初心者同志 -112ページ目

ヒーローハンター。

誰もが憧れて、誰からも尊敬される存在。

ヒーロー。


でも、そのヒーローになれる人間と、そうではない人とを分けるのは、

一体どんな部分なんだろうか。


「強さ」


うん。

ヒーローは、強くなくちゃいけないと思う。

ヒーローは、誰よりも注目を浴びることになる存在だし、

その注目に応えていかなくては、いけないからだ。

そのためには、やっぱり、強さは必要だと思うな。


「優しさ」


人に優しくしてあげられる余裕もない人間が、

ヒーローになんてなれるはずがない。

これも絶対、必要。


「格好よさ」


うーん、私は格好悪いヒーローがいたっていいと思うけど、

ヒーローでいる、てことが、既に格好いいことになのかも知れない。


「見た目」


これは大切だぞ。

だって、見た目が普通の人と変わらなかったら、

その人がヒーローなのかどうかを知る方法がなくなってしまう。

ヒーローには、ヒーローらしい見た目が必要なんだと思うなっ!




MHFss027

・・・・・・これは、違うな。



オンラインゲームの「MHF」 の世界では、すべてのものが、

ハンターたちが採取してきたものから、作られている。


だから気をつけないと、着用する防具も、こんなものができてしまうのだ。






肝だめし、後半。

あまりにも怖すぎたために、リタイアする子供が続出した、

肝だめし前半戦。


「あんたたち、これはやりすぎだぞっ!」


と、思わず叫びたくなる演出で、延々と聞かされた怪談話もようやく終わり、

ここからやっと、肝試しの本番が始まることになった。


というのが、昨日までの話。

詳しいことは、こちらから 読んでほしい。


とはいえ、散々怖い話を聞かされた私たちは、

もう、その話のことで頭がいっぱい。


肝だめしどころじゃない、というのが、そのときの正直な気持ちだったなあ。


でも、いざ本番が始まってみると、そんなことも言ってられない、

さらに、ものすごい恐怖が私たちを待っていようとは!


このときの私たちには、知る由もなかったのだった・・・・・・。


公民館に隣接する小さな公園に集められた私たち。

早速はじまった説明を聞いてみると、どうやら本番の肝だめし大会は、

小学生三人が一組となって、懐中電灯一つで目的地まで行き、

戻ってくると、いうものらしい。


なーんだ、意外と芸がないな。

なんだか、普通のよくある、肝だめしみたい。

うーん、ちょっと身構えすぎたかな。


なんて思ったんだけど、ちょっと待てよ。


昨日も説明したけど、この周囲は山と畑ばかり。

明かりと呼べるものはほとんどなくて、外灯だってほとんど見当たらない。

そんな道中、頼りは、遠くにわずかに点在する民家の明かりくらい。


そんな中を歩くっていうのか?


当然、夜になってもサンサンと明かりを照らすお店の電飾、なんてものもなし。

そもそも、お店どころか、この辺りには家だって建ってない。


指定された道は、たしかに整備されていて、

人が普段歩くのに使っている道路ではあったけど、

少しでもそこを逸れようものなら、そこにはジトッとした、

まるで、底のない穴の中を覗いているような、闇ばかりが広がる、無限の夜の世界。


しかも、道のりは結構長くて、迷いでもしたら、

大変な騒ぎどころじゃない、事件にだってなりかねないぞ。


話を聞いていた私たちも、だんだんこれから自分たちがすることの

大変さを理解して、無口になっていったのだった。


そんな中、ついに肝だめし大会が始まった。


その年、私の町内では小学生は女子のほうが、少しだけ人数が多かった。


私はとうぜん、仲のよかった友達と組んで行きたかったのだけど、

なぜか組まされたのは、二人の後輩の女子。

しかも、たった一つしかない懐中電灯を、その二人は渡してくれなくて、

私は何も持たずにスタートすることに。


うっ、心細いよっ。


それでも、なんとか僅かな明かりをたよりに、少しずつ進んでいったのだけど、

目の前には、完全に何もかもが闇に沈んだ空間が広がるばかり。


しかも、頭の中には、さっき聞かされた怪談話が残っていて、

ちょっと大きく響いた、自分の足音にまで怯える始末。


しかも、しかも!

何が怖いって、そのあいだ、地元のお兄さん、お姉さんたちは、

一切、何もしてこないっ!


だってさ、これでお化けの扮装でもして突然、出てきてくれたら、

ああ、人がいるんだ、てホッとするじゃないかあっ。


なのに、だれも出てきてくれないんだよ!

近くで見守ってはいるんだけど、絶対に姿を現さない。


うう、ずるいっ!


この肝だめし、本当にただ目的地まで行って帰ってくるだけで、

途中、なんの怖がらせる仕掛けもなしていないんだ。

私たちは、延々と、暗い道をただ歩くだけ。


静かだし、暗いし、ああ、もう怖いよぉっ。


ただ、そうはいいつつも、このときの私はまだ、余裕があるほうだった。

道中は三人いたし、進んでいく道は、その姿は夜の闇で一変して見えてはいたけど、

普段からよく通る、見慣れた道でもあったからだ。


後ろから着いてくる女子からは、なかば壁扱いにされながら、

なんとか先を急いでいったんだ。


「男子なんだから、前にいってよ」

「男子なんだから、先にいってよ」

「男子なんだから、一人でいってよ」


ば、ばかやろーっ!

こんなときに男子も女子も関係あるかあっ。

そういうのは、男女差別ていうんだぞ。

社会の時間で習っただろうが!


大体、一人で行って、とはどういうことだ。

懐中電灯もなしに一人で行ったら、遭難するじゃないか!


で、とにかく目的地について、折り返してきた道の途中のこと。

多少、暗さにもなれて、少し気が緩んでいた、そんなとき。


突然、後ろのほうで、わずかに水が流れている小川があったのだけど、

そこに巨大な石が落ちるような、凄まじい音がしたんだ。


ここまで何の仕掛けもなく、聞こえてくるのは

虫の声と自分たちの息を飲む声ばかりだった中で、

突然のその大きな音に、当然、私たちは大仰天!


ただ、私がもっと驚いたのは、一緒にここまで歩いていたほかの2人が、

そのまま私を置いて走って逃げてしまったことっ!


こらーっ!

置いていくなっ!

懐中電灯を持って行くなーっ!


と思ったのだけど、その拍子に靴が脱げてしまった私は、

それを探さなくちゃいけなくて、しかも探したいけど、明かりがないっ!


メガネ、メガネ、じゃなくて、靴、靴ーー!


で、ようやく見つけて履いたときには、既に他の2人の姿はなく・・・・・・。


私は、全く明かりのない中を、ただ一人、走ることもできず、

ほとんど泣きそうになりながら、

みんなが待つ場所まで帰っていったのだった。


もう、二度と肝だめしになんか参加するもんか、と思いながら・・・・・・。

キノコハンター。

たとえば、昔の人たちは、キノコ狩りにでかける際、

必ず、カゴを持っていったことを、みんなは知っているだろうか。


採ったキノコは、必ず、カゴに入れて持って帰るのが、

昔は常識だったんだそうだ。

というのも、カゴのように通気性のいい、入れ物に入れることで、

キノコのいたみを抑えることができたからなんだって。


しかも、それだけじゃない。


キノコ狩りを続けている間や、家に帰る途中の道で、

背負ったカゴは、絶え間なく揺れつづける。

そうすると、カゴの中のキノコは網目から、胞子を地面にパラパラと落としていく。


それが、翌年になると、またキノコになることがあるから、

それをまた収穫することができる、というわけ。


うーん、まさに先人の知恵だよなあ。

昔の人てほんと、えらい!


私も、カゴは使っていないものの、最近はよくキノコを採りに出かけている。


といっても、それはオンラインゲームの「MHF」 の中での話。


そもそも、キノコを採集してきてほしい、という街からの依頼を請けて出かけると、

このゲームでは、その場合に限って、凶暴なモンスターに出会うことが、

ほとんどなくなるよう、設定されているみたいなのだ。


つまり、心置きなく、キノコ狩りに専念できるようになっている、てわけ。


ま、ときどき、それで凶暴な肉食モンスターに見つかって、

襲われるハプニングもあるんだけどさ・・・・・・。


でも、普通の狩猟を目的とした依頼で出かけたときよりは、

ずっと、そういった危険な目にあう機会を減らすことが、できるようなんだ。


採集が大好きで、モンスターと戦うのが、まだまだ苦手な私には、

これはとっても嬉しい仕様。


それで、ついついキノコ狩りに出かけることが多くなってしまう。


しかも、オンラインゲームの「MHF」 ではキノコには、色々な使い道があるんだ。


そのまま食べてもいいし、料理の食材にしてもいい。

すりつぶして調合することで、回復薬にすることもできる。

さらに毒キノコを使って同じように薬を作れば、

モンスターと戦うときの、武器として使うことだってできてしまう。


最初は何も知らなかった私だけど、

さすがにこれまでハンター生活を続けてきたおかげで、

そんなキノコの使い道をたくさん覚えることができた。


で、これって、もっとキノコを集めておけば、欲しいとき、いつでもすぐ使えて、

便利そうだよなあ、と思ったんだ。

なんてったって、食べてよし、薬にしてよし、だもん。

たくさんあっても、困ることはないもんな、ふっふっふ。


それで、私は、キノコは勿論、木の実に、野草、調合のための薬と、

モンスターと戦う使命も忘れて、収拾することに夢中になってしまったのだった。


あるとき、ふと気がつくと、私の家の棚はこんなことになっていた。



MHFss026


うーん、このゲームは「モンスターハンター」なのに、

モンスターをハンティングした証となるものが、まったく入っていない。


あるのはキノコと野草、そして薬ばかり。

これは、さすがに問題あるようなきがするなぁ・・・・・・。


それに、こんなにたくさんのキノコを一箇所に入れておいたりして、

勝手に増殖でもはじめたら、ああ、どうしようっ


私の家がこのままキノコハウスになることが、どうかありませんように・・・・・・。



肝だめし。

私は、決して怖がりなほうではない、と思う。

ホラー映画だって、どちらかというと平気だし、作品にもよるけど、

楽しんで見れてしまうほうだと思う。


なんだけど、子供の頃にあった肝だめし大会が、

今も、私のトラウマになっている。


今も私の実家がある、子供時代に住んでいた地域というのが、

周囲を山に囲まれ、田園風景がどこまでもつづいているような、

よく見かける、典型的な田舎町だった。


冬は深い雪に、夏は大量のカエルと虫の声に包まれ、秋はあたり一面の紅葉、春は満開の桜。


ただ、決して、何もない奥深い山村というわけではなくて、

それなりに大型のショッピングセンターがあったり、複合型のスーパーや映画館、

家電量販店なども、不便がない程度にはそろっていて、

普通に生活する上では、なんの支障もないところだった。


ただ、実家が建っていたのが、そんな中でも山のふもとに限りなく近い場所で、

夜になるとあたりは真っ暗、周囲はシーンと静まりかえって、

かすかに民家の明かりが見える以外は、ほんとに何もないところなんだ。


これがさ、けっこう怖いんだよ・・・・・・。


そんな環境の中で、私が子供のころ

町内会で企画された肝だめし大会が、近所の子供たちを集められて、行われることになった。


私の住む地域では、中学生や高校生になった人たちが、

同じ地域に住む小学生のために、色々なイベントを考えて実行する

子ども会の集まり、というのが定期的にあったのだけど、

これまでそれは、ほとんどが花火大会や、クリマス会などといった、平和的なものばかりだった。


でも、その年、誰が発案したのか、初めて肝だめし大会が行われることになったんだ。


しかも、これがあとになって思うと、すごくよく考えられた、本格的な

肝試し大会だったんだ。


まず最初に、小学生だった私たちは全員、公民館に集められた。


そして、そこで肝試しに出発する前に、怪談話を聞くことになったんだけど、

その怪談話というのが、小学生相手にするには、ちょっと出来過ぎた、

本当に恐ろしい話ばかりっ!


集まった子供たちは、まだ肝だめしが始まってもいないのに、

恐怖でだんだん顔が真っ青に。


うっ、ちょっと、やり過ぎじゃないか?

みんな、すごい怯えてるぞっ!


話してくれたのは、よく知っている同じ町内のお姉さんたちだったんだけど、

語る口調はわざと変えてるし、部屋の明かりもすべて消して、

明かりはロウソクだけにするなど、雰囲気作りは、ほとんど完璧。


そんな中で聞かされた怪談話には、例えばこういったものがあった。



若いカップルが、育てられないのに生んでしまった赤ん坊を、

駅のロッカーに入れて放置し、その結果、死なせてしまう。


その後、幸せな結婚をして、改めて子供を生んだ二人は、

生まれたばかりのその子と共に、

今度こそ、幸せな家庭を作れるように頑張ろうな、と話していると、

寝息をたてて眠っていた子供がとつぜん、カッと目を開き、


「また、私を置いていかない?」


息をのんで話を聴いてた私たちは、そこで、「ギャー」と悲鳴を上げて大パニック。

さらに突然、うしろのドアがバカーン!と開いて大声で脅かされ、

さらに、ギャー!


中には、もう、その場から今にも逃げ出そうとする子供、

抱きあって震える子供、泣いている子供までいて、


ばかやろう、演出が過ぎるんだよぉーっ!


とにかく、ようやく、それで怪談話は終わり。


ただ、子供の中には怯えすぎて、とても続けられない子供がいたので、

そんな子供たち、はそこでお菓子を貰って帰っていった。


ああ、今日の夜、悪夢にうなされないといいけど・・・・・・無理だろうなあ。


で、残った者たちで肝だめしは再開されることに。


とはいえ、さすがに、散々、小学生相手には度が越えているとしか思えない、

怪談話を聞かされたあとでは

これ以上の怖いこともないだろう、と思って油断していた、私たち。


しょせん、年上のお兄さんお姉さんが、何かやるのだといっても、

お化けの扮装をして途中で脅かしてきたり、

怖そうな音楽流したりするくらいに違いない、と、私も思っていたんだ。


でも、まさかそれが、ぜんっぜん、違っていようとは!


恐怖の肝試し大会は、まさに、ここからが本番だったのだ。


ということで、その恐怖の模様は、明日へとつづく。



・・・・・・それにしても、怖い話をしているときに、

後ろから脅かすのは、ずるいよなあ、やっぱりさぁ・・・・・・。


気づかないハンター。

戦いが始まった。


この世界で、もっとも強い生き物と、もっとも逞しい生き物との戦い。

私たちが明日も生きるには、この戦いに勝つしかない。

この小さな身体と細い腕で、すべてをかけてぶつかっていくしかない。


頑張ろう、みんな!

私も、みんなのために、力の限り、笛を吹いてみせるからっ!!


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いいぞ、みんなっ!

私も、さらに頑張って笛を吹くぞっ!



MHFss024


すごいぞ、みんなっ!

よーし、私も負けてはいられない!

もっと、もっと笛を吹くんだ!



MHFss025



・・・・・・まだ、戦い、終わらないのかなぁ。

そろそろ、吹く曲もなくなってきたんだけどなぁ、うーん・・・・・・。


ん?

みんな、何か言った?


え?なに?

私のうしろが、どうかしたって・・・・・・?




オンラインゲーム「MHF」。

そこは、いつ、どこから危険が迫ってくるか、誰にもわからない世界。