当社の新大手町データセンター(以下、新大手町データセンター)の現状について | 藤原洋のコラム

 去る2019年6月10~11日に、日本経済新聞社と総務省が主催する世界デジタルサミット2019が開催されました。そこで、私は、『AI+CASE時代の5Gデータセンター』と題して講演をさせて頂きました。ここでは、データセンターを取り巻くトレンドとしての①AI時代とは?②CASE時代とは?③BBTowerの5Gデータセンターとは?の3つについてお話させて頂きました。以下にその概要について述べることとします。

 

①AI時代とは?

今日のディープラーニング革命により高速演算への要求が高まっており、大量のトレーニングデータの利用を可能とするためにGPU(Graphics Processing Unit、リアルタイム画像処理に特化した演算装置)が、並列処理に向くためディープラーニング演算に極めて有効であることが確認されたということです。また、GPU サーバーでAI処理を実行するとサーバー・ワット数あたりの性能が大幅に向上するため、今回の新大手町データセンターでは、電力容量/ラックを最大で当社初のデータセンターである第1サイトの最大6倍の12KVAの電力容量を誇ります。この結果、日本のAI技術をリードするベンチャー企業の株式会社Preferred Networks(プリファード ネットワークス)が新大手町データセンターの顧客となって頂くことが決定しました。

 

②CASE時代とは?

 C=「Connected:コネクティッド化」、A=「Autonomous:自動運転化」、S=「Shared/Service:シェア/サービス化」、E=「Electric:電動化」の頭文字を取った造語で、現在の自動車業界の変化を的確に表わす言葉として最近急速にクローズアップされてきています。元来、CASEは、2016年パリモーターショーで独ダイムラーのディーター・ツェッチェCEOが発表した中長期戦略を起源とします。新大手町データセンターは、正にCASE関係顧客が集積する見通しとなってきました。というのは、CASE時代を先導する代表的企業であるソフトバンク株式会社が新データセンターの大口顧客となることが決定したからです。同社は、新大手町データセンターを中心に自動車業界にイノベーションを起こす先導的役割を果たすことでしょう。

 

③当社の5Gデータセンターとは?

情報通信インフラのイノベーションを主導してきたのは、インターネット技術のモバイル通信技術の2つがあります。特に、最近の大きな変化は、固定ブロードバンドは2008年にADSL(Asynchronous Digital Subscriber Line、電話線を利用した非対称デジタル加入者線)よりもFTTH(Fiber To The Home、光ファイバ加入者線)への本格的シフトが起こり、超高速通信環境が固定ブロードバンドとして普及が始まりました。また、モバイル通信では、2010年から4Gへの本格的シフトが起こり、スマートフォンによる高速通信環境がモバイル・ブロードバンドとして普及が始まりました。そして、2020年からは、10年毎の世代交代に当たる5Gへの本格的シフトの年となる見通しです。図1に情報通信インフラの進化、図2にモバイル通信システムの進化、図3に5Gとは?、図4に4Gと5Gとの性能比較図を示します。

 

図1 情報通信インフラはインターネット(光ファイバとモバイルインターネット)

 

図2 モバイル通信システムの進化

 

図3 5G(第5世代モバイル通信システム)とは?

 

図4 5G(第5世代モバイル通信システム)とは?

 

 次に、情報通信インフラの世代交代と同期して起こっているのが情報発信源としてのデータセンターの世代交代です。インターネット接続環境とモバイル通信環境の進化に合わせて多くの情報提供事業者が、データセンター上にそのサービス基盤を構築してきました。このたび開設した新大手町データセンターは、正にAI時代とCASE時代に対応した5Gデータセンターであると言えます。図5に、当社の進める5Gデータセンターの時代背景について、図6に、5Gデータセンターの強力な顧客基盤とパートナー基盤について示します。図7に、当社のCASE時代の5Gデータセンターでの新たな取り組みとしての「次世代サプライチェーンの構築」プロジェクトについて示します。

 

図5 ブロードバンドタワーの進める5Gデータセンター

 

図6 5Gデータセンターの強力な顧客基盤とパートナー基盤

 

図7 5Gデータセンターでの新たな取り組み「次世代サプライチェーンの構築」

 

 以上に述べたように、新大手町データセンターは、AI時代とCASE時代に対応した5Gデータセンターとして、キャリアニュートラルなデータセンターの特徴を活かしてソフトバンク株式会社を始めとするほぼ全ての通信キャリアをはじめ、ヤフー株式会社、株式会社Preferred Networksはじめ多くの先端的企業によって顧客基盤が整備され、顧客の拡張性を考慮して、段階的に顧客獲得を進め現在約70%の利用が決まっています。・・・また、広域での事業展開をしている株式会社アット東京(セコムグループ)と新大手町データセンターと両社の広域データセンター利用顧客への利便性を図る共同事業を開始し致しました。AI+CASE時代の5Gデータセンターを全産業デジタル化時代の拠点として皆様と共にイノベーションを起こしていきたいと考えております。

 

2019年6月25日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋