明日の夕方に日本行きの飛行機に乗るので、パリの夜を満喫できるのもこの日で最後です。
さてさて、ハイアットホテルで美味しい朝食をモリモリ食べ、まずはオランジュリー美術館へ。
メトロConcorde駅で下車し、チュイルリー公園の端に小さな美術館を見つけました。
朝早いこともあったせいか(ルーブルとかに比べればもともと混まないのかな?)待ち時間は
まったくなしで入れました。
変わりやすいパリの天気。この日はよく晴れていました。
簡単な手荷物検査をして中へ。
なんだかどこの施設に行ってもそうだったんですけど、旦那さんの手荷物検査がしっかり
中までガサゴソ見られるのに対し、私の方はサッと一瞥するだけで「どうぞ~」とほぼスルー。
まるでノーガードでした(^_^;)完全に子供だと思われてるな…
私なら時限爆弾持ち込めます。
はじめに有名な睡蓮の間に。
一部屋にモネの睡蓮のみを並べた贅沢な空間です。
香川の直島にも同じような目的の美術館がありますが、そちらよりも開放的な雰囲気。
絵を見るときに気にするとおもしろいのが、その作品が画家が何歳くらいの時に
描いたものか、という点。
オランジュリーの睡蓮は、モネの晩年の作品です。
家族を亡くし、画家の生命線とも言える視力を徐々に失っていく中で最期まで執着し描き続けたもの。
この作品に納得していなかったモネは途中で絵の寄贈を取りやめようとしましたが、
友人に説得されて死後の展示ならばと許可したそうです。
そこには印象派初期のモネに見られるような光に溢れた明るい色彩はなく、鈍く、暗い水のなかで睡蓮が静かに浮かんでいます。
踊るような荒い筆跡。
キャンバスの白地が残っている場所もありました。
白内障の症状は視野が白っぽく、ぼやけて見えるそうなので、モネにはもう少し
明るい色彩に見えていたのかもしれません。
オルセーで見た、夢のようにはつらつと輝く色彩の「日傘を差す女」や「サンラザール」。
それに比べ、この睡蓮のよどんだ色合いと静けさ。
「日傘を差す女」の制作当時、モネは35歳。最晩年の睡蓮は80歳前後の作品。
この間、50年という歳月。もちろん体力も衰えるでしょうし、視力も悪くなるでしょう。
モネは家族を相次いで亡くすという悲しい晩年でもありました。
「画家の寿命」を考えます。
歳と共に画風が変わっていくのは当たり前。
しかし高齢になっても若いときのような精緻で切り詰めた作品を作れる人は
ごくわずかで、後に残っていくのはそれまでに培った名声と個性。
オランジュリー美術館、こじんまりとしてますが
今回見たルーブル、オルセー、オランジュリーという三つの美術館の中では一番好きです。
目的がはっきりとしているし、すっきりまとまってて良い。
画家ごとに展示室の壁の色が違うのですが、それもまた効果的でした。
ホワイトキューブだけじゃあつまらないですもんね。
変わった構造の天井だなあ~と思って見ていたのですが、自然光で作品を照らすようにという
モネの指示があったそうです。
作品保護を考えると美術館泣かせな気もするけど、この布で紫外線を遮断してるんでしょうか。