"Bad Boy" | タコさんの庭

タコさんの庭

ビートルズの歌詞和訳に挑戦

"Bad Boy"  

Writers :  Larry Williams 

Artist :  Larry Williams

Recorded : 1958/08/14

Released : singleA 1959/01  B-side "She Said Yeah"

 

 

Artist : covered by The Beatles

Recorded : Monday1965/05/10, EMI Studios

Released :  

Monday1965/06/14(US) 「Beatles VI」A面4曲目

1966/12/10(UK)1967/02/05(JP)「A Collection Of Beatles Oldies」(Compilation Album)                            1987年アルバムのCD発売に伴いビートルズのカタログから削除される

1988/03/07 「Past Masters Vol.1」

 表裏焼き

                1966年来日東京ヒルトンホテル(現キャピトル東急ホテル)での写真

 

The Beatles' version
     <歌詞和訳> "Bad Boy" 邦題 "バッド・ボーイ" 
           悪い少年

[Verse 1]

A bad little kid moved into my neighborhood
He won't do nothing right, just sitting down and looks so good
He don't want to go to school and learn to read and write
Just sits around the house and plays the rock and roll music all night
Well, he put some tacks on teacher's chair
Puts chewing gum in little girl's hair
Now, junior, behave yourself       

    年下の悪ガキが 近所に引越してきた

    彼は正しいことは何もしようとない 座っているだけならとても良く見える

    彼は学校に行って 読み書きを学びたいとは思わない

    家でただ座ってぼーっとしていて 夜通しロックンロールミュージックを弾いている

    やれやれ 彼は先生の椅子の上にいくつかの画びょうを置く

    かわいい女の子の髪の毛に チューインガムをくっつける

    今すぐに ジュニア 行儀よくしろ

 

[Verse 2]    

Buy every rock and roll book on the magazine stand
Every dime that he gets (oh) is lost to the jukebox man
Well he worries his teacher till at night she's ready to poop
From rocking and a-rolling to spinning in a hula hoop
Well this rock and roll has got to stop
Junior's head is hard as rock
Now, junior, behave yourself    

    マガジンスタンドのロックンロールの本はすべて買う

    彼がもらったすべての10セント硬貨はジュークボックスになくなる なんてこった

    やれやれ 彼は彼の先生を心配させる 彼女が今にもうんちをしようとしている夜にまで

    ロック&ロールをすることから フラフープの中で急回転することまで

    やれやれ このロックンロールをやめさせなければならない

    ジュニアの頭が岩にように固くなる

    今すぐに ジュニア 行儀よくしろ

 

[Guitar Solo]

 

[Verse 3]

Gonna tell your mama you better do what she said
Get to the barber shop and get that hair cut off your head
Threw the canary and you fed it to the neighbor's cat
You gave the cocker spaniel a bath in mother's laundromat
Well, in mama's head it's got to stop
Junior's head is hard as rock
Now, junior, behave yourself    

    君のママに伝えるつもりだ「彼女(先生)が言ったことを君はした方がいい」と

    『床屋に連れて行ってもらいあなたのその髪の毛を頭からさっぱり切ってもらいなさい』(先生の言葉)

    「カナリアを投げて近所の人の猫に与えた」と  

    「君がコッカスパニエルを 母親の洗濯機で風呂に入れた」と

    やれやれ ママの頭の中では それはもうやめさている

    ジュニアの頭が岩のように固くなる

    今すぐ 後輩 行儀よくしろ

 

情報提供元(著作権者)Weblio英辞郎goo辞書

bad kid 悪ガキ

little 〔兄弟が〕年少の、年下の

move into …に引っ越す
neighborhood 近所、近隣(地)、界隈、周囲、(ある特徴をもつ)地域、地方、近隣の人々
will : …だろう、…でしょう、…するつもりである、…しようと思う、…するつもりですか、…してくれませんか、…しませんか、…してくださる、(…しようと)欲する、(あくまでも)…しようとする

nothing 何も…ない、少しも…ない

right (道徳上・一般通念からみて)正しい、正当な、正義の、正しくて、当然で、間違いのない、正しい、正確な、適当な、適切な

just : 単に、ちょっと、ただ~だけ、たった~だけ

sit down座る、着席する、腰を下ろす

look : 〔+補語〕顔つき[様子]が〈…〉だ; 〈…に〉見える,〈…と〉思われる.

good : (品質・内容・外観など)良い、優秀な、見事な、結構な、りっぱな、おいしい、(学生の成績 5 段階評価で)優の、B の、(道徳的に)良い、善良な

learn 〔(勉強・練習などによって)習い覚える、習得する、学ぶ、覚える、(経験などによって)(…を)身につける、(悟って)できるようになる、(…を)暗記する、記憶する、(…を)(聞いて)知る、聞く

sit around 座ってボーッとする、ダラダラと[ブラブラして・無為に時を]過ごす

all night 一晩中、終夜、徹夜で、夜を徹して、夜通し
well やれやれ、よろしい

some いくらかの、多少の、少しの、いくらか、多少、何かの、ある、どこかの、(ある)いくつかの、何人かの 

tack 〔頭が平らで針が短い〕びょう、画びょう

put 〔+目的語+to+(代)名詞〕〈ものを〉〔…に〕つける,つなぐ,くっつける.

now 今、現在、今では(もう)、目下の事情では、今すぐに、直ちに、たった今、今しがた、今や、そのとき

junior 形容詞 年少のほうの 《★【用法】 特に 《主に米国で用いられる》 では同姓同名の親子などのうちの息子など,また同姓の二人の生徒のうちの年少者を示すために,そのあとにつける》.

junior : 名後輩,後進者,下役.

behave onerself 謹慎する、行ないを慎む、おとなしくする、行儀をよくする、神妙にしている、〈行動する〉・振る舞う

dime : 10セント貨、びた一文

get : 受け(取)る、(要求・懇願によって)もらう、得る、持つようになる、(…で)受ける、身につける、(うまく)する、してもらう、される、手に入れる

lost : lose の過去形・過去分詞

lose : (うっかりして一時的に)失う、なくす、置き忘れる、遺失する、(…を)(事故などで永久に)失う、(…を)(維持できず)失う、見失う、迷う、道に迷う、途方に暮れる

man うわ、やれやれ◆喜怒哀楽いずれにも使う。

ready to 〔物事が〕今にも~しようとしている

poop 船尾楼、ふん、うんち

rock (前後[左右]にやさしく)揺れる 《★【類語】 ⇒swing》.

roll : 回転する、転がる

spin : 紡ぐ、紡いでする、かける、吐く、糸状に加工する、(長々と)話す、(急速にくるくる)回す、(水上・砂中などで)空転させる、スピンさせる、急回転させる
have got (1) もっている.
                     例文 I've got ten dollars. 10ドルもっている.
     (2) 〔+to do [be]〕〈…〉しなければならない.
         例文 I've got to write a letter. 手紙を書かなければならない.

stop : 止める、押さえる、中断する、停止する、(自ら)やめる、中止する、(…を)やめさせる、妨げる、自制する、ないようにする
gonna : =going to 《★書き言葉としては非標準的》~するつもりだ
get to 人を~に連れていく

barber shop 理髪店、床屋 

get 受け(取)る、(要求・懇願によって)もらう、得る、持つようになる、(…で)受ける、身につける、(うまく)する、してもらう、される、手に入れる

get 〈…を〉〈…〉させる[してもらう].

cut off …を切り離す,切り[刈り]取る,切り落とす

threw throw の過去形

throw 投げる、ほうる、投げつける、投げ与える、投げかける、(…に)投げかける、浴びせる、(…に)かける、(…に)見舞わせる、攻撃する

canary カナリア、カナリア色、密告者

fed feed の過去形・過去分詞

feed 食物を与える、食物を食べさせる、授乳する、(人手を借りずに)ひとりで食べる、与える、(…の)えさとなる、養う、育てる、飼う、(…で)養う

feed 〈動物などに〉食物[えさ]を与える; 〈子供・病人などに〉食物を食べさせる; 〈赤ん坊に〉授乳する.

neighbor 隣人、近所の人、隣席の人、隣国人、隣り合うもの、隣り合う同種のもの、同胞、仲間
laundromat 《主に米国で用いられる》 コインランドリー.[LAUNDRY+AUTOMATIC]

laundromat ローンドロマット◆セルフサービス式コインランドリー

gave give の過去形

cocker spaniel コッカースパニエル(犬)

give someone a bath (人)を風呂に入れる

          例文 I gave the baby a bath. 赤ちゃんをお風呂に入れました。

in mama's head 頭の中で[に], 想像で、夢想で, 暗算で   

get someone to stop (人)に~をやめさせる

 

????

曲名 "Bad Boy" はまるでジョンのようです。

「The Complete Script of Beatles ALONG AND WINDING ROAD」より

 

ロッド・デイヴィス/クォリーメンのメンバー 

私が6才で、ジョンが7才のときだったと思う。私はウールトンに住んでいて、セントピーター教会の日曜学校に通っていた。 クラスメートには、ピート・ショットン、アイヴァン・ヴォーン、ナイジェル・ウォリーがいた。 我々は4、5 才の頃から教会に通っていたが、ジョンは7才の頃、ウールトンに引っ越してきた。 初めてジョンに会ったのは、そのときだ。 彼は小遣いのすべてを、風船ガムやチューイン・ガムに費やした。 幼い頃からジョンはガキ大将で、我々の小遣いまでとり上げた。ジョンはピートを誘惑したので、ピートも小遣いを全部風船ガムに使っていた。 ジョンは生来の悪ガキだった。

 

"Bad Boy"の主人公である人物の一人称は一度も出てこないのですね。主人公は、「A bad little kid」=「you」と同じ学校に通う上級生だと思います。近所に引っ越してきた「you」の行動を心配し、ロックンロールをやめさせようとしています。

主人公が、「you」=「bad boy」のことを「ジュニア」と呼ぶのは、たぶん苗字が同じだからだと思います。

ビートルズバージョンにはない歌詞が、元歌ラリー・ウィリアムズの歌詞にあります。

This minor mess has gotta stop(この同じ姓の後輩のひどい状態はやめさせなければならない)

minor」には〔学校で同じ姓を持つ〕年下の と言う意味があります。

同じ苗字だから、主人公は後輩「you」の悪い行いが気になるのだと思います。

minor〈英〉〔学校で同じ姓を持つ〕年下の、年少の

mess〔通例a ~〕ひどく乱れた[散らかった]状態,ひどいありさま,めちゃくちゃ

 

ビートルズが元歌をアレンジした部分を太字にしました。

[Verse 1]

A bad little kid moved into my neighborhood
He won't do nothing right, just sitting down and looks so good

       元歌は His report car' don't look so good (彼の学校の成績表は 良いとは思えない)
He don't want to go to school and learn to read and write
Just sits around the house and plays the rock and roll music all night
Well, he put some tacks on teacher's chair

   元歌は He puts thumbtacks in his teacher's chair
Puts chewing gum in little girl's hair
Now, junior, behave yourself       

    年下の悪ガキが 近所に引越してきた

    彼は正しいことは何もしようとない 座っているだけならとても良く見える

    彼は学校に行って 読み書きができるようになりたいとは思わない    

    家でただ座ってぼーっとしていて 夜通しロックンロールミュージックを弾いている

    やれやれ 彼は先生の椅子の上にいくつかの画びょうを置く

    かわいい女の子の髪の毛に チューインガムをくっつける

    今すぐに ジュニア 行儀よくしろ


元歌ラリー・ウィリアムズ→ 「His report car' don't look so good」

                (彼の学校の成績表は 良いとは思えない)

ビートルズ・バージョン →   「just sitting down and looks so good」

                (座っているだけならとても良い子に見える) 

 

ジョンはダビィデル小学校の時は成績は悪くなかったようです。(中学になるとジョンの成績は最低ランクのクラス最低クラスの最下位になったそうです。)

バリー・マイルズ著 「ポール・マッカートニー/ メニー・イヤーズ・フロム・ナウ」翻訳 竹林雅子  71ページ

台所の次に居間があり、その先は応接間だった。そこには青い布で製本されたウィンストン・チャーチルの著作集が置いてあり、ジョンはそれを読破したと話していた。

レイ・コールマン著「ジョン・レノン」岡山徹訳 98ページ

 ジョンが五歳になって小学校に上がる頃になると、ミミは「どこでもいいんじゃなくて、できるだけ最高の所」を選ぶ作業にいつもの勤勉さを発揮した。ジョンは短期間、モスピッツ・レインの小学校に通ったが、ミミは地区の色々な州立の小学校を調べた後で、ペニー・レインからちょっと歩いた所にあるダヴディル小学校に決めた。メンディップスから五キロ近く離れたそこへ通うために、ジョンはストロベリー・フィールドの救世軍宿泊所を通って、ペニー・レインまでバスで通学した。
 その学校に初めて行った時から、ジョンは賢い子だと認められ た。ジョンがぶらっとダヴディルを下見に行った時のことだ。学校の秘書の女性とミミが話しこんでいる間に、秘書の女性が五歳の彼に「わたしの代わりに、近くの教室へ手紙を持って行ってちょうだい」と頼んだ。「彼女はその時からあの子が堂々とし気づいて、言ったんです。『小さいのに何て賢い子なんでしょう』って 」とミミは言っている。 

 子供の成長を話し合う父兄懇談会で、校長のボルト氏はミミにこう言った。「あのお子さんは全然心配いりませんよ。とても頭のいい子です。でも、やりたくないことは一切しようとしませんね」 初めて上がった学校で、レノンはもうすでに個性を発揮していた。

レイ・コールマン著「ジョン・レノン」岡山徹訳 100ページ 

 伯父のジョージが死ぬ三年前、ジョンは小学校の最終学年にあたる十一歳試験イレヴン・ブラス[この試験によってグラマー・スクールなど、どの中学校に進むかを決定する]に難なくパスしていた。ある日の午後、彼はダヴディルから帰ってくると、事もなげにミミに言った。 「やったよ。 試験にパスしたよ」

 ジョンの小学校時代は、強烈な個性の兆しを早くも見せていたにもかかわらず、ミミにはまったく面倒をかけていなかったので、彼女もさして驚きはしなかった。 

 とにかく、伯父のジョージはこの輝かしき日のための用意をし ていた。
「あれが外にあるよ。もしも試験に受かったら、お前にあげると約束した物がね」と伯父は言った。

 こうして、ジョンは早速メンディップス丘陵の反対側にあるゴルフコースを、エメラルドグリーンの新品の"ラレー・レントン" 自転車に乗って駆け抜けた。ウールトンのストロベリー・フィ ールズにある救世軍の宿泊所で開かれる園遊会に来ていた他の男の子たちに見せびらかしたものだ。ミミはジョンをよくそこに連れて行ったのである。
 ジョンはダヴディルを卒業できるのを喜んだ。なぜなら、彼はすでに十一歳にして、黒いプレザーと鳩の校章、そしてグレイの半ズボンという制服の窮屈さを感じていたからだ。ブレザーを着なければいけない時に脱ぐのはしょっちょうだし、ネクタイを斜めにしたり、第一ボタンを外したままで学校の集まりに出たりなど、彼はそういう方法で学校の規則に少しずつ逆らい始めていた。同じように服装がだらしない男子生徒は、ほんの一握りしかいなかった。

 

元歌ラリー・ウィリアムズ→ 「He puts thumbtacks in his teacher's chair

                (彼は先生の椅子に画びょうを置く

ビートルズ・バージョン →   he puts some tacks on teacher's chair

                (彼は先生の椅子の上にいくつかの画びょうを置く

 

元歌「thumbtacks」がビートルズの歌詞カードでは「some tacks」になっています。

ジョンがどちらで歌っているかは定かではありませんが、

thumbtack」を辞書でしらべると

thumbtack《主に米国で用いられる》 画びょう,製図ピン (《主に英国で用いられる》 drawing pin).

とあり、画びょうは、アメリカでは「thumbtack」、イギリスでは「drawing pin」と呼ぶようです。

イギリスでは「thumbtacks」と言わないので、ジョンは「some tacks」とアレンジしたのでしょうか。それとも「thumbtacks」と歌っているのでしょうか。

どちらでも聞こえるように歌っているのかもしれませんね。

tackびょう、留め金、タック、しつけ、仮縫い、方針、政策、帆の下隅(かぐう)索、上手(うわて)回し、間切り

 

[Verse 2]    

Buy every rock and roll book on the magazine stand
Every dime that he gets (oh) is lost to the jukebox man

            元歌は is off
Well he worries his teacher till at night she's ready to poop
From rocking and a-rolling to spinning in a hula hoop

  元歌は A-rockin' 'n' a-rollin', Spinnin' in a hoola hoopで from~toはない
Well this rock and roll has got to stop
Junior's head is hard as rock
Now, junior, behave yourself    

    マガジンスタンドにあるロックンロールの本はすべて買う

    彼がもらったすべての10セント硬貨はジュークボックスになくなる なんてこった

    やれやれ 彼は彼の先生を心配させる 彼女が今にもうんちをしようとしている夜にまで

    揺れて回ることから フラフープの中でスピンすることまで

    やれやれ このロックンロールをやめさせなければならない

    ジュニアの頭が岩にように固くなる

    今すぐに ジュニア 行儀よくしろ

 

元歌ラリー・ウィリアムズ

   「Every dime that he gets, Whoo! He's off to the juke box, man」

    (彼がもらったすべての10セント硬貨, 彼はジュークボックスに向かう なんてこった)

ビートルズ・バージョン →

   「Every dime that he gets (oh) is lost to the jukebox man」

    (彼がもらったすべての10セント硬貨はジュークボックスになくなる なんてこった) 

 

 

「Every dime that he gets (oh) is lost to the jukebox man」の

man」はスラングのようで解釈は難しかったです。

驚きを表現する「なんてこった」「マジかよ」などの意味があるそうです。

その他に呼びかけの時も使うようです。呼びかけにman を使う場合は、

man を使用する時はお互いに認めている証拠です。 これがboyだとものすごく侮辱しています。 その昔、全ての黒人は成人していてもboy呼ばれだったので 差別用語でもあった。

とのことでした。
今回の「man」は驚きを表現する「なんてこった」で訳しました。

 

 

 

Junior's head is hard as rock」(ジュニアの頭が岩にように固くなる) は、

「 rock and roll」(ロックンロール) と「rock」(岩) をかけていて、おもしろいですね音符キラキラ

 

 

[Verse 3]

The Beatles' version

Gonna tell your mama you better do what she said

Get to the barber shop and get that hair cut off your head
Threw the canary and you fed it to the neighbor's cat
You gave the cocker spaniel a bath in mother's laundromat
Well, in mama's head it's got to stop
Junior's head is hard as rock
Now, junior, behave yourself    

    は、元歌の英語歌詞と比べてみます。

The Larry Williams' version

Gonna tell your mamma, You'd better do what she said (Bad boy)
Go to the barber shop an' get that hair cut off your head (Bad boy)
He took your pet canary an' he fed it to the neighboor's cat (He's a bad boy)
He gave the cocker spaniel a bath in his mother's laundromat (He's a bad boy)
This minor mess has gotta stop
Junior's head is hard as rock 

Now Junior, behave yourself  

まず元歌は、[Verse 3]の3行目4行目には「He」が文頭にあります。[Verse 1]と[Verse 2]で主人公が悪ガキ君のことを3人称の「He」で呼んでいるのと同じです。そして3行目「 your pet canary 」(あなたのペットのカナリア)とあります。

そうすると元歌は、「You'd better」の「You」は「悪ガキくん」ではなく、「悪ガキくんのママ」かもしれない思うのです。そして、「she said」の「she」は、「悪ガキくんのママ」ではなく、[Verse 3] の「his teacher」でだと思うのです。

それで元歌を訳してみると、以下になります。

  君のママに伝えるつもりだよ「あなた(Juniorのママ)は彼女(先生)が言ったことをした方がいいですよ」と

  『床屋に行ってあなたのその髪の毛を頭からばっさり切ってもらいなさい』(先生の言葉)

  「彼はあなたのペットのカナリア捕まえて 近所の猫に与えた」と

  「彼はコッカスパニエルをお風呂に入れた 彼の母親の洗濯機で」と

  この同じ姓の後輩のめちゃくちゃをやめさせなければならない 

  ジュニアの頭が岩にように固くなる

  今すぐに ジュニア 行儀よくしろ

 

ビートルズは、↑の元歌を大幅にアレンジしています。

The Beatles' version

Gonna tell your mama you better do what she said

Get to the barber shop and get that hair cut off your head
Threw the canary and you fed it to the neighbor's cat
You gave the cocker spaniel a bath in mother's laundromat
Well, in mama's head it's got to stop
Junior's head is hard as rock
Now, junior, behave yourself  

① 1行目。やわらかい言い方だと思われる「You'd better」の「would」を取って「you better」に変更しています。

②2行目「go to」から「get toに変更しています。

③3行目の文頭の「He」はなくなり、文中の「he Fed」を「you fed」に変更しています。

④3行目「He took your pet canary」(彼はあなたのペットのカナリアを捕まえて)から「your pet」はなくなり、「took」を「Threw」に変えて、「Threw the canary」( カナリアを投げて)に変更しています。

⑤4行目の「He」を「Youに変更しています。

⑥5行目は「This minor mess has gotta stop」を「Well, in mama's head it's got to stop」に変更しています。

 

①③④⑤の変更から、ビートルズバージョンの[Verse 3] は、「you」は「悪ガキ君」だと思います。ビートルズは、元歌の「you」=「mama」を、「you」=「A bad little kid」にアレンジしたのではないでしょうか。

それで訳してみると、以下になります。

     君のママに伝えるつもりだ 「彼女(先生)が言ったことを君はした方がいい」と

  『 床屋に連れて行ってもらいあなたのその髪の毛を頭からばっさり切ってもらいなさい』(先生の言葉)

  「カナリアを投げて 近所の人の猫に与えた」と

  「君がコッカスパニエルを 母親の洗濯機でお風呂に入れた」と

  やれやれ ママの頭の中では それはもうやめさせている  

  ジュニアの頭が岩にように固くなる

  今すぐに 後輩 行儀よくしろ

 

 

get that hair cut off your head」の訳に迷いました。

「cut off~」に続くのが「your head」だからです。「head」だと、「頭を切り落とす」になるようなのです。

「髪の毛を切る」にするには、「cut off one's hair」や「cut one's hair off 」となるみたいなのです。

でも「髪の毛を頭からばっさり切ってもらう」と訳しましたアセアセ

情報提供元(著作権者)Weblio英辞郎

例文  to cut off one's hair 髪を切る

cut off someone's head (人)の首を断ち切る[頭部を切り落とす]

cut one's hair off : 髪を短く切る
cut off one's hair 自分の髪をばっさり切る

 

Threw the canary and you fed it to the neighbor's cat

(カナリアを投げて 近所の人の猫に与えたって) は

ラリー・ウィリアムズの元歌では

「He took your pet canary, An' he fed it to the neighboor's cat」

(彼はあなたのペットのカナリア捕まえて近所の猫に与えた)でした。

少しでですが、残酷なイメージがなくなっていますね。

 

laundromat」を辞書でひくと、意味はコインランドリーでした。

laundromat《主に米国で用いられる》 コインランドリー.
[LAUNDRY+AUTOMATIC]

「LAUNDRY」+「AUTOMATIC」= 「洗濯屋,クリーニング屋」 + 「自動の,自動式の」

laundromat」を「洗濯機」と訳しました。

 

 

「Well, in mama's head it's got to stop」

(やれやれ ママの頭の中では それはもうやめさせている)の訳に迷いました。

ラリー・ウィリアムズの元歌では、全く違う歌詞

「This minor mess has gotta stop」

(この同じ姓の後輩のめちゃくちゃをやめさせなければならない)になっていました。

 

ビートルズの歌詞も、ラリー・ウィリアムズの歌詞も、このラインが落語でいうオチになっているのではないかと思いました。

 

最初に、ラリー・ウィリアムズの歌詞「This minor mess has gotta stop」を考えると…

minor」には色々な意味があるのですが

minor(大きさ・数量・程度など他のものと比較して)小さいほうの、より少ない、少数派の、(地位・重要性などが)比較的重要でない、大したことのない、二流の、(効果・範囲などが)小さい、目立たない、副専攻の、短音程の

その中に、以下の意味がありました。

minor[姓の後に置いて] 《主に英国で用いられる》 (男子の public school などで生徒・兄弟のうちの)年下の,弟のほうの,2 番目の.
     例文 Jones minor 年下[弟]のほうのジョーンズ.

minor〈英〉〔学校で同じ姓を持つ〕年下の、年少の

mess〔通例a ~〕ひどく乱れた[散らかった]状態,ひどいありさま,めちゃくちゃ

情報提供元(著作権者)Weblio英辞郎goo辞書

 

This minor mess has gotta stop」を訳すと

「この同じ姓の後輩のめちゃくちゃをやめさせなければならない

 
つまり、主人公と「you」は同じ姓で、同じ学校の先輩と後輩だから、「Junior」と呼んでいるというオチです。
 

そして、ビートルズがアレンジした歌詞「Well, in mama's head it's got to stop」は、

主人公が「you」のママに忠告しても、「うちの子は、そんなことはしていません。とうにやめさせました」というオチを妄想しました。まるでミミ叔母さんのセリフのようです。

そういうわけで、「Well, in mama's head it's got to stop」を

「やれやれ ママの頭の中では それはもうやめさせている」と訳しましたアセアセ

 

 

その他にアレンジしているところラブラブ音符

元歌ラリー・ウィリアムズには、「コーラス」があって「He's a bad boy」や「Bad boy」と歌っています。

ビートルズバージョンでは、コーラスはなくギターになっていましたキラキラ音符

コーラスの「He's a bad boy」や「Bad boy」がないので

ビートルズバージョンは、曲名は"Bad Boy" なのに、歌詞に「boy」がひとつも出でこないのは面白いですね!

 

 

元歌を載せておきます。

元歌 The Larry Williams' version <歌詞和訳> "Bad Boy" 

                       悪い少年  
ビートルズと違うところを赤字にしました。

[Verse 1]

A bad little kid moved into my neighborhood  (He's a bad boy)
He won't do nothin' right, His report car' don't look so good  (He's a bad boy)
He don't wanna go to school an' learn to read an' write  (He's a bad boy)
He jes' a-sits aroun' the house an' plays that rock 'n' roll music all night (He's a bad boy)
He puts thumbtacks in his teacher's chair
Put chew'n gum in a li'l girl's hair

Now Junior, behave yourself!

[Verse 2]

He buy every rock 'n' roll book on the magazine stan' (He's a bad boy)
Every dime that he gets, Whoo! He's off to the juke box, man (He's a bad boy)
He worries his a-teacher till at night she's a-ready to poop (He's a bad boy)
A-rockin' 'n' a-rollin'
Spinnin' in a hoola hoop,
this rock 'n' roll has gotta stop
Junior's head is hard as rock

Now Junior, behave yourself, ow!

[Verse 3]

Gonna tell your mamma, You'd better do what she said (Bad boy)
Go to the barber shop an' get that hair cut off your head (Bad boy)
He took your pet canary an' he fed it to the neighboor's cat (He's a bad boy)
He gave the cocker spaniel a bath in his mother's laundromat (He's a bad boy)
This minor mess has gotta stop
Junior's head is hard as rock 

Now Junior, behave yourself     

 

情報提供元(著作権者)Weblio英辞郎goo辞書

report card  〈米〉〔学校の〕成績表、通信簿

look 〔視覚的な判断で〕~のように見える、~と思われる

thumbtack 画びょう、製図ピン

have got to : ~しなければならない

off to : ~へ向かう;~出かける

be off 外れる、〈距離が〉・離れる、やめになる、〈はずれてとれる〉・外れる、〈離れる〉・取れる

minor[姓の後に置いて] 《主に英国で用いられる》 (男子の public school などで生徒・兄弟のうちの)年下の,弟のほうの,2 番目の.
     例文 Jones minor 年下[弟]のほうのジョーンズ.

minor〈英〉〔学校で同じ姓を持つ〕年下の、年少の

mess〔通例a ~〕ひどく乱れた[散らかった]状態,ひどいありさま,めちゃくちゃ