三国志 Three Kingdoms ②
【三国志 Three Kingdoms】DVDBOX後編が発売される前に、前回に引き続き、
この作品の魅力を、画像をたくさん使いながら紹介します!

さて、『三国志演義』の主人公といえば、劉備玄徳。
その劉備ですが、序盤はなにかを成したわけでもないのに、志だけが高く、
どんなことが起きても動じることがない、知的で物静かな人物として描かれてます。
曹操が豊かな人物像を見せてくれるだけに、最初はそれが寂しく、物足りなくも感じるのですが、
徐州を曹操に奪われた辺りから、それが変わってきます。
関羽は意外と特殊メイクをしている。赤い顔だったり、小さな目だったり。
京劇のイメージを大切にしているんだと思うけど、それならば背も!と思う。
自ら先陣を切って奮戦した戦に負けたあと、返り血をあびた形相で呆然と佇んだり、
徐庶という軍師を得て、初めてといってもいい大勝を手にし、涙ぐんでみたり。
ちなみにその徐庶が自分の下を離れてると聞いた時に、腰が抜けるように崩れ落ちて驚く姿は
個人的な劉備の名場面!
勿論、孔明との有名な出会いのシーンもかなり丁寧に描かれてます。
世捨て人みたいな生活をしているのに、孔明、かなりいいところに住んでる!
ちなみに武器は『三国志演義』によくある挿絵のイメージを裏切らない、二刀流。
細かなところですけど、こういったコダワリがやっぱり嬉しいところです。
関羽と張飛は、すべての人のイメージを裏切らない描かれ方がされてます。
中国の人は張飛が大好きだと聞きますが、この作品でも見事なコメディリリーフを担当しています。
出てくるだけで、楽しくなるキャラクターです。
実は、意外と戦うシーンが少ない張飛。
でも、張飛らしさはどのシーンでも全開なので気にならない。
関羽は直立していると、張飛と変わらない身長であることがわかってしまうせいで、
背が低いことがそのまま迫力不足に感じられて、かなり気になるんですが、
馬に乗って青龍刀を振り回しはじめると、文句なしに格好いい画になります。
2人に比べると、ちょっと扱いが小さくて悲しいのが趙雲。
劉備からは、おまえは4人目の兄弟だ!とまで言われるのに、物語のなかではしばしば、
その存在を忘れられてないか?と思うほど、出番がなくなることもあります。
とはいえ、趙雲にはあの、有名な『長坂の戦い』がある!
むしろ、趙雲の出番は後編にあるのか?老いた趙雲の活躍も楽しみではある。
というわけで、この戦いが描かれる回では、それまでの鬱憤を晴らすかのごとく、
阿斗を抱えたまま、ほぼ丸々1話、たった一人で延々と戦場を駆け回る大活躍!
獅子奮迅の戦いを見せてくれます。
中国の人はこの場面、ほんとに好きなんだなあ、というのが凄くよくわかります。
それらも含め、戦場のシーンは後半になるに従って、どんどん大々的に、苛烈に、
詳細に描かれるようになります。
馬、全部本物じゃない?何頭かは実際に死んでない?と見ているときは思ったんですけど、
特典ディスクのメイキング映像を見たら、しっかり作り物でした。
戦車隊と騎馬隊の激突から始まる『官渡の戦い』は、実際に死者がでていてもおかしくないような
壮絶なシーンが続きますし、曹仁が八門金鎖の陣を敷いて戦う有名なシーンでは
実際に戦場に兵士たちの巨大な陣形がつくられ、そこでの激しい戦いが描かれています。
前篇で1番良かったのはやっぱり、『官渡の戦い』かな。
『レッド・クリフ』ほどやりすぎていなくて、でも本気で痛そうな戦いが、しっかり描かれてます。
趙雲の1人舞台な『長坂の戦い』も、ほぼずっと戦場のシーンがつづく熱い展開ですし、
前篇の最後にはもちろん、あの『赤壁の戦い』も待っています。
ちなみに大ヒットしたあの映画と違って、こちら側では、この戦いの主役は黄蓋!
甘寧や韓当もいるんですけど、目立っているのはずっと黄蓋!
これも、この作品ならではと言えそうです。
前篇の42話が終了し、作品はやっと赤壁を終えたところです。
この時点で劉備は、まだ勢力として頭角を現しているとはいえず、勢力図はまだまだ、
ほぼ曹操の一強という状態にあります。
つまり、本当の意味で『三国志』の世界が描かれるのは、まさにこれから。
智謀策謀が巡らされ、国同士がそれぞれの思惑で動き、激しくぶつかりあう物語は
ここからが本番になるはずです。
後篇から、より盛り上がっていくだろう物語に期待です。
とにかく映像が美しい。
中国全土に出かけていって撮影した、というだけあって、景色がもう最高なのです!
三国志 Three Kingdoms ①
現在、すっごく楽しんで鑑賞中の【三国志 Three Kingdoms】DVDBOX前篇。
うーん、この作品、楽しいぞ!
ということで、この作品の魅力を、画像をたくさん使いながら全2回に渡って紹介します!
三国志好きのツボを怒涛の如く突いてくる、大必見の傑作です。
まず、本作の物語のベースは『三国志演義』です。
元々『三国志演義』の物語は人によっては、史実があまりにも脚色されすぎて
好きじゃない、とか、歴史的には決して有能とはいえないだろう劉備が、
格好いいヒーローのように描かれすぎて楽しめない、なんて評判を日本ではよく聞きます。
最近では日本でも、様々な解釈で漫画、小説、映像化などがされて、
あらゆる形で三国志の物語を楽しめるようになっているので、余計にそうした評価に
繋がっているのかも知れませんね。
でも、本作品【三国志 Three Kingdoms】を実際に鑑賞してみると、
決してよくある『三国志演義』の完全再現では終わらない、
様々なオリジナリティが詰め込まれた、新しい三国志になっているのです!
というわけで下記から、そんな新しいと感じた箇所をいくつかあげてみます。
まず、物語の序盤の主人公は曹操です。
第1話の時点で黄巾の乱はすでに鎮圧され、
董卓がすでに宮廷の実権を掌握しているところから始まるため、
劉備が関羽たちと出会うエピソードや、各人物が黄巾賊討伐で名をあげるという場面は、
残念ながら一切なし。
そのせいで、三国志の知識がまったくないと、最初は状況を把握するのが
少し難しくなっています。
曹操はそんな中でただ1人、宮廷や国の現在の状況を憂う人物として描かれ、
他者の愚を堂々と指摘してみせたり、国を正すためなら自分の命を惜しむことなく
行動しようとするなど、英雄的な側面がしっかりと描かれます。
その一方で、逃亡中に立ち寄った、父の義兄弟である呂伯奢の家の人間を、
自分の勘違いで全員殺してしまうという、
裴松之が、『正史・三国志』に注釈として書き加えてもいる、
あの有名なエピソードもしっかりと描かれるので、決して簡単に好人物という評価に
ならないようにもなっています。
な、なんてことだ・・・・・・という曹操。
『魏書』にも書かれているくらいなので、実際にあったのは間違いないだろうと言われている
とても有名エピソードですよね。
実際、曹操はこの作品の中で、最も様々な表情を見せる、
とても複雑な人物として描かれていると思います。
まだなんの功績も残していない、無名の劉備をただ1人認めるという
心の広さを見せたかと思えば、
なにもしないで徐州の太守になった劉備に、血管が切れそうなほど腹をたてたり、
また、戦に敗北して捕らえられ、死を覚悟して曹操を罵りつづける陳宮を、
最後まで生きて自分に仕えないかと提案し、思い留めようとするも適わず、
その処刑を見守ったのちに涙を浮かべ、それを配下に指摘され、
自分は泣いてはいない、と否定したり。
ただの悪辣な男でも、非情な悪役でも、有能で隙のない完璧なヒーローでもない、
とても人間らしい姿をもつ曹操は、この作品の魅力のひとつになっているのです。
若い頃からずっと描かれるので、当然どんどん老いていくんですけど、
いい年のとりかたをしていきます。
ちなみに『曹瞞伝』よりも、『魏書』の記述を重視したのか、
部下は夏侯惇らよりも曹仁のほうが、序盤からずっと重用されてます。
これもちょっと新鮮。
そして、物語序盤のもう1人の主人公、呂布。
本作の呂布は、貂蝉を一途に愛する、子供っぽい愛嬌と素直さが同居した、
楽しい人物として描かれています。
真っ先に目が行く赤いマントは、実は後々の伏線に・・・・・・。
作品の序盤はスケジュールなのか、それとも予算のせいなのか、
戦場シーンがほぼ省略されるせいで、呂布の武将としての強さが伺えるようなシーンは
残念ながら、ほぼ皆無。
でも、周囲の人間にころころと影響されて、考えを次々に変えてしまうという
上京したての純朴な田舎青年のような呂布の様子は、見ていて素直に楽しく、
追い詰められ、死が近づいてくると、ああ、もうその存在が見られなくなるのかあ、と
途中から、寂しく感じはじめたほど。
また貂蝉は、父が亡くなった時点で自害するか、もしくは殺されることも多いですが、
『三国志演義』に習い、今作では呂布と最後まで、行動を共にします。
しかも終盤には、陳宮を信じきれない呂布を、諌めるようなシーンまであります。
これもすごく新鮮。
さらに、劉備と対面するシーンもありました。
ちなみに、あの有名な離間の計は、なんと3話にも渡って描かれます。
でも、さすがにそれは、ちょっと長すぎると思う・・・・・・。
ちなみに、個人的な好みから、愛してやまない、『呉』関連の描写。
序盤は壮健な孫堅に率いられ、ビシッと白がアクセントに使われた甲冑姿で、
文句なしに格好いい!
さらにそんな父の孫堅に付き従う幼い孫権、孫策と周瑜の熱い絆、
さらには大喬と小喬の出会いまでも描かれ、他と比べれば扱いは小さいながらも、
意外とサービス精神ある描写となっていて、意外と大満足!でした。
でも当然ながら、孫策が活躍した時代は、ほんのわずか。
ということは、出番も当然短くなってしまうので、その後の大喬がちょっと不憫・・・・・・。
第2回につづきます。
ゴールデン・グローブ賞!
今年1番最初にやってきた、すばらしいニュースといえば、
ゴールデン・グローブ賞 ミュージカル・コメディ部門の男優賞に、
【ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則】の
『ジム・パーソンズ』が選ばれたこと!
これで、昨年のエミー賞とつづけて2冠!
現在、私が唯一見つづけているシットコムでもあるので、すごく嬉しいよ。
うんうん。
あの天才のおたくぶり、素晴らしいですよね・・・・・・。
ところで、プレゼンターが同作のヒロイン、『ケイリー・クオコ』だったのは偶然?
だとしたら、選んでくれた人に感謝!
作品内でも、こんな可愛い彼女の姿は見たことないよ!
まあ、それ以外の賞はほぼ【Glee】の独占でしたけど、これは仕方ないですか。
完成度が1作だけ違いますもん・・・・・・。
ところで、このニュースを見ていてすごく気になったのは、
ドラマ部門の男優賞にあった、『スティーヴ・ブシェミ』の名前!
え?
【ファーゴ】や【レザボア・ドッグス】で、私にトラウマのような
強烈な印象を残してくれた、あの『スティーヴ・ブシェミ』!?
その出演作【BOARDWALK EMPIRE】(原題)は、ドラマ部門の作品賞までとっていて、
1920年代のアトランティック・シティが舞台となったマフィアたちの物語らしいんだけど、
一体どんなドラマなんだろうか・・・・・・。
きっと暗い、難しいドラマなんだろうけど、
うーむ、すっごく気になるなあ・・・・・・。
放送終了とはじまり。
今年もそろそろ、終わり。
ちょっと早いけどふり返って見ると、ここ数年の中では1番新しいことに
チャレンジできた年だったかな。
でも、やり残したことも多かったなあ。
あ!
あと、ずっと見ていた海外ドラマが、次々と完結した年でもあった。
■ 『ER』
1番長く見ていたのは、これ。
最後は、すごくきれいに終わりました。
あれ、ずっと考えていたのかなあ。
だとしたら、製作者はなかなかの策士だ・・・・・・。
■ 『24 -TWENTY FOUR』
人によってまったく違うのかも知れないけど、私が1番好きだったシーズンは
やっぱり、【シーズン4】。
評判がとてもいい【シーズン5】は、私はやりすぎだったと思う。
でも、やりすぎ!という所までやるのが、このドラマの魅力だから、問題なし。
何年かしたら、ゼッタイまたこんなドラマを見たくなる気がする。
ほんと新しくて、楽しいドラマだったなあ。
■ 『LOST』
まさについ先日、本当に見終わったばかり。
最終シーズンを見ながらずっと、フルマラソンをついに私は完走したぞー、という
気分だった。
長かったあ。
感無量。
ストーリーは、・・・・・・まあ、すべて解決しなくてもいいよね。
■ 『HEROES/ヒーローズ』
これも本当に終わったばかり。
あんなに鳴り物入りで始まったのに、打ち切りで終わっちゃったかあ。
私は大好きだったんだけど、新しいシーズンが始まるたびに
能力者たちが自分の持っている能力に、また1から苦しんでたような印象がある。
あと、米国で製作されているドラマから、限りなくナチュラルに近い日本語が
聴こえてくる不思議。
ああ、いつか帰ってきて、ヒロ。
日本語で。
■ 『バトルスター・ギャラクティカ』
全エピソードを録画したのに、再放送をついつい見てしまう・・・・・・。
一方、日本では、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が公開。
格好いい!けど、なんか違う・・・・・・。
いや、当たり前だ。
でも、実弾を撃ってる宇宙船を見ちゃうとなあ・・・・・・。

大統領の最後のシーン、すっごく素敵でした・・・・・・。