Being julia DVD: 030114 | **コティの在庫部屋**

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妻の元愛人の恋人と寝るのはアリ。







「華麗なる恋の舞台で」

Being Julia


モームの「劇場」を検索していた時偶然見つけた映画で、これは借りねばと思い読む前に借りたw

というのもさ、いやね、最近、自前だが未見のDVDを見るに当たり、先に原作を読もうと手に入れて、

読み始めたらこれがまあその中身の濃ゆいの濃ゆくないのwww お腹一杯でDVD見る気になれずw

てな事があったので、モームに限ってそれはないと思いつつも、先に映画を拝見する事にした。


ひとこと言うなら、本当に素晴らしかった。最高に楽しめたよ。これだから映画はやめられない。

原作を生かし切り、更にディップが効いてる感じとでも言うのかしら。読んでなくても解るわその辺はw

様々なブログ記事などを頼りに、原作がどの程度書かれているのか情報は仕入れたので、

その辺も意識しつつ、今回もネタばれてんこ盛りで行きますのでどうかご容赦を。


さて、原作では勿論書かれていなかったであろうが、主人公の大女優ジュリアの親友チャールズ卿、

この人には恐らく、モーム自身の影を落として描いたのではないかと思う。

世間の色んなブログによると、原作ではジュリアの息子ロジャーにその役割を担わせているようだけど、

映画ではロジャーはめっちゃ若いし、台詞としては確かにモームの分身らしきものがあるんだろうけど、

モームってのはどっちかってーと、チャールズ卿のようなものの見方をしてたんじゃなかろうかと。

それはまあ、最後まで見て行くと余計そう思えるってのもあるんだけどさ、でもそれはそれでいい感じよ。

チャールズ卿役のブルース・グリーンウッドが実にいい味。この人いろんなとこで見た気がするわ。


いい味って言えば、劇場の共同経営者=カネの出どころwのドリー・デ・ヴリース夫人ね、

一目で、あれーこの人どっかでと思うんだけどw、彼女はプリオのロミジュリでジュリの乳母だった人。

本当に達者な役者であり、今回もヒッジョーに巧い。こんな実力派俳優が脇にいると本当に締まる。

脇にいて締まるのがもう一人、ジュリアのメイド兼付き人、エヴィ役のジュリエット・スティーヴンソン。

彼女もどっかで見たよなあという感じの名バイプレイヤーで、見ていて安心する程の巧さ。

ジュリアとの掛け合いもバッチリで、この人が画面にいるだけでスピード感が増すし、絵面も映える。


で、上記の人々に共通しているのが、同性に対する思いの深さなのよね。

この辺勿論モームである事を意識して描かれているとも取れるのだけど、案外そうでもないのかもと。

というのも、結局、同性であろうが異性であろうが、誰かを深く愛する気持ちってのは同じな訳であり、

だからこそ、深く嫉妬もするのである。そこに性別はなかろうと。


ロジャーはジュリアの、若く腹黒なヤングアメリカンツバメw、トムを気に入っているのは確かだが、

母親との会話の際に彼が見せる表情と言葉の端を見聞きする限り、彼に好意過ぎる好意を寄せている。

だから、女の子との初体験は大したことなかったよ、という事になるのかもしれないし、

案外この告白は、実は相手が男子だった可能性も伺わせるものでもあるのかもしれない。


反対に、ロジャーの母親である癖に、ジュリアはトムに、ロジャーとばかり仲良くして!と怒り心頭で、

年上である事も母親である事もすっかり忘れて、ロジャーとトムの仲の良さに嫉妬する。

一緒に口説いたというエイヴィスという娘よりも、この二人に先に嫉妬する辺りのニュートラルさ。


付き人のエヴィは恋人も家族も作らず、25年間誠心誠意を込めてジュリアに仕えている。

時に女主人に対して失礼な程のあけすけな物言いが許されるのは、年月のなせる業だけではなく、

エヴィという女性の生き様がジュリアにも解っているからだ。ここには身体を介さぬ大きな愛がある。


また、ドリーがジュリアを訪ねてくるのはいつもジュリアが素っ裸でマッサージ中の時だという事や、

ジュリアが自分への心をなくしてしまったんじゃないのかと、ジュリアの夫マイケルの前で泣く辺り、

並々ならぬ過ぎた愛情が、ドリーからジュリアへ送られている事になる、勿論身体を介さずに。


この映画の一番の大筋は、ジュリアと若いツバメ・トムとの情事の経緯、ツバメと新しい女との関係、

そして彼女のトムを凌ぐほどの強かさに対するジュリアの圧倒的復讐コメディ劇なのだがw、

脇の人物に注目するとまた違った風景が広がってくるから興味深い。

ちなみにロジャーを演じたトム・スターリッジ君は今度DVDになる「オン・ザ・ロード」で、

アレン・ギンズバーグの役どころを演じているという。ほほう、こいつは楽しみだ。

(この映画では、バロウズの役をヴィゴ様が、音楽をサンタオラヤがと聞いただけで涎が…)


大筋関連についてはね、まあいろんなとこで書かれているので私が言うのは今更なんだけど、

アネット・ベニングに拍手喝采だよね。他にどんな言葉も見当たらない程の素晴らしさだった。


ジュリアがエイヴィスに復讐をするのは、エイヴィスが、野心のために夫と寝たからではない。

(ここんとこもしかしたら原作にはないのかな? まあね、ジェレミーおじだもん無理ないよねwww

また、自分の若いツバメだったトムを自分から寝取った=奪ったからではない。

小娘の分際で、事もあろうに、私=ジュリア・ランバートという大女優というブランドに傷を付けたからだ。

このブランドというのは、ジュリアのプライドに他ならない。これまで築いてきた名誉あるブランドだ。


ぶっちゃけ夫が誰と寝ようが構わない。逆に、そんな色気があって良かった位なもんだw

そんな事ではなく、私が言いたいのは、

お前は一体誰に喧嘩を吹っ掛けたと思っとるんだ

という事。あんたごときに蹴落とされるような、そんなチンケな女じゃないのよ、という凄味である。

その凄味を感じたからこそ、チャールズ卿もロジャーも、舞台の彼女に惜しみない拍手を送る。

彼女のリアルな人生はまさに、舞台の上にあるのだというパラドックスが鮮明になる瞬間だ。


ジュリアの演技指導をしたという、ガンボン演じる今は亡きジミー・ラングトンの亡霊がいいw

彼の声はジュリアの心の声であり、ジュリアを励ます声であり、ジュリアを支える声でもある。


トム役のショーン・エヴァンスの小物っぷりが惜しいが(つまんない男って設定にしてもつまんな過ぎ

その他はなかなかココまで揃わないよって程のキャスティングの妙が味わえる。

今年どんだけ見られるか解らないけど、これは間違いなくベスト10入り。クラシックな音楽もいい感じ。


誰にも文句など言わせない。

ここに私がいることに。

ここに生きていることに。


*****


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