"Love You To" | タコさんの庭

タコさんの庭

ビートルズの歌詞和訳に挑戦

"Love You To" 

Writers : George Harrison

Artist :  The Beatles

Recorded : Monday1966/04/11,  EMI Studios

Released :  Friday1966/08/05(UK)「Revolver」A面4曲目

       Sunday1966/08/08(US) アメリカ盤「Revolver」A面3曲目

Monday1999/09/13 「Yellow Submarine Songtrack」A面4曲目

2009/09/09 「Revolver」[Remastered] CD4曲目

2022/10/28 「Revolver : Special Edition」

        [LP1 ニュー・ステレオ・ミックス by Giles Martin] A面4曲目

        [LP2 セッションズ1] (A面6曲目 Take 1) 

                    (A面7曲目 Unnumbered rehearsal)

                    (B面1曲目 Take 7) 

        [LP4 オリジナル・モノ・マスター]  A面4曲目

 

  <歌詞和訳>"Love You To"  邦題 "ラヴ・ユー・トゥ"

         君を愛させて

[Verse 1]

Each day just goes so fast

I turn around, it's past 

you don't get time to hang a sign on me

    一日一日が 本当に早く過ぎ去る

    僕が振り返ると それは過去になる 

    僕が触れる合図に 君はぐずぐずしている時間はない

 

Love me while you can 

before I'm a dead old man

    君のできる限り僕を愛してくれ 

    僕が萎れた(しおれた)老人になる前に

 

[Verse 2]

A life time is so short

a new one can't be bought
but what you've got means such a lot to me

    寿命というものは とても短いし 

    新しいものを お金で買うことはできない

    だけど 君を得たということが 僕にとっては とても重要な意味がある

 

Make love all day long

make love singing songs
Make love all day long

make love singing songs

    愛を交わしてくれ 一日中 

    愛を交わしてくれ 歌を歌いながら

    愛を交わしてくれ 一日中 

    愛を交わしてくれ  歌を歌いながら

 

[Verse 3]

There's people standing 'round

who'll screw you in the ground
they'll fill you in with all their sins 

you'll see

    ぼーっと立っている人がいる 

    地面で君と交わろうとしている人達

    彼らはあらん限りの彼らの罪で君を満たしてしまうだろう

    今に君もわかる

        

I'll make love to you

if you want me to

    僕は君のために愛を交わしたいと思う

    もし君が僕に愛して欲しいなら

 

 

情報提供元(著作権者)Weblio

参考辞書 英辞郎goo辞書

(引用できない英辞郎goo辞書を使って訳した場合は、その単語や慣用句を太字斜体にして、自分で訳した訳を載せました)

each day : 日ごとに

    例文 Let's treasure each day. 一日一日を大切にしよう。

 just goes so fast
turn around : ふりむく

past : 過ぎ去った、昔の、過ぎ去って、終わって、過ぎたばかりの、任期を終わった、元の、過去の
You don't get time to 

hang : You don't get time to hang a sign on me

      君は僕の合図にぐずぐずしている時間はない

sign : (数学・音楽などの)符号、記号、信号、合図、手まね、身ぶり、標識、標示、掲示、看板

on : …の表面に、…の上に、…に、…にくっつけて、…の身につけて、…で、…を軸にして、にかけて、…に接して、…に面して

while : …する間、…するうち、…と同時に、…する限り、…とは言え、…としても、ところが一方、しかるに、同時に

dead : 〈植物など〉枯れた.

      例文 dead leaves 枯れ葉.

         dead flowers しおれた花.

a : [総称的に] …というもの,すべて… 《★any の弱い意で通例訳さない》.

life time : 生涯(しようがい)、(ものの)寿命、存続期間

can't be bought : A new one can't be bought 

        「新しいものを お金で買うことはできない
mean : 〔+目的語+to+(代)名詞〕〔…に〕〈…の〉意味をもつ,〈ある〉重要性をもつ.

     例文 It means nothing [everything] to me. 

        それは私には何でもない[とても重要な]ことだ.

        Money means everything to him. 彼にとっては金がすべてだ.

such : このような、こんな、そんな、あんな、…のような、あれほどの、あんなに、このように、非常に、とても 

make love : (…と)性交する、(…に)求愛する、(…を)愛撫する

all day long : 日がな一日、日がな1日、尽日、日暮らし、日暮し、一日中、終日、一日[晩]中、終日[夜]、一日
around : 周囲に、周りに、四面に、周囲が(…で)、(ぐるりと)回って、ぐるぐると、みなに行きわたって、(ぐるりと)反対の方向に向きを変えて、あちこちに、ここかしこに
stand around : 突っ立つ、つっ立つ、ぼんやり立っている
stand around : There's people standing 'round「ぼーっと立っている人がいる」

screw

〔+目的語+副〕〈…を〉ねじで締める 〈up〉; 〈…を〉ねじで取り付ける

〔+目的語(+副)〕〈身体・腕などを〉ねじる,ひねる
screw : 《俗・卑》〈…と〉性交する.

ground地面、地(表)、土、土地、海底、水底、(特定の目的のための)場所、用地、…場、運動場
fill in : 〈空所を〉〔…で〕埋める, 満たす 〔with〕

all : 全体の、全部の、全…、あらゆる、すべての、みな、あらん限りの、最大の、最高の、…だけ

sin : (宗教・道徳上の)罪、罪業、過失、違反、ばち当たりなこと、ばかなこと

you'll see : 例文 You'll see. 今にわかる

will…だろう、…でしょう、…するつもりである、…しようと思う、…するつもりですか、…してくれませんか、…しませんか、…してくださる、(…しようと)欲する、(あくまでも)…しようとする

 

 

 

??

ジョージの歌です。

"If I Needed Someone" の時より、"Love You To" では、愛にぐいぐいですね。キラキラ

それでも最後のラインは「if you want me to」と「もし」で始まるんですね。

なんか優しさを感じますラブラブ

 

"Love You To" がレコーディングされたのが1966年4月11日。

その数カ月前、1966年1月21日、ジョージは同棲していたパティ・ボイドと結婚しました。

まだ22歳という若さです。(ジョージの誕生日1943年2月25日)

 

[Verse 1]

Each day just goes so fast

I turn around, it's past 

you don't get time to hang a sign on me

    一日一日が 本当に早く過ぎ去る

    僕が振り返ると それは過去になる 

    僕が触れる合図に 君はぐずぐずしている時間はない

 

a sign on me」の訳に迷いました。

sign on」では以下のような意味がありますが、違うようです。

〔+目的語(+前置詞+(代)名詞)〕〈名前を〉〔…に〕書き込む 〔on,to〕.

   例文 sign one's name on [to] a check 小切手に署名する.

Weblioによると「on」の覚え方は、

…に接触して

水平・垂直方向を問わず「接触関係」を表す

だそうです。

「僕が君に触れるサイン」を妄想して、「僕が触れる合図」と訳しました。

 

 

[Verse 3]

I'll make love to you

if you want me to

    僕は君のために愛を交わしたいと思う

    もし君が僕に愛して欲しいなら

 

to you」の訳に迷い、「君のために」と訳しました。

イメージしたのは、「[Verse 3]の前半の歌詞のように世間には悪いやつらがいるから、僕が君のために愛を交わしたいと思う」です??

 

 

if you want me to」について、秋山直樹さんの本「ビートルズ英語読解ガイド 増補版」に以下のことが書いてありました。

I'll make love to you if you want me to. の後には make love to you が省略され ている。 反復を避けるためである。このような際、 to だけは残すことを覚えておこ う。 代不定詞と言う。

なるほどー!

代不定詞、覚えました!

 

 
 

 

 

ジョージとシタール

ジョージが書いた本「I・ME・MINE」 ジョージ・ハリスン伝記 山川真理訳

でジョージは "Love You To" の説明をしています。

"ラヴ・ユー・トゥ" は、シタールのために書いた初期の曲のひとつ。"ノーウェジアン・ウッ ド" でもシタールを使っているが、あれはあくまでも偶然だった。意識してベーシック・トラックにシタールタブラを入れようとしたのは、この曲が最初だ。ボーカルとギターは、あとからオーバーダビングした。

ウキペディアより  シタール     タブラ

 

ジョージが初めてシタールという楽器に出会ったのは映画「Help!」の撮影中です。

 

バリー・マイルズ著「ビートルズ・ダイアリー」松尾康治訳

1965年4月5日
 ビートルズはトウィッケナムのインド・レストラン 「ラジャハマ」でのシーンを撮影した。
 ジョージ:「ぼくらはそのレストランで、数人のインド人のミュージシャンたちがバックで演奏する中、男がスープの中に投げ込まれるシーンを撮影しようとしていた。その時ぼくはシタールを手に取ってみて、「変な音がするなあ」と思っていた。そして偶然なんだけど、その後ラヴィ・シャンカールの名前をよく聞くようになっていた。 3回目に彼の名前を聞いた時には「何とも奇妙な偶然だな」と思った。そしてザ・バーズのデヴィッド・クロスビーと話している時、彼もまたラヴィ・シャンカールの名前を言ったんだ。 ぼくはすぐにラヴィのレコードを買いに行った。 彼のレコードをかけて聞くと、説明しにくいんだけど、ぼくの中のある部分が強く揺さぶられるのが分かった。 なぜかとても親近感を覚えたんだ。あえて説明するなら、ぼくの知性は理解していなかったんだけど、ぼくの中の残りの部分はなぜかそれと一体化していたという感じかな。ぼくはその音楽に呼ばれていたんだ。
 それから数カ月が過ぎてアジア・ミュージック・サークル協会の人がぼくにこう言ったんだ。 “実はラヴィ・シャンカールをディナーに招いているんだ。 よかったら君も来ないか?” で、ぼくは彼に会ったんだ」

 

1965年アメリカツアー中にザ・バーズがビートルズを訪問しました。

1965年8月24日

『HELP! 四人はアイドル』でビートルズと共 演した女優エレノア・ブロンとザ・バーズが訪問にきた。

その時ジョージは、ザ・バーズの デヴィッド・クロスビーラヴィ・シャンカルを教えてもらい、ラヴィ・シャンカルのレコードを買ったそうです。

アルバム「ポートレイト・オブ・ジーニアス」Portrait Of Genius を含む数枚。

そしてロンドンに戻ると小さな民芸品店でシタールも買ったそうです。

ウキペディアより

ラヴィ・シャンカル (ヒンディー語: रवि शंकर、英語: Ravi Shankar、1920年4月7日 - 2012年12月11日)は、インドの実在したシタール奏者である。イギリス領インド帝国(現:インド)、ヴァーラーナシー生まれ。ラヴィ・シャンカー、ラビ・シャンカールなどの表記もある。

日本では「ラヴィー」「シャンカール」といった長母音を示す「ー」を付け加えたカタカナ表記も多いが、原語の表記ではどちらも短母音である。

 

1965年10月レコーディング  "Norwegian Wood (This Bird Has Flown)"

 

その後

アジアン・ミュージック・サークルアンガディ氏の仲介があってジョージはラビ・シャンカルと出会うことになりますキラキラ

パティ・ボイド自伝 「ワンダフル・トゥデイ」

パティ・ボイド&ぺニ・ジュノー著 前むつみ訳 139ページ

 

 ジョージは反面、知らない人に会ったり知らないところへ行くのが苦手だった。私が昔から仲よくしている友達や家族には喜んで会ってくれたが、馴染みのない相手を警戒していた。ただし、ミュージシャンとなると別だ。この数ヶ月前にも、ロンドンでアジアン・ミュージック・サークルを運営するインド系のアンガディ氏に、私も一緒にディナーに呼ばれている。奥さんはイギリス人で、私たち二人の大きなポートレートを何度かに分けて描いてくれた。アンガディ氏は、シタール奏者のラヴィ・シャンカールをジョージに紹介したいとのことだった。ラヴィといえば、伝統音楽界では有名で、母国インドでは大御所だ。アンガディ氏と音楽について延々と語り合ったジョージはすっかり恐縮していた。

 それから間もなくしてラヴィが、ジョージにシタールの稽古をつけるためにキンファウンスへやって来た。 どういう雰囲気だったかというと、ある時、稽古中に電話が鳴ったので、ジョージが出ようとシタールを置き、 それをまたいでしまったことがある。すると、すかさず脚をぴしゃりと叩かれ、「もっと楽器を大事にしなさい」と言われてしまった。
 シタールの弾き方は、ジョージの今までの概念を覆すものだった。まず、あぐらをかいた左足の裏、親指の付け根下の膨らみに、大きなヒョウタン製のボディをずっと乗せていないといけない。あっという間に足が痺れてしまった。でも、ラヴィとは意気投合したようで、数ヶ月もするとジョージと私は、精神世界と音楽と文化のレッスンを施してもらうべく、彼からインドに招いてもらっている。

 

1966年4月レコーディング "Tomorrow Never Knows" 

 

1966年4月レコーディング "Love You To" 

 

映画「Help!」でシタールという楽器に出会ってから1年後、

ジョージは "Love You To" で、とても上手にシタールを弾いていますうずまき

その上達ぶりはすごいですね音符

 

 

 

参考にさせていただいたサイト 

ありがとうございました。