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**コティの在庫部屋**

映画+音楽+本+雑貨+ご飯+お酒+「おべんきう」=私。

最近怒られた? ブログネタ:最近怒られた? 参加中







怒りたい。





「二流小説家 シリアリスト」

The Serialist


昨年唯一気になった邦画なのだが、評判がイマイチだったので敬遠していたが、見る機会を得た。

友人と一緒に「ながら見」だったので、キチンと全部見たとは言えないが、7割は見たよw


冒頭に書いたように、私は怒っている。この映画に。全く残念ながら評判通りだったから。

折角全米のベストセラーが原作なんだし、もちょっと描き方があるでしょうにと思ったよ、素人目にも。

上川隆也贔屓の私が言うんだからね!頼むよもう!w


まず、主人公に付きまとう姪っ子の女子高生が邪魔過ぎ。

私はこういう安易なキャラ立てが大っ嫌いだ。

キーキー煩いし、どこか女房気取りだし、何よあのラストの演出は。昭和30年代じゃあるまいし。

と、ワタクシは怒っているが、一緒に見ていた友人曰く「男の人は多分こういうの好きだよ」とな?!

一体ワタクシのどこにそんな欠陥が←今更

とにかく、この話の狂言回しにはもっと熟した未亡人辺りを持って来て欲しかったと思うのは私だけ?


それと、演出が酷い。だってカラクリ解るでしょあれじゃ。

あんなに登場ののっけから怪しかったら、初めからこいつ犯人と繋がってんなって解るじゃん!w

あの事務所のモノクロの写真だってカメラで映し過ぎ、追い過ぎ。もっとアッと驚かせて欲しかった。


わざとらしいんだよね、あっちもこっちも全部。どうしてもっとさらっと描けないんだろうって不思議だった。

そう、鼻につくのよ。主人公はさらっとしてるんだけどねーw


じゃあどこも良くなかったのかって言えばそうじゃない。

上川さんは素敵だったし(こら)、武田君も悪くなかったよ(ただやぱし最初の登場シーンは良くない)。

それと、上川さんの亡くなった母親役でちょこっとだけ出てくる賀来千賀子さん。美し過ぎ。

そして雑誌の編集部にいるでんでん。映画の冒頭、彼を見た瞬間思わず、

「あ、漁協の組合長だ」

と言ったら友人に爆笑された。


これねー、どうも読んだ方が面白いらしいよwww 映画は勧めません。でも気になった方はどうぞ。


*****


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愛だろ、愛。






「ランズエンド 闇の孤島」

Blood


ジャーヴィス萌えがいまだ甚だしく(苦笑、ベタちゃん主演と聞いて黙ってはいられず借りてみた。

世間的評判は大して高くないけれど私は好きですよ。いえ、大好きですよ私は(さりげなく主張w。

ベタちゃんが出てるからってだけでなく、筋書きとしてもそんなに悪くないと思うんだよなあ。

最後のクレジット見ていたら、これってどうやら元はTVドラマだったらしい。それの映画化と。

まあ、どこの国でもおんなじような事してんのねw


ブラッド、というのはこの映画では血縁の事であり、と同時に血生臭い死体の象徴でもあるだろう。

主人公の刑事である兄弟は、権力を振りかざす父親の影にどこか怯えながら、しかし同じ道を進む。

父親に良く似ているのは兄の方であり、弟はそんな危なっかしい兄を案じ、反発し、深く愛している。

そしてかつては恐怖の権化であった父親も、今は記憶が濃い霧の彼方に去って行こうとしている。


兄貴がベタちゃん、弟がこれまたイギリスの誇る名バイプレイヤー、スティーヴン・グレアム。

父親にブライアン・コックス(ラストは号泣した)、で、彼らと関わる同僚刑事にマーク・ストロング。

あのね、この人がいい。彼がこの映画の引きしめ役になってる。それも温かい引きしめ役なのよ。


この兄弟ね、かなりのストレスが溜まってる。

すっかり彼方の人となってしまった父親の世話の事もあるし、私生活の事もあるし、

更に兄貴はかつて事件が解決できずに死なせてしまった若い女の子の事が頭から離れない。

だから、同じような事件が起こり、犯人に一番近いのではないかと思われる人物が現れると、

いても立ってもいられなくなる。弟や同僚に窘められても、彼の怒りは消えない。それが悲劇となる。


強いぞマーさんwは、この話の中では、彼らの上司であり、かつては彼らの父親の部下であった。

だから、この父親が昔どないな横暴な人物だったかをよく知っている。

そしてその父親が少なからず原因で、兄弟が鬱屈してしまっているのもちゃんと理解している。

だから彼は、この兄弟に手を差し出そうとする。しかし兄にとっては追い詰められているに他ならない。


最初の30分で凶行に及ぶ姿が描かれ、その後の30分でじわじわと追い詰められて行き、

ラスト30分で果たしてどう落とし前をつけて行くのかなという、解り易い構成。見易いよー。


弟が婚約者に手を差し出された時、その手を振り切ろうとするのがいい。

彼がマーさんに言うように、弟はどれ程兄貴が自分を愛しているのかをよく解っている。だが良く見ると、

これは兄貴の事を言っているようであり、実は自分がどれ程兄貴を愛しているのかを言っているのだ。

どうして人は解っていながら傷付く事をやめないのだろう、とマーさんが言う。

ここで弟グレアムが言う「ラブ」はまさに、「愛だろ、愛」ってヤツなのだ。くぅ、クサいけど痺れるー!


とまあ御託を並べましたが、とにかく俳優陣が素晴らしい。っつーか麗しいのよ。

もうね、イギリスの味のあるいい男を総ざらえで集めてみました的な感じ。絶対見て損はない。

特に驚く程麗しかったのが、ベタちゃんとマーさんのツーショット。これが結構多いのよw 

何かほら、ベタちゃんはああでしょ?(ああってw) で、マーさんは「サーカス」でああだったじゃない。

なもんで、妄想族のワタクシとしては、一時停止をせずにはいられない程の興奮(こら。





ね?どうよ。どうよどうよどうよ!!!

このままどっかのカタログに乗ってても絶対おかしくない程の美しさ!!!!!

いいなあ、いい男のツーショット!萌えるわ~。


次は親子。





どうよ、これもいいでしょ? 1枚目の写真は実際エンドクレジットで使われていました。

じわじわ感がなかなか味だし、映像もブルーとグレイが基調でとてもキレイ。

いい男が好きな方には特にお薦めですw


親子の隙には入れないけれど、

兄弟のようにはなれないけれど、

彼を受け止めたい、それだけだ。





ラスト、余りにもラブリーなツーショットがあったので貼ります。

「ぎゅっ(はぁと)」ってベタちゃん、よく俳優仲間からやられてるよねw

しかし男にモテモテやなあw 妻も子もいるのにwww












*****


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ぼったくられたことある? ブログネタ:ぼったくられたことある? 参加中







彼女にしてみれば、こんなぼったくりはないだろ。





モームにしてみてもねwwwww←後述



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前から字面的に酷いタイトルだと思ってたんだけど、中身はもっと酷い話だったわー(苦笑。

いや、酷いって言ってもストーリーがもう、ホント、酷い人間の話という事で、小説としては、

いやはや、文句のつけようがない程に素晴らしいものだったんだけどね。


前から読みたいと思っていたモーパッサンの文庫を図書館で探すと、薄いのはこれしかなくて。

厚いのはどうも持って歩くのが難儀でねえ←軟弱過ぎだろ。 で、早速借りてみた。


「テリエ館」の方はどうもドタバタチックであんまし好きになれなかったんだけど、

やはりメインタイトルにもなっている「脂肪の塊」の切れ味が最高に素晴らしい。傑作だねえ。

自然主義ってのはこういうもんだったっけなと、あらためて思い出した次第。

っていうか、自然主義ってぶっちゃけ今まで余り好みじゃなかったんだけど、これは凄かった。

こういうのを自然主義というのであれば、私はこれも好みだと言える。


読み終わって考えた事だけ書くけど、これは要するに誰が一番悪いんだということなのかもね。

スノッブぶった連中やその奥方、宿屋の親父や彼女を所望したプロシア兵、そして尼さん達、

そんな奴等なんてのはハッキリ言って「煙」みたいなもん。一番はあの革命家でしょ?

ラストに口笛を吹くシーンね、あれは彼女を鼓舞する、彼女の気持ちに寄り添うためのものだろうが、

結局一番の偽善者はお前だろ?と言いたい。


彼女と同じ馬車に乗りあわせたあいつらが彼女にした事(彼女にさせた事)はそらぁ最低さ。

人として許されるもんじゃない程の醜さバリバリ全開の行動。尼さんなんかサイテーじゃん。

でもあんたはそれを責めるだけ責め立てて、結局彼らのおこぼれに預かって馬車に乗ってんだろ。

彼女を助ける事もせず、逃がす事もせず、声をかける事もせず、ただ黙って見てるだけだろ。

それって一番の卑怯者じゃねえの?


とまあ、そこを描きたかったんじゃないのかなと、個人的には思っていたりしたもんで、

でもその読みって当たらずとも遠からずなのかなと思ってちょーっと調べたんだけど(弱気w)、

どうやらまあ、ここまで強烈に思う必要はなさそうだけど、方向的には当たってるみたい。


で、調べてビックリ。この小説、ジョン・ウェイン主演の「駅馬車」のヒントになってるらしいのよ。

駅馬車、実は我が家にDVDがある。以前ワンコインDVDが流行った時に買っておいたもの。

だからまだ見てない。これは是非見てみよう!と思って棚から引っ張り出した。


私が持ってるワンコインシリーズは、「水野晴郎のDVDで観る世界名作映画」の1本なんだが、

その裏の説明書きを何気に読んでみた。








はーるーおおおおおー!

近いうち、こちらの思いがけない収穫作品も見たいと思う昨今。


*****


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気分いい? ブログネタ:気分いい? 参加中







うん、だいぶねwwwww



という訳で、今年もオスカーが決まりましたねー。

それ程興味があった訳ではないのですが(だって兄貴絡みはひとつもないし)、やはり気にはなると。


予定のない土曜の夜は、J-WAVEの「プライムファクター」という番組を聞いているのですが

(ナビゲーターのショーンさんも好きですしね)、先日ゲストでいらしていた東大大学院の藤原先生、

この方の映画のお話が非常に面白く(専門は確か国際政治学とかw)、以前も夢中で聞きましたが、

今回のオスカーに絡んだお話もとっても興味深かったので、その辺も含めてちょっと書こうかなと。


え?勉強?まあいいじゃないですか今月までは無礼講って事で(こんなんだから受かんねえんだよ)。


何より嬉しかったのはやぱしまこなへーだよね。よかったねまこなへー。

最近のまこなへーの変態っぷり、もとい役者魂っぷりには脱帽するばかりでした。

今回のノミニーでは見る前から一番興味のあった映画ダラスバイヤーズクラブ、で主演男優賞。

更にジャレッド・レトも助演男優賞だしね、いやあめでたいじゃないですか。


藤原先生曰く、ダラスは何より主演のまこなへーありきだと。まこなへーがとにかく凄いと。

それと、どうして私がこの映画に惹かれたのかも解った気がしたのだけど、ダラスはその昔、

ジュリア・ロバーツにオスカー女優賞をもたらした「エリン・ブロコビッチ」の流れを汲む映画だという話。

余り良くない人が急に全面的にいい人になったのではリアリティはないし、面白くない。

その点、エリンもダラスも、主人公が急にいい人になったりはしない。特にダラスは悪いとこは悪い。

ずっと自堕落w しかし、段々と意識が変わってくる過程がいいらしい。ほほう、と唸ったね。

そしてその過程で登場するのがレトなのだろうと思う。見る前から期待できるなあこれは。


変態まこなへーが気になる人は、ダラス見る前に、「キラー・スナイパー」と「ペーパーボーイ」見てね。

うちの記事にもあるのでご参考になさってください。ただし見る場合は自己責任ですよw

特にスナイパー見た後でフライドチキンが食べられなくなっても責任は負いませんwww


監督賞のキュアロン氏もまあ、納得じゃない?これはもう貰っていいでしょう。

実は私、未見なんですよ、この傑作と名高い映画を(苦笑。

藤原先生やショーンさんも言っていたが、CGとか3Dとかあんだけ揃うと映画ファンは若干引くw

が、そこを押して見に行くべき映画だとの事。うーん、解ってはいたけど時間がー…。


で、作品賞の12年間の話ね。これは凄いね。ここに作品賞とはねえ。

というのも、これも藤原先生の話からの引用だが、これまでのオスカーなら間違いなく12年じゃなくて、

執事の話の方を作品賞ノミニーにした筈だと。

先生曰く、執事の話には、どれだけ描き切ったと思っていても、実はまだ白人目線のところがあると。

それを「優越的寛容」というのだそうだ。だからこそこれまでのオスカーでは選ばれ易かった筈なのだ。

「執事」を撮ったリー・ダニエル監督は「プレシャス」を撮った人で、実はあれにもその目線があったと。

ところが今回の12年はそうではない。かなり抉ったところまで描き切っていると。

そして、褒めすぎかもしれないが、と前置きをした上で先生は、この作品がノミニーになるという事が、

アフターバラク(=オバマ以後)の(よき)象徴なのではないかという事だった。深い洞察だなあ。


映画的に言うなら12年の監督のスティーヴ・マックィーンはあの問題作「SHAME」を撮った人。

ファスベンダーのナニがあれしてこうなったみたいな(こら)、ちょっと捉えどころのない作品だったが、

この監督、男を徹底的にコキおろすのが非常に巧いと思うw というかもしかしてこの監督、

ファスベンダーをコキおろすのが趣味?wwwww

「SHAME」も宜しければ在庫部屋にありますのでお探し頂ければ幸いですw


最後に、主要部門のノミニーにはなっていないが「オール・イズ・ロスト」という作品について。

ロバート・レッドフォード史上最高との話を藤原先生もしていたので、大変期待出来るが、

大海原にひとりぼっち、という構図は非常にゼログラに近いのだと。

ところがゼログラにはオスカーがついていけても、藤原先生曰く「オールイズにはついて行けない」と。

どの辺が着いて行けないのか見ていないので解らないが、しかし言ってる事は解る気がした。

というのも、オールイズの監督はあの傑作「マージンコール」でデビューを飾ったJCチャンダー。

あのレベルでデビューだかんね。2作目となったらそら簡単には着いていけんだろうとw

才気が溢れているという事は、賞すらも通り越したところに才能があるという事なのかもしれない。


あとはそうねえ、オリジナル脚本賞を貰った「her」ね、これは期待してるよホント。



凄くいい写真見つけてしまった。今年のオスカー各賞ノミニー関係者(ほぼ)のフォトセッション。

ウィテカー、まこなへー、レト、ジョシュりん、マイケルBジョーダン(外国語映画賞)、ジェイク。





皆さん、これからもいい映画、期待してまっせー。


*****


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友達の元恋人と付き合うのはアリ? ブログネタ:友達の元恋人と付き合うのはアリ? 参加中







妻の元愛人の恋人と寝るのはアリ。







「華麗なる恋の舞台で」

Being Julia


モームの「劇場」を検索していた時偶然見つけた映画で、これは借りねばと思い読む前に借りたw

というのもさ、いやね、最近、自前だが未見のDVDを見るに当たり、先に原作を読もうと手に入れて、

読み始めたらこれがまあその中身の濃ゆいの濃ゆくないのwww お腹一杯でDVD見る気になれずw

てな事があったので、モームに限ってそれはないと思いつつも、先に映画を拝見する事にした。


ひとこと言うなら、本当に素晴らしかった。最高に楽しめたよ。これだから映画はやめられない。

原作を生かし切り、更にディップが効いてる感じとでも言うのかしら。読んでなくても解るわその辺はw

様々なブログ記事などを頼りに、原作がどの程度書かれているのか情報は仕入れたので、

その辺も意識しつつ、今回もネタばれてんこ盛りで行きますのでどうかご容赦を。


さて、原作では勿論書かれていなかったであろうが、主人公の大女優ジュリアの親友チャールズ卿、

この人には恐らく、モーム自身の影を落として描いたのではないかと思う。

世間の色んなブログによると、原作ではジュリアの息子ロジャーにその役割を担わせているようだけど、

映画ではロジャーはめっちゃ若いし、台詞としては確かにモームの分身らしきものがあるんだろうけど、

モームってのはどっちかってーと、チャールズ卿のようなものの見方をしてたんじゃなかろうかと。

それはまあ、最後まで見て行くと余計そう思えるってのもあるんだけどさ、でもそれはそれでいい感じよ。

チャールズ卿役のブルース・グリーンウッドが実にいい味。この人いろんなとこで見た気がするわ。


いい味って言えば、劇場の共同経営者=カネの出どころwのドリー・デ・ヴリース夫人ね、

一目で、あれーこの人どっかでと思うんだけどw、彼女はプリオのロミジュリでジュリの乳母だった人。

本当に達者な役者であり、今回もヒッジョーに巧い。こんな実力派俳優が脇にいると本当に締まる。

脇にいて締まるのがもう一人、ジュリアのメイド兼付き人、エヴィ役のジュリエット・スティーヴンソン。

彼女もどっかで見たよなあという感じの名バイプレイヤーで、見ていて安心する程の巧さ。

ジュリアとの掛け合いもバッチリで、この人が画面にいるだけでスピード感が増すし、絵面も映える。


で、上記の人々に共通しているのが、同性に対する思いの深さなのよね。

この辺勿論モームである事を意識して描かれているとも取れるのだけど、案外そうでもないのかもと。

というのも、結局、同性であろうが異性であろうが、誰かを深く愛する気持ちってのは同じな訳であり、

だからこそ、深く嫉妬もするのである。そこに性別はなかろうと。


ロジャーはジュリアの、若く腹黒なヤングアメリカンツバメw、トムを気に入っているのは確かだが、

母親との会話の際に彼が見せる表情と言葉の端を見聞きする限り、彼に好意過ぎる好意を寄せている。

だから、女の子との初体験は大したことなかったよ、という事になるのかもしれないし、

案外この告白は、実は相手が男子だった可能性も伺わせるものでもあるのかもしれない。


反対に、ロジャーの母親である癖に、ジュリアはトムに、ロジャーとばかり仲良くして!と怒り心頭で、

年上である事も母親である事もすっかり忘れて、ロジャーとトムの仲の良さに嫉妬する。

一緒に口説いたというエイヴィスという娘よりも、この二人に先に嫉妬する辺りのニュートラルさ。


付き人のエヴィは恋人も家族も作らず、25年間誠心誠意を込めてジュリアに仕えている。

時に女主人に対して失礼な程のあけすけな物言いが許されるのは、年月のなせる業だけではなく、

エヴィという女性の生き様がジュリアにも解っているからだ。ここには身体を介さぬ大きな愛がある。


また、ドリーがジュリアを訪ねてくるのはいつもジュリアが素っ裸でマッサージ中の時だという事や、

ジュリアが自分への心をなくしてしまったんじゃないのかと、ジュリアの夫マイケルの前で泣く辺り、

並々ならぬ過ぎた愛情が、ドリーからジュリアへ送られている事になる、勿論身体を介さずに。


この映画の一番の大筋は、ジュリアと若いツバメ・トムとの情事の経緯、ツバメと新しい女との関係、

そして彼女のトムを凌ぐほどの強かさに対するジュリアの圧倒的復讐コメディ劇なのだがw、

脇の人物に注目するとまた違った風景が広がってくるから興味深い。

ちなみにロジャーを演じたトム・スターリッジ君は今度DVDになる「オン・ザ・ロード」で、

アレン・ギンズバーグの役どころを演じているという。ほほう、こいつは楽しみだ。

(この映画では、バロウズの役をヴィゴ様が、音楽をサンタオラヤがと聞いただけで涎が…)


大筋関連についてはね、まあいろんなとこで書かれているので私が言うのは今更なんだけど、

アネット・ベニングに拍手喝采だよね。他にどんな言葉も見当たらない程の素晴らしさだった。


ジュリアがエイヴィスに復讐をするのは、エイヴィスが、野心のために夫と寝たからではない。

(ここんとこもしかしたら原作にはないのかな? まあね、ジェレミーおじだもん無理ないよねwww

また、自分の若いツバメだったトムを自分から寝取った=奪ったからではない。

小娘の分際で、事もあろうに、私=ジュリア・ランバートという大女優というブランドに傷を付けたからだ。

このブランドというのは、ジュリアのプライドに他ならない。これまで築いてきた名誉あるブランドだ。


ぶっちゃけ夫が誰と寝ようが構わない。逆に、そんな色気があって良かった位なもんだw

そんな事ではなく、私が言いたいのは、

お前は一体誰に喧嘩を吹っ掛けたと思っとるんだ

という事。あんたごときに蹴落とされるような、そんなチンケな女じゃないのよ、という凄味である。

その凄味を感じたからこそ、チャールズ卿もロジャーも、舞台の彼女に惜しみない拍手を送る。

彼女のリアルな人生はまさに、舞台の上にあるのだというパラドックスが鮮明になる瞬間だ。


ジュリアの演技指導をしたという、ガンボン演じる今は亡きジミー・ラングトンの亡霊がいいw

彼の声はジュリアの心の声であり、ジュリアを励ます声であり、ジュリアを支える声でもある。


トム役のショーン・エヴァンスの小物っぷりが惜しいが(つまんない男って設定にしてもつまんな過ぎ

その他はなかなかココまで揃わないよって程のキャスティングの妙が味わえる。

今年どんだけ見られるか解らないけど、これは間違いなくベスト10入り。クラシックな音楽もいい感じ。


誰にも文句など言わせない。

ここに私がいることに。

ここに生きていることに。


*****


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