻訳 竹林 雅子 662ページ

 

八月七日に彼らはジョージの "ノット・ギルティ" に取りかかった。テイクを四十六回繰り返して朝の五時半に作業を一旦中止したが、翌日にはテイクの回数は百一回に達していた。ビートルズがテイクを百回以上繰り返したのはこれが初めてのことだ。さらに二日レコーディングに取り組んで予備ミックス段階まで進んだものの、この曲は没となり、 一九七九年のジョージのソロ・アルバム『ジョージ・ハリスン』まで陽の目を見ることはなかった。それから間もなく、 ジョージは誰にも告げずに突然ギリシャに旅立ったので、残されたバンドは急遽スタジオの予約をキャンセルして、スケジュールを練り直すことになった。
 同じ頃、ポールとジョンの間で諍いが起こり、二人の間に冷ややかな空気が生まれていた。ジョンがマジック・アレ ックスと共作したと言っていた、ヨーコにインスパイアされたと思われる "ホワッツ・ザ・ニュー・メアリー・ジェーン" が争いの原因だったのだろう。この曲のレコーディングに参加したメンバーは、ジョンとジョージの二人だけだっ た。どこに行き着くでも ない、取り留めのない騒音といった作品だったが、ハイ状態で聴くにはいい曲だったのだろう。基本的には "ユー・ノウ・マイ・ネーム、ルック・アップ・ザ・ナンバー " に共通する曲だったが、残念ながらこの曲にはユーモアと洗練が欠けていた。六分以上続くこの曲では、"レヴォリューション9 "と同様にヨーコの『ヴォイス・ モジュレーション』やピアノをめちゃくちゃにかき鳴らす音が延々と続いていた。ジョンは一年後にこの曲を。 "あるバ ック・グループのついた "ブラスティック・オノ・バンドの曲として発表しようとしたが、ビートルズの他のメンバーに認められなかった。ボールが "レヴォリューション9 " をビートルズのアルバムに収録することに反対したこと、またボール自身が気ままに作った同じような作品をビートルズのアルバムには収録しなかった事実を考慮に入れると、おそらく、この作品は論争を生んだことだろう。
ポールの "マザー・ネイチャーズ・サン" のベースのオーヴァーダブを担当したエンジニアのケン・スコットは、それから六日後の様子をこう話している。「すべては順調に進んでいたのですが、ジョンとリンゴがスタジオにやって来て三十分ほどすると、身を切るような雰囲気になってましたよ」。二人が立ち去るとスタジオの空気は元通りになった。 

 

 

「the complete BEATLES Chronicle Vol.2 1965-1970」357ページ

マーク・ルイソン著 ビートルズ・シネ・クラブ監修・翻訳

 

未発表曲
"What's The New Mary Jane"

 

8月14日(水)
EMIスタジオ、第2スタジオ
London

午後7時から午前4時30分までのセッションでは、まずはジョンが "Yer Blues"にセカンド・リード・ボーカルをオーバーダピング し、(8月20日に録音される短い編集テープを加えるのは別として)この曲をほぼ完成させ、モノ・ミックスを作った。
このころには、ジョンの音楽的なアイデアや発想にはヨーコの影響が明らかに現れてきていた。すでに録音を終え、リリースを間近に控えていたアルバム「TWO VIRGINS」は別にして、たとえば "Revolution 9" はかなり以前から自宅では取り組んでいたのに、ヨーコの力添えがあってようやく世に出す決心がついたという作品の典型だった。そして、ヨーコも参加したこの日のセッションで、ジョンは奇妙な新曲 "What's The New Mary Jane" レコーディングを開始した。のちにジョンは、この曲はアレクシス・マーダスといっしょに書いたと言っているが、クレジットはレノン=マッカートニーとなっている。この風変わりな「曲」は、「THE BEATLES」に収録される予定だったが、ぎりぎりのところではずされ、今も未発表のままだ。とはいえ、ジョンはふたたびこの曲のリリースを試みてはいる(1969年9月11日、11月26 日参照すみません省きます)。

 

きっと、ザ・ビートルズの間で何かがあったのですね。

 

「the complete BEATLES Chronicle Vol.2 1965-1970」358ページ

マーク・ルイソン著 ビートルズ・シネ・クラブ監修・翻訳

 

8月15日(木)
EMIスタジオ、第2スタジオ
London
午後7時から午前3時までのセッションで、ボールの新曲「Rocky Raccoon'をレコーディングした。ジョージはコントロール・ルームに残り、ほかの3人でベーシック・トラックを9テイク録音した。これをリダクション・ミックスしてテイク10とし、そこにジ ョンがハーモニカ、ジョージ・マーティンが酒場の伴奏風のピア ノ・ソロをオーバーダピングした。さらに、ジョンとポール、そしてコントロール・ルームから降りてきたジョージがパック・ボーカルを加えた。このあと、ジョンとボールはセッションの最後に作ったこの曲のラフなモノ・ミックスのコピーを持ち帰り、ジョージとリンゴは前日の夜に作った "Yer Blues" のミックスのコピーを持ち帰った。

8月16日(金)
EMIスタジオ、第2スタジオ
Londonの
この日のセッションでは、ジョージの "While My Guitar Gently Weeps" の作業に戻ったが、エレクトリック・バージョンにしたため、7月25日に録音したおちついたアコースティック風のテイク 1とはかなりおもむきが違うものになった。午後7時から午前5時までかけて、リズム・トラックを14テイク録音し、テイク14をリダクション・ミックスして、オーバーダピング用のテイク15を作った。

 

8月17日(土)、ジョージは誰にも告げずに突然ギリシャに旅立ちます。(21日火曜日まで)

 

急遽、8月19日(月)のスタジオの予約をキャンセル。

 

8月20日(月)

ジョージ不在のまま…

 

ジョンとリンゴは第3スタジオで"Yer Blues"を完成させ、"Revolution 9" のミックスを作成。

 

ポールは一人第2スタジオで "Mother Nature's Son" を仕上げ、"Wild Honey Pie" を収録

 

「the complete BEATLES Chronicle Vol.2 1965-1970」359ページ

マーク・ルイソン著 ビートルズ・シネ・クラブ監修・翻訳

 

8月21日(水)
EMIスタジオ、第2スタジオ
London
午後7時30分から午前7時15分までの長時間にわたるセッショ ンで、"Sexy Sadie" に2回のリダクション・ミックスとオーバー ダビングをして完成させた。ジョンの新たなリード・ボーカル、 オルガン、ベース、バック・ボーカルを2種類、そしてタンバリンを加えた。ジョージがギリシャから帰国したのはこの日の早い時間だったが、夜のセッションに参加したかどうかは定かでない。 セッションの最後に、"Sexy Sadie" のモノ・ミックスを作った。

 

"Wild Honey Pie" のミステリアスなイントロを聴くと

その時のザ・ビートルズの不協和音を歌っているように聞こえてしまいます。