5G/IoT通信展特別公演『5Gにおける新たなビジネスチャンス』を終えて | 藤原洋のコラム

~5G/IoT普及に必須!最先端の無線通信技術展~

 

 私は、去る7月19日に、第2回目を迎えた「5G/IoT通信展」(主催:リードエグジビションジャパン株式会社、以下、「リードエグジビジョンジャパン」)での特別公演を依頼されました。事前登録制で約1,000人の方々に聴講して頂きましたので、その様子をお伝えします。

 

●5G/IoT通信展とは?

 本展示会は、5G/IoTに関わる具体的な商談を目的にしたものであり、主催者によると、その趣旨、出展、来場対象については、以下のようなものです。

 「IoTが普及すると、スマートフォンやタブレットなどの情報端末だけでなく、家電、自動車、看板など、あらゆるものがネットワークにつながり、今までとは比較にならないほど、通信データ量が膨大になります。 この課題を解決するために5GやLPWAなどの次世代モバイル通信の整備が期待されています。 本展はIoT社会の実現に不可欠な見本市として、盛大に開催します。」(主催:リードエグジビションジャパン)

【出展対象】

無線通信システム、アンテナ、電源、部品、計測機器などモバイル通信技術を扱う企業

【来場対象】

通信事業者、データセンター事業者、ネットワークエンジニアなどの技術者など

 

●私の講演の概要

 以下の目次に沿ってお話しさせて頂きました。

〇目次

1.5Gに対する私の立場

2.従来の情報通信インフラとの相違点

3.5Gを取り巻く社会の変化(2020年代とは?)

4.5Gを取り巻く技術の変化(ライフ/ビジネススタイル)

5.各産業分野別の5Gを活用したビジネスチャンスとは?

 

〇内容

1.5Gに対する私の立場

 私の立場として、1980年から10年ごとに世代交代する第5世代モバイル通信システムに関して、3つの総務省における有識者会議に参加し政策立案に参加してきたことです。

 

①「電波政策ビジョン懇談会」

 2014 年1月から、総務副大臣及び総務大臣政務官の主催により計14 回の会合を開催、16名のメンバーの1人として参加し、6年後の2020年に増やすべき電波帯域の確保と新電波産業の創生についての結論を出しました(610MHz〔当時〕を2000MHzに増加、2030年の電波直接産業34.5兆円と電波利用産業49.5兆円)。

 このことは極めて重要で、4Gと異なり、5Gでは、通信キャリア市場よりもそれを活用する電波利用産業の市場規模が大きくなることを意味しています。このことが、今日の5Gに特化した5Gデータセンターの構想につながりました。

 

②「電波政策2020 懇談会」

 2016年1月から、総務副大臣及び総務大臣政務官の主催により計4 回の会合を開催、10名のメンバーの1人として、またサービスワーキンググループで計12回の会合に参加し、5G時代に適合する電波利用料制度(約700億円/年)の在り方について議論しました。私の意見として、電波帯域の利用について放送事業者と移動通信事業の電波利用料負担の公平性に対して、移動通信事業の電波利用料の引き下げを提案させて頂きそれが答申に盛り込まれたことをお話させて頂きました。

 

③ 新世代モバイル通信システム委員会

 2017年1月から、総務副大臣及び総務大臣政務官の主催により計13回の会合を開催、21名のメンバーの1人として参加しました。またローカル5Gワーキンググループでは、当社スタッフ1名が参加し、具体的な免許付与のために、5Gの基本コンセプト、ネットワーク構成、4Gから5Gへの移行、5G用の周波数、5Gの技術的条件等について議論しました。この結果、2019年4月に全国免許が4社に付与されました。また、今年度中にローカル5G免許が付与される見通しとなっています。

 

2.従来の情報通信インフラとの相違点

 5Gは、4Gまでと異なり、ビーム多重とミリ波帯利用の技術を導入したことで、4Gと比較して、速度10倍、遅延時間1/10、多地点同時接続密度10倍、消費電力1/3、伝送容量1000倍(ユーザー数×伝送速度)、モビリティ500㎞/hの特徴があること。用途がスマートフォンだけではなく、自動車、産業機器、ホームセキュリティ、スマートメーター、その他IoT分野に及ぶこと。また、ローカル5Gは、これまでにない地域限定の通信キャリア免許で、CATV局、工場、ビルオーナー、スタジアムなどの保有者、運営者に与えられ新産業を創出する起爆剤になることをお話ししました。

 

3.5Gを取り巻く社会の変化(2020年代とは?)

 1994年のインターネットの商用化以来、日本のGDPだけが伸びが止まっていること、日本の企業から新たな技術革新が生まれていないこと。人口減少をGDP減少の理由に挙げる向きがあるが、それは、間違いで、イノベーションを起こすことしか経済発展の道はない、むしろ人口減少を逆手にとって、IoTやAIを一気に導入するチャンスが日本に来ていること。実際、5G時代を迎えて日本のIoT市場は、世界でも大きく年15%の成長市場であることについて指摘させて頂きました。

 

4.5Gを取り巻く技術の変化(ライフ/ビジネススタイル)

 5Gと相互作用する技術は、IoT、ビッグデータ、AI、ロボティックス技術であり、第4次産業革命は、あらゆる産業のデジタル化=デジタルトランスフォーメーションをもたらすこと。その結果、ヘルスケア、移動、サプライチェーン、街づくり、フィンテック分野に革命が起こるというお話をさせて頂きました。

 

5.各産業分野別の5Gを活用したビジネスチャンスとは?

 2018年頃からの働き方改革、2020年頃からの生産性改革、2025年頃からのヒトの補完、2028年頃からの完全自動化、2030年頃からのAI/ロボットの生活への浸透という新たなトレンドが起こること。特に5Gによって、スポーツの楽しみ方、救急医療、買い物、防災・減災、地方での暮らし、街歩き、仕事のやり方、クルマのナビ、クルマの役割、空港/駅が大きく変わること。そのような時代の変化に向けて、当社が総務省予算で、名古屋大学・東京工業大学・東京大学・名古屋工業大学・NTT研究所・パナソニックセミコンダクター・情報通信研究機構と共に、「窒化ガリウムを用いた5Gデバイスの研究開発プロジェクト」の取りまとめ役を担っていること。5Gを活用した全産業デジタル化のビジネス拠点として5Gデータセンター=新大手町データセンターを開設し、いよいよ運用が始まることについてお話させて頂きました。

 

●おわりに

 約1,000人の方々は、メモを取られながら大変熱心に聴講され、終了後、多くの方々と名刺交換をさせて頂きました。特に、5G時代の特徴の1つになると思われるのが、製造業の方が5Gデバイス、機器を作るだけではなく、モノづくりにどう5Gを使うのか?出荷後のモノを5Gでどうつなぎどうメンテナンスするのか?ということに対するご質問を多く頂きました。限られた時間でしたので、あまり多くお答えする時間はありませんでしたが、具体的なビジネスの話題でその続きを・・・ということで、講演会を終了しました。

 

 

 

 

 

2019年7月30日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋