リニア誘致 古都バトル
2045年をめどに開業が目指されているリニア中央新幹線。
東京と大阪を結んで新しい国土軸を担うであろうリニア中央新幹線ですが、途中のルートについては未だはっきり決まっていません。
現行の想定ルートとしては、東海道新幹線が名古屋から米原、京都を経由するのに対し、こちらは三重県、奈良県を経由するルートが検討されています。
ちなみに、設置される駅は一県一駅とされており、奈良を経由することについても、現段階では奈良市周辺に新駅設置としかありません。
いっとき、JR平城山駅付近にリニア新駅がつくられるという噂が立っていましたが、以下のニュースを見て、本当に未定なんだなと痛感しました。
「リニア誘致」奈良と京都が古都バトル
産経新聞 12月18日(土)13時22分配信
平成57(2045)年の東京-大阪間開業を目指すリニア中央新幹線の新駅(中間駅)をめぐり、日本の2大古都、奈良県と京都府が早くも誘致合戦の様相を呈し始めた。JR東海が「1県1駅」とするルート上の新駅が、国の基本計画で「奈良市周辺」との表現にとどまり府県名が明示されなかったためで、「周辺」にあたる京都府は「国際観光都市としては譲れない」と息巻き、奈良県の荒井正吾知事は「『奈良市周辺』とは県内で決定しているということだ」として一歩も引かない考えだ。
【写真で見る】JR東海が開発した新型リニア車両の客室内部イメージ図
リニア中央新幹線は、東京-名古屋間が平成39年、名古屋-大阪間が57年の開業を目指す。国土軸が一変するビッグプロジェクトだけに、東海道新幹線から大きく外れている奈良県にとって、新駅誘致は経済発展の観点からも「長年の願い」(県道路交通環境課)でもある。
一方、京都府も「リニアが府内を経由しなければ国土軸から外れてしまう。国際観光都市としては譲れない」(府交通政策課)と新駅誘致を死活問題として捉え、国やJR東海への陳情を通して存在感をアピールする構え。7月には有識者らの検討委員会も立ち上げ、JR京都駅や奈良県との府県境に位置する「関西文化学術研究都市」などを新駅候補地として検討を始めた。
直線ルート上に位置し条件的には有利とみられる奈良県だが、JR東海が沿線各県に建設する中間駅については全額地元自治体負担を求めていることが不安定要因になっている。荒井知事も「県内で発生する受益の範囲では応じるが、全額を賄うことは不可能」と全額負担に反発している。
また、2200億円が必要とされる地下駅建設についても財政事情から「地下駅は経済的な発展性が見込めず、新駅は地上駅にしてほしい」と主張するが、内心は「京都府側が破格の条件を提示しないか、気になっている」と不安を隠せないでいる。「もし県外に建設されては経済的損失は計り知れない。地道な誘致活動に取り組んでいくしかない」としている。
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101218-00000518-san-soci
)
やはり「奈良市周辺」としかないのが争点で、京都府の学研都市なんかは十分奈良市周辺の範囲になると思われます。
また、記事にあるようにそれぞれがどれくらい費用を出せるかも決め手の1つになりそうですね。
実際に奈良に住んでいると感じるのですが、奈良市は東海道新幹線をはじめ重要な交通機関から距離があり、遠距離移動をする際には大変不便なところだと思っています。
リニア新駅の設置が奈良の経済にとって、大きな影響力を持つことは間違いないでしょう。
しかし、ハード面の充実に躍起になる前に、奈良というまちが経済的に自立するのを阻んでいる要因が、交通の面で不利であること以外にもあることを、じっくり考えて欲しいと思います。
奈良の代表的な産業は観光業ですが、すばらしい地域資源とは裏腹に、観光客が「不満」を抱くような状況も、依然として残っています。
敬語を使わない、道案内が出来ないなど、「もてなし」云々以前に接客業としての基本さえも不適格なところが数多くあります。
ハード面だけでなく、そういったソフト面の改善が両立されないと、仮にリニア新駅が奈良市に出来ても、結果は同じだと思います。
開通予定が2045年ですから、予定通りに進んでも30年以上の期間があるので、そういう意味では奈良観光の基盤を立て直す時期としてちょうど良いかも知れませんね。
ともあれ、この「古都バトル」。
行く末が興味深いですね。


